ねこも歯のケアをしないと歯垢が溜まり、歯周病の原因になってしまうのは人間と同じです。
歯周病は歯が抜けるだけでなく心臓や腎臓など全身に悪影響を及ぼす可能性がある恐ろしい病気です。
そのため、飼いねこに歯磨きをすることは歯周病や歯石を防いでねこの健康を守ることに繋がります。
また、口臭が気になる場合も歯磨きをしてあげることで口臭を少なくすることができるのです。
本記事では、ねこのデンタルケアの方法やねこ用歯磨き用品について解説していきます。
飼い猫は野生のネコ科動物とは食べ物が違うため、従来よりも歯垢が溜まりやすく虫歯や歯周病になりやすいといわれています。
食べ物のかすが歯に残ることで歯垢が発生してしまいます。
歯垢は放っておくと、3~7日間程で固い歯石になり歯ブラシで取り除くことが難しくなってしまうのです。
そのため、定期的に歯磨きをして歯垢が柔らかいうちに除去することが大切です。
本記事を参考に、ねこの歯磨きに必要なものの正しい選び方やねこが歯磨きを嫌がるときの工夫について知っておきましょう。
野生のネコ科動物と比べて飼いねこの方が歯のトラブルが起こりやすい理由は、両者の食生活の違いにあると考えられています。
野生のネコ科動物は捕食した肉を引きちぎって食べることで歯の表面に汚れが残りにくいため、歯のトラブルが少ないとされています。
一方、飼いねこの主食はキャットフードである場合がほとんどですが、キャットフードは噛むことで細かくなるので、食べかすが歯の表面に付きやすい状態のです。
特にウェットフードを食べている場合は食べかすが多くなり、歯垢が増えて歯のトラブルが起こりやすいといわれています。
歯と歯茎の間には歯周ポケットと呼ばれる溝があり、ここに歯垢が溜まって歯茎に炎症を起こす症状を歯周病と呼びます。
歯周病を起こす細菌が歯茎から全身に侵入すると、心臓や腎臓にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
また、歯垢は3~7日間程放置すると固い歯石に変わります。
歯石ができると歯磨きでは取ることが難しくなるため、歯垢の段階で歯磨きをして取り除いてあげましょう。
歯石まで成長すると、歯磨きでは取り除くことはできません。
ねこの歯石を除去するためには、人間が歯科医院でやってもらうのと同じように、動物病院に行って削ってもらう必要があります。
歯石が酷い場合は全身麻酔が必要になるため、歯石ができていること自体がねこに大きな負担となってしまうのです。
ねこに大変な思いをさせないためにも、歯垢が付いたばかりのうちに歯磨きで取り除いてあげましょう。
猫の歯磨きを正しく行うためには、適切な歯磨き用品を使うことが大切です。
最近は、ねこ用のデンタルケア用品が多数販売されているのでぜひ使ってみてください。
歯ブラシを使うのは難しそう、ねこが嫌がってしまうと感じた場合はガーゼなどの代用品から始めてみるのも有効です。
ねこの歯磨きには、ねこ用の歯ブラシか赤ちゃん用のヘッドが小さい歯ブラシを使いましょう。
人間の歯ブラシと似たような形のものや、柔らかいスポンジでできているものなど様々なタイプが発売されています。
まずは複数のタイプの歯ブラシを試してみてねこがスムーズに歯磨きさせてくれるものを選ぶことをおすすめします。
歯磨き粉を使う場合は、市販されているねこ専用の商品を選びましょう。
ねこ用の歯磨き粉にはシーフード味などねこが好む味が付いているものが多いようです。
また、飼い主さんが口を開けたりすすいだりする必要がない液状の歯磨き剤もあります。
こちらねこが歯磨きを嫌がるときにもおすすめです。
ねこのデンタルケアに役立ち、ねこも喜びそうなものを使いたいならねこ用歯磨きガムをあげてみましょう。
ねこ用歯磨きガムとはねこがしっかり噛める素材や形状で作られたおやつで、歯垢を除去するための工夫がされています。
ただ、あくまでおやつなので、あげすぎるとねこの体重が増えてしまう恐れがあるため注意が必要です。
歯ブラシが苦手なねこには、濡らしたガーゼや市販の歯磨きシートを指に巻き付けて、歯の表面をこする方法も検討してみましょう。
ガーゼや歯磨きシートは歯茎への刺激も少なく、歯垢をしっかり取ることができるのでデンタルケアに有効なアイテムです。
このとき、ガーゼにねこが好きな香りの歯磨き粉やペースト状のおやつを付けてあげることも効果的です。
ただ、ガーゼや歯磨きシートを使う際は指を嚙まれる可能性があるため注意してください。
ねこの健康を守るためには歯磨きが大切ですが、嫌がるねこに無理矢理歯磨きしようとしても上手くいきません。
無理して一度に全体をやろうとせず、一部分ずつ短い時間で行うようにしましょう。
歯磨きに慣れさせることは歯磨きを上手に行うコツです。
ねこにとって歯磨きが楽しい時間になるように工夫してみましょう。
また、強い力で歯ブラシを当てると歯茎を傷付けてしまうことがあるので、力を入れ過ぎずに優しく磨いてあげることが重要です。
基本的に動物は口元を触られるのを嫌がるといわれています。
そのため、子ねこのうちから少しずつ歯磨きに慣れてもらうと良いでしょう。
永久歯は生後6カ月頃までに生え揃うため、それまでに歯磨きに慣れていると理想的です。
また、ねこの正面から歯磨きをしようとするとねこが警戒してしまうため、ねこの後ろから抱きかかえるような姿勢で歯磨きをしてあげましょう。
奥歯は形が複雑なため、歯垢が溜まりやすい部分です。
特にねこの歯で最も汚れやすいのは上の奥歯といわれています。
口を開けることを嫌がらないねこであれば、上の奥歯をしっかり磨いておくと安心です。
ねこの頭を上から軽く掴み、上唇を親指で持ち上げて歯を露出させてあげるとよく磨くことができます。
ねこが嫌がる場合は、歯ブラシを口の端から入れ、閉じたままの状態で磨いても大丈夫です。
嫌がっているねこに無理矢理歯磨きをすると、かえって歯磨き嫌いがエスカレートしてしまうため注意が必要です。
ねこが口を開けてくれないときは、口の端から歯ブラシを滑り込ませて歯と歯茎の間で歯ブラシを動かすだけでも大丈夫です。
歯ブラシが苦手なねこには歯ブラシの代わりにガーゼや市販の歯磨きシートを使うことも検討してみましょう。
まずは口の周りを触られることに慣らすことから始めて、徐々に歯に触ってみる、歯ブラシを使ってみるなど、少しずつ段階を追っていってください
ねこは自分で歯磨きできないので飼い主さんが磨いてあげないといけません。
できれば毎日歯磨きするのが理想的ですが、無理そうな場合でも3日に1回は歯磨きをするのがおすすめです。
人間の歯磨き用品と同様、ねこ用の歯磨き用品も様々な種類が販売されています。
飼いねこの好みや合ったものを選んであげましょう。
ねこの歯磨きのコツは、少しずつ時間をかけて歯磨きに慣れてもらうことといわれています。
できれば子ねこのうちに歯磨きに慣れてもらいましょう。