2022.04.02
ねこの飼い方
ねこに去勢手術が必要な理由

ねこに去勢手術が必要な理由とは?

メス猫に避妊手術が必要なようにオス猫にも去勢手術は必要なの・・?健康なオス猫の体にメスを入れて傷つけるなんて可哀そう・・?などと、疑問に思っている飼い主さんは意外と多いのではないでしょうか。

確かに、ねこ本来の繁殖機能を飼い主の一方的な考えで、奪ってしまうと言うのは残酷な話かもしれません。

しかし、望まない妊娠を回避するとか、ねこの病気を予防する手段としては一概に、ねこの去勢手術は間違いではありません。

 

目次

1.オス猫にも去勢が必要
2.意外と早いオス猫の発情
∟2-1.鳴き声
∟2-2.スプレー状のオシッコ
∟2-3.マウンティングポーズ
3.オス猫の発情をなくするためには
∟3-1.しつけによる方法は可能か
∟3-2.去勢手術による方法
∟3-3.去勢手術のメリット・デメリット
4.去勢手術の時期・費用等
∟4-1.去勢手術の時期は
∟4-2.去勢手術費用は
∟4-3.手術後に注意するべきこと
∟4-4.食事への配慮・適度な運動
まとめ

 

1.オス猫にも去勢が必要

メス猫にたくさんの子猫を産ませ、育てるブリーダーと違って、一般的なねこの飼い主にとって、子猫をたくさん産ませ、育てると言うことは大変な労力でもあり、ストレスにもなります。

飼われているねこにとっても、たびたび妊娠して多くの子猫を産んで育てることが幸せだとは思えません。

望まない飼い猫の妊娠や、飼い猫の妊娠にともなう体への負担、ストレスの緩和を考えれば、メス猫の避妊手術やオス猫の去勢手術は止むを得ないでしょう。

オス猫の場合、多頭飼いしていない状態で、完全に室内飼いであれば、メス猫を妊娠させてしまう機会もありません。

しかし、多頭飼いの場合や、外に出れる状況や機会があれば、妊娠させてしまう可能性がありますので、オス猫への去勢手術が必要なのです。

 

2.意外と早いオス猫の発情

オス猫の発情は、意外に早くて生後、3ケ月を過ぎるころから始まります。

この頃になると、オス猫にも変化がいくつかの変化が見られるようによく観察してみてください。

その変化のなかで特徴的なものは、ときどき怪しげな声で鳴いてみたり、スプレー状のオシッコをあたりかまわず飛ばすことです。

またねこを多頭飼いしていれば、相手がメス猫でも、オス猫でもマウンティングのポーズをとることです。

生後6か月にもなると、繁殖能力も出てきます。

発情のはじまったオス猫の変化を述べると次のようなものですよ。


 

2-1.鳴き声

「ニィヤーオーン」と、いつもとは声色の違う怪しげな声をあげるようになります。

鳴く時間の長さも、大きさに明らかにいつもとは違ってきます。

その様な鳴き声は、「発情」の前触です。


 

2-2.スプレー状のオシッコ

オス猫の発情で、一番、やっかいで悩みの種となるのが、マーキングにともなうスプレー状のオシッコです。

この行為がはじまると部屋の中が、ねこのまき散らすオシッコの臭いで臭くなります。

特に、ネコ科など肉食のオシッコは強烈な臭いだと言われますよね。

このオシッコをする場所が、ベッドなどの家具や家の柱、壁などに集中しますから困ったことになるでしょう。


 

2-3.マウンティングポーズ

発情が始まったオス猫は、明らかに交尾を意識したマウンティングポーズを取るようになりますよ。

近くに、メス猫がいたらお尻の臭いを嗅いだ後に、メス猫へと覆いかぶさります。

この行為はオス猫に対しても見られます。

なお、このときにオス猫が生後6か月以上たっていて、メス猫が避妊手術をしていなかったら妊娠してしまう可能背があるでしょう。

また飼い主にも、腰を擦りつけるような動きを見せることもあります。

このような行為を行うときには、静的な興奮とともに性的なストレスもだいぶたまっているかもしれません。

 

3.オス猫の発情をなくするためには

オス猫の発情をなくするためには、しつけによる精神的な方法と去勢手術による物理的な方法が考えられます。


 

3-1.しつけによる方法は可能か

オス猫の発情におけるいろいろな行為は、飼い主さんのしつけによって止めさせることは難しいでしょう。

なぜなら、オス猫の発情は、子孫を残そうとするための生殖行動の一過程にすぎません。

ねこのしつけは、排泄行為や爪とぎをする場所を教えることが目的です。

また、ねこのしつけで、怒って辞めさせる行為は、ねこにとってストレスでしかなく、信頼関係を失ってしまいます。

発情は本能ですので、しつけで辞めさせることは不可能です。


 

3-2.去勢手術による方法

オス猫の発情から来る、怪しげな鳴き声やマーキングによるスプレー状のオシッコ、執拗なマウンティングポーズを止めさせるには物理的な手段を用いらなければなりません。

その物理的な方法が「オス猫の去勢手術」です。

一度、ねこの去勢手術を施しておけば、その後はオス猫の発情で悩まされることはありませんよ。


 

3-3.去勢手術のメリット・デメリット

オス猫の去勢手術には、メリットもありますが、もちろんデメリットもあります。

メリットおよびデメリットについて解説しましょう。

①メリット

オス猫は、去勢手術を施すことによって発情にともなう怪しげな鳴き声や、マーキング行動がなくなることです。

飼い主にとっても、飼い猫の発情で悩まされることがなくなりストレスの軽減につながるでしょう。

また、メス猫を妊娠させる心配がなくなります。

その他のメリットとしては、生殖機能(精巣)を切除することによりオス猫の生殖にともなう前立腺や精巣の病気の予防にもつながります。

②デメリット

デメリットとしては、精巣を切除してしまうので繁殖はできないオス猫になってしまいます。

また、去勢することで発情がなくなり運動量も減ります。

さらに、去勢によりホルモンのバランスがくずれ、代謝も悪くなり同じ食事量でも肥満体質になりがちです。

 

4.去勢手術の時期・費用等

オス猫の去勢手術の時期は、猫種や個体差によります。

また、去勢手術の費用は地域によっても少なからず差があるでしょう。


 

4-1.去勢手術の時期は

オス猫の発情は、生後、6ケ月もするとほとんどのねこに見られるようになります。

できれば、去勢手術は、発情の見られる少し前に行うのがいいでしょう。

最初の発情が訪れた後で、オス猫の去勢手術を行うと、発情で身に付いたマーキング行為やマウンティングポーズが、そのまま残ってしまうオス猫も見られます。

去勢手術を施す場合は、その時期についてはあらかじめ獣医師とよく相談の上で決めたほうがリスクも少なくて済むでしょう。


 

4-2.去勢手術費用は

去勢手術費用については、地域差もあるので一概には言えませんが、おおむね10,000円~15,000円と見積もっておけば大丈夫でしょう。

しかし、手術の難易度や病気のリスクを抱えている場合や手術後の入院の有無などによって費用の追加もあることをあらかじめ計算に入れておいてください。

また、自治体によっては、かかった去勢手術費用の一部について助成するところもあります。

助成を受けるには申請が基本ですから事前によく自分の居住する自治体に確認しておきましょう。


 

4-3.手術後に注意するべきこと

オス猫の去勢手術は、メス猫の避妊手術に比べて体への負担は軽く、基本的に手術当日に退院できます。

それでも手術後のキズが治癒するまでは飼い主がよく確認してあげましょう。

心配なのは、キズあとをオス猫が舐めることがよくありますので、エリザベスカラーなどを装着してキズあとを舐めないように工夫してあげて下さい。

また、手術を受けた後のストレスもありますからオス猫の心のケアも大切です。


 

4-4.食事への配慮・適度な運動

手術後は、ストレスもあり食も進みませんがしばらく経つと食事の配慮も必要になります。

ねこ本来の発情がなくなると、それにともなって運動量も減ってきます。

そのため手術前と同じ量を与えていると、つい太り気味になりがちです。

太り過ぎは病気に罹るリスクも高くなりますので注意しながら食事は与えてください。

また、手術後のオス猫には運動量の減退が見られます。

運動量が減ると肥満のリスクは高まりまので、運動量を確保するために、飼い主が一緒になって遊んだり、キャットタワーやキャットウオークなどの整備など部屋の環境も変えてあげて下さい。

 

まとめ

ねこの去勢手術は、望まない妊娠を避けるためには大切なことです。

特に、多頭飼いをしている環境にあっては、メス猫の避妊手術やオス猫の去勢手術は最善の方法でしょう。

また、手術を施すことによって発情のストレスや心配からも解放され愛猫と一緒に楽しく暮らせることにもつながります。

それでも、メス猫の避妊手術であれ、オス猫の去勢手術は、ねこ本来の生殖機能を奪ってしまうものであることもよく理解して、手術を受けた愛猫のケアをしてあげてくださいね。

 

 

 

 

   
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