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ねこの身体
ふわふわかわいいクリームパン!「ねこの手」の秘密と魅力

ふわふわかわいいクリームパン!「ねこの手」の秘密と魅力

「ねこの手」をじっくり見たことはありますか?

ぷにぷにの肉球、ふわふわの毛に覆われた指、そこから飛び出す鋭い爪…。ねこの手は、かわいらしさとワイルドさを兼ね備えた、魅力的なパーツです。

ねこはその手を器用に使って、狩りや食事、毛づくろいなどに役立てています。今回の記事では、ねこの手が器用に動くわけや、ねこの手の使い方など、「ねこの手」の豆知識をご紹介します。

 

もくじ

1.ねこの手の基礎知識
∟1-1.ねこの手はなぜ器用?
∟1-2.ねこに「利き手」はある?
2.ねこの手の使い方
∟2-1.敵への攻撃
∟2-2.普段の生活
∟2-3.その他
3.ねこの手のかわいい動作
∟3-1.チョイチョイ
∟3-2.カキカキ・ホリホリ
∟3-3.モミモミ・コネコネ
4.ねこの手の豆知識
∟4-1.「ねこの手も借りたい」とはどういう意味?
∟4-2.忍者の武器「猫手」
∟4-3.ねこの手の「クリームパン」は大人気!
まとめ

1.ねこの手の基礎知識

まずは、ねこの手の動きや使い方についての基礎知識をご紹介します。


1-1.ねこの手はなぜ器用?

おもちゃを空中でキャッチしたり、コップの水をすくって飲んだり…。ねこを飼っていると、「えっ、そんなことまでできるの!」とびっくりするような動きをすることがあります。そう、ねこの手は意外と器用なのです。その秘密は「鎖骨」にあります。

犬はねこと同じ食肉目(ネコ目)ですが、鎖骨が退化しているため手(前足)を左右に動かすことがほとんどできません。その代わり、手が左右にぶれずしっかり地面を踏みしめることができるため、長距離を走ることができます。獲物を追いかけて捕まえる犬にとっては、器用さより安定性の方が重要なのです。

一方、ねこは待ち伏せをして獲物を捕まえる動物です。ねこは獲物を捕まえると、手でつかんで首を噛む、キックをするなどして攻撃します。獲物をしっかりつかむためには、手を左右に動かさなくてはなりません。そのために鎖骨が発達し、器用な動きができるようになったと考えられています。


1-2.ねこに「利き手」はある?

人間と同じく、ねこにも利き手があるといわれています。イギリスの心理学者であるウェルズ氏が行った研究によると、メスねこは右利き、オスねこは左利きが多いという結果が出たということです。これは性ホルモンの影響によるものと考えられており、去勢手術を受けたオスねこはメスと同じく左利きが多いそうです。

ねこの利き手を調べる時は、瓶やコップなどにおやつを入れて、どちらの手で取るかをチェックします。あなたのねこは右利きでしょうか、それとも左利きでしょうか?試してみると面白いかもしれませんね。

2.ねこの手の使い方

上記で触れた通り、ねこはその器用な手を獲物などへの攻撃に活用しています。しかし、それだけではなく、毛づくろいやトイレといった普段の生活でも手を上手に使っています。ねこが手を使うシーンと、その使い方をご紹介します。


2-1.敵への攻撃

・狩り

先ほどご紹介した通り、ねこは狩りの際手を器用に使います。獲物をぱっと手で押さえてつかみ、攻撃して弱らせるのです。

また、飛んでいる虫や鳥を両手でキャッチして捕まえることもあります。

ねこじゃらしやボールで遊ぶ際に、ねこのそういった野生の面が見られるかもしれません。

・けんか

ねこの手はけんかにも使われます。ねこはけんかをする際、まずはにらみあったり、独特の声で鳴き合ったりします。それでも双方が引かない場合、本当のけんかが始まります。

攻撃方法としてはとっくみあいやかみつきの他、ねこパンチが挙げられます。本気のねこパンチは爪が出ており、当たると流血することもあります。

飼いねこでも激しく怒ったりパニックになったりした時に、人に対してねこパンチをすることがあります。ねこに引っかかれると細菌が入り、患部の腫れや発熱が生じる「ねこひっかき病」になることもありますので注意が必要です。


2-2.普段の生活

・毛づくろい

毛づくろいをする際にも手を使います。手の側面を舐めて濡らし、顔やひげをなでているところを見たことはあるでしょうか。そうして顔や口の周り、ひげの汚れを取っているのです。いうなれば、手を「濡れタオル」のように使って身づくろいをしているのですね。

・トイレ

ねこは用を足す時、穴を掘ってそこにうんちやおしっこをします。そうすることで、自分のにおいを周りに知られないようにしているのです。

・水やフードを口に運ぶ

コップなど、ねこの顔が入らないほど狭い容器に水を入れて置いておくと、ねこはチョイチョイと水をつついて、ぺろぺろ舐めます。また、中にはドライフードを手ですくって食べるねこもいます。このように、ねこは指や爪の角度を自由に変えて、物を握ることもできます。


2-3.その他

・狭い所のものを取る

ベッドの下や家具の間におもちゃが転がり込んだ時などに、手を入れて器用に取り出すことができます。うまく取れない時は両手を入れてひっくり返り、バタバタ暴れることもあります。とてもかわいい動きですが、ほこりやゴミまで掻きだしてしまうため、飼い主としてはちょっと困ってしまうかもしれません。

・戸を開ける

ねこは戸を開けるのも得意です。引き戸であれば手を入れてこじ開け、両手を入れて戸を開けます。重たいガラス戸も開けてしまうのですから驚きです。

また、取っ手を下げて開けるタイプのドアであれば、手を取っ手にかけて開けてしまいます。

このようにねこは上手に戸を開けますが、閉めてくれることはまずありません。戸を開けっ放しにされて困る飼い主さんも多いのではないでしょうか。


 

3.ねこの手のかわいい動作

ねこはその器用な手を動かし、かわいい動作で私たちを和ませてもくれます。ねこの手のかわいい動作と、そのような動作をする理由をご紹介します。


3-1.チョイチョイ

ねこが前足をチョイチョイと動かして、飼い主を触ることがあります。これは構ってほしいときにする行動です。飼い主の気を引こうとして鳴いたり飼い主の周りを歩いたりしたのに、反応がなかった時にチョイチョイするのです。

また、物をチョイチョイ触るのは生きているかどうかを確認しているのだと考えられています。ねこの手にある肉球にはたくさんの神経や血管があり、触覚や温度を敏感に感じることができます。触れることで物の動きや温度を感知しているというわけです。

中には高い所に上り、置いていたものをチョイチョイ触って落としてしまうねこもいます。単に邪魔だから落としている場合もありますが、落ちた時の音や物が転がる様子、飼い主の反応を面白がっている場合もあるようです。


3-2.カキカキ・ホリホリ

先ほどご紹介したとおり、ねこはトイレの時に穴を掘ります。しかし、それ以外でもカキカキ・ホリホリすることがあるのです。

例えば、フードを出すとクンクンにおいをかいで手でカキカキすることがあります。これは「今はいらない」という気持ちを表していると考えられています。

また、毛布や布団をホリホリすることもあります。寝る場所を整えたり、布団や毛布の中に入ろうとしたりする時に見られるしぐさです。


3-3.モミモミ・コネコネ

目を細めてゴロゴロいいながら、毛布や人の体をモミモミ・コネコネすることもあります。これはねこがとてもリラックスしている時に見られる行動です。

子ねこはお母さんねこのお乳を手でもみます。そうすることで、お乳の出をよくしようとしているのです。

大人のねこがモミモミ・コネコネするのは、赤ちゃん時代を思い出して甘えたい気分になっている時です。幸せそうな顔で手を動かしているねこを見ると、幸せな気持ちになりますね。

4.ねこの手の豆知識

最後に知っているとちょっと自慢できる「ねこの手」の豆知識をご紹介します。


4-1.「ねこの手も借りたい」とはどういう意味?

「ねこの手も借りたい」ということわざがあります。これは非常に忙しく人手不足で、どんな手伝いでもほしいことを指します。

ねこはゴロゴロ寝てばかりいるのんびり屋、犬のように人のいうことは聞かないので何の手伝いもできません。そのねこの手でもいいから借りたいほど、極めて多忙で切羽詰まっている状態であることが良く分かることわざです。

しかし、忙しくて心がすさんでいる時に、ねこのふわふわの手、ぷにぷにの肉球に触れるとほっと一息つけそうです。その点ではねこの手はとても役に立つといえるでしょう。


4-2.忍者の武器「猫手」

「猫手」という忍者の武器があります。指の先にはめる、とがった爪のような形をしたもので、装着すると本当にねこの手のように見えます。相手の顔や首、手足をつかんで引っかいて攻撃をするといった使い方をします。より大きなダメージを与えるために、毒を塗ることもあったようです。


4-3.ねこの手の「クリームパン」は大人気!

ねこの手は「クリームパン」と呼ばれることがあります。ふんわり丸い手に、短い指がちょこちょこと付いている様子は、確かに切り目の入ったクリームパンのようです。ねこ好きの中でも人気のパーツで、ねこの手だけの写真集も出版されているほどです。茶色、白、黒、ぶち…皆さんの愛猫はどんな「クリームパン」を持っていますか?じっくり見たり、写真を撮ったりすると、また新たな愛猫の魅力に気づくかもしれません。

まとめ

ねこの手についてご紹介しました。ねこの手は意外と器用で、さまざまな動きをすることができます。ねこと一緒に暮らしていると、「えっ、こんなことまでできるの?」とびっくりすることも多いかもしれません。

何よりねこの手はとてもキュート。ふわふわしていて柔らかくて、ぷにぷにの肉球も魅力的です。そんなかわいい手で「構ってよ」とチョイチョイされると、なんでもしてあげたくなってしまいます。ねこの手は、獲物もおやつも、そして私たちのハートも、ぎゅっとつかんでいるのです。


   
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