ねこと暮らしていると、食べているか寝ている姿しか見ないという方が多くいらっしゃいます。
それは、ねこの語源が「寝子」にあるほど眠る生き物だからなのです。
そんなねこの睡眠ですが、ねこの睡眠を見ることで体調や精神状況もわかることがあります。
今回は、そんなねこの睡眠についてご紹介していきます。
ねこと暮らしている方の中で、出かけた際に家の中の様子をモニターで見る方も増えてきました。
しかし確認するたびに寝ていたり、たまに動いているのを見かけてもご飯を食べているかトイレに行くだけ。
ねこにとって睡眠とはどのようなものなのかをご紹介します。
ねこの1日に取る睡眠時間は、成猫であれば16時間から17時間、子猫や老猫は20時間眠ります。
逆算すると、子猫や老猫になると1日に4時間しか起きていません。
ねこは人間のようにまとまって睡眠を取るのではなく、細切れにトータルで16時間から20時間眠ります。
人間で昼寝をする人がよく寝ているとイメージがつきやすいです。
昼寝と同様に、睡眠の回数が多いねこは実際に寝ている時間より多く寝ているイメージなのかもしれません。
また、老猫と判断される7歳を過ぎたあたりから睡眠時間が長くなり、20時間眠るようになります。
1日にねこほど眠らない人間と暮らすねこの睡眠時間はやはり変わってしまうのかという疑問も生まれます。
人間と暮らせば物音や話し声で起こされることも多々あります。
本来たくさん眠らなければならないねこですから、睡眠不足が心配になってしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、どうやらねこはしっかり睡眠を確保しているので安心してください。
仕事などで外出している時は、特にやることもないのでひたすら眠り、飼い主の帰宅後に甘えたり遊んでもらおうとするのです。
また、夜に走り回るねこは昼間に十分な睡眠を取ってしまい、眠くない状況であることが多いです。
昼間は人がいなくてやることがなく寝ていたが、夜になって飼い主がいるから遊んでくれると思って走り回るわけです。
寝る前に少し遊ぶとおさまることも多いため、お気に入りのおもちゃで遊んであげると良いです。
自然界で生活する上で、そんなに寝ていて大丈夫なのだろうかと不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、睡眠時間が長いことはねこにとって効率よく生きるために必要なライフスタイルなのです。
自然動物の特徴として、草食動物は睡眠が短く肉食動物は睡眠が長いことがわかっています。
ねこは消化器官を見ても同じネコ科動物を見ても肉食動物です。
草食動物は大量に食事を摂取しなければ活動できないため、1日の多くの時間を食事に費やします。
それに対し、肉食動物は一食で活動するために必要な栄養を補うことができるのです。
そのため、1日に一度狩りが成功すれば生きていけるため、その他の時間は寝てエネルギーを温存しているのです。
また、雨の日にいつもより多めに眠っているねこもいますが、これは雨の日に狩りをしても獲物が見つかりにくいという昔の習性が出ているという説が現在有力視されています。
ねこの睡眠を見ていると、様々な体勢で寝ている姿を見ることがあります。
実は寝ている姿はその時の気分ではなく、精神状態が関係しているのです。
一見可愛らしい姿でもあまりリラックスできていなかったり過ごしにくい環境であるとねこが訴えているサインであることもあります。
寝ている様子に注目することで、ねこにリラックスして過ごしてもらったり快適な空間を作ることも可能です。
ねこが寝ている姿はとてもかわいいですが、もう少し注目してねこと良好な関係を築きましょう。
しゃがんだまま寝ている場合、ねこはリラックスできていない状態で睡眠を取っています。
これは、両足が地面についているので目が覚めてすぐに逃げられる体勢を取っているのです。
日光東照宮にある国宝の眠り猫は、角度を変えて見ると獲物に飛びかかろうとするねこの姿に見えます。
一見穏やかな様子に見せかけておいて、本当は臨戦体勢だということを表しているのですが、しゃがんだまま寝ているねこはまさにその状態なのです。
常に身の危険を感じているねこがしゃがんだまま寝る傾向にあるので、リラックスしていない状況で生きていると言えます。
リラックスできるよう、ねこの寝床を確保するなど身の安全を保証する環境づくりを行うと良いでしょう。
丸まって寝ているねこの写真が「ニャンモナイト」として前にSNS上で話題になったこともありましたが、実は丸くなって寝ている状態は寒さが原因です。
また、伸びて寝ているねこもいつも以上に体が伸びていてかわいらしく見えますが、暑さが原因で伸びているのです。
体の表面積を広くしたり狭くして、ねこは体温調節を行なっており、それが寝ている姿に現れているます。
ねこが過ごす適温は筋肉量にもよりますが20℃から28℃であるため、快適に過ごしてもらうためにも寝ている姿を見て室温調節を行ってあげてください。
ねこがおなかを見せて寝ている場合はリラックスしている証です。
ねこの弱点であるおなかを見せて睡眠を取るということは、寝ている間に危険が一切ないという気持ちの現れといえます。
1日のほとんどを寝て過ごすねこにとって、睡眠中にリラックスできていることはこの上なく良い状態なのです。
完全家飼いのねこの寿命が長いとされていますが、外に出るねこは感染症や交通事故のリスクの他に、ストレスも寿命に関係していると言われています。
一緒に暮らすねこには少しでも長生きしてもらいたいものです。
そのためにも、おなかを見せて寝るくらいストレスフリーで過ごしてもらいましょう。
ねこは体調が悪いことを訴えてはくれません。
長生きしてもらうためにも、病気の兆候があればすぐに動物病院へ連れていきたいところです。
ねこの体調不良を知るための方法はいくつかありますが、その一つに睡眠の様子を見るという方法もあります。
ねこと一緒に暮らす中で病気のサインを少しでも多く知ることは、ねこの寿命を伸ばすことにつながります。
見落とさず、しっかりと見極めて対処してください。
ねこは睡眠を取るためのお気に入りの場所をいくつか作りますが、いつも寝ていないところに寝そべっている場合は病気の可能性があります。
珍しい場所で寝ていると気づいた時に、ねこの様子を見ると目が開いて寝ていなければ体調が悪いサインです。
寄生虫感染、胃炎、猫風邪、膀胱炎、その他にも大きな病である可能性がありますので、動物病院での受診をおすすめします。
人間の病院を受診するのと同様に、少し不調の兆候があれば検査してもらえば早期発見で命の危険や後遺症を避けられる可能性が高まります。
もしいつも寝ている場所以外で寝そべっている姿を見た際には、健康診断も兼ねて動物病院を受診しましょう。
ねこの起きている時間が長い場合も、病気の可能性があります。
子猫から成猫になる過程で今までより睡眠時間が短くなる傾向は見られますが、成猫になってから寝ている姿が少なくなると注意する必要があります。
遊びたいときやおなかが空いているとき、または発情中のねこも眠れない場合があるので全て病気の可能性があるわけではありませんが、食欲がなかったり嘔吐を繰り返すようであれば可能性が高くなります。
また、人の来客などによりストレスを感じて眠れなくなるねこもいるため一過性のこともありますが、しばらくねこが眠れない場合は病気の可能性も疑いましょう。
寝ているねこを見ているとピクピクと痙攣している場合があります。
痙攣を見て心配になるかもしれませんが、浅い眠りのときによく見られる現象なので心配ありません。
人間と同じく、ねこも浅い眠りと深い眠りを繰り返し行います。
浅い眠りの周期が来ると痙攣したり寝言のようなことを言ったりします。
ねこが夢を見るかはまだ明らかになっていませんが、寝言のような現象も見られるためもしかすると夢を見ているのかもしれません。
痙攣や寝言に気がついた際は、心配になって起こしたくなるかもしれませんが、自然に起こる現象なので起こさずに見守ってあげましょう。
ねこの睡眠を見ることで、精神状態がわかったり病気のサインを見つけることも可能です。
長生きしてもらうためにも睡眠に注目することは大切なことなのです。
ねこが寝ている姿を見ると愛らしく、見ている私たちも癒されます。
起きている間もかわいい姿が見られるねこですが、1日の多くを寝て過ごすねこです。
寝ている姿を見て楽しむのも、ねこと暮らす楽しみの一つと言えますね。