私たち人間の生活の中でも馴染みのある動物として知られているねこ。
ペットとして飼われている人も多く、野生で生活している姿も比較的多く目撃する存在です。
そんなねこですが、ただ可愛いだけではなく身体能力も優れている事はご存じでしょう。
しかし、あまり知られていない隠された能力を持ち合わせています。
今回は知られていないねこの能力について解説をしていきます。
まずは運動能力に注目して解説していきましょう。
ねこを含めて、ネコ科の動物は身体能力に優れているので、知っている方も多いとは思います。
野良猫が、ジャンプをしているところを目撃することはあまりありません。
そのため、ねこと暮らしていない人は、ねこのジャンプ力をご存じないでしょう。
ただねこを飼っている人は、家の中でジャンプして高いところに飛び移ったりするところを、目撃したことがあるのではないでしょうか。
なんとねこは助走をつけずにその場の姿勢から身長の約5倍の1.5m〜2mの高さまでジャンプすることができるのです。
これは人間で言うと7m〜8mの高さに匹敵するため、いかにジャンプ力が優れているかがわかります。
ジャンプ力とは逆に、ねこの足の速さに関しては、飼い猫より野良猫で目撃することが多くあります。
外で逃げたり、走ってる姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
飼い猫と野生の猫で生活環境が全く違うため、それぞれで足の速さは変わってきます。
飼い猫の場合はおおよそ時速20km〜30kmの速さで走れます。
普段、家でゴロゴロしている可愛いねこでも、いざとなればかなり速いスピードで走れるのかと思うと、ちょっと見直してしまいますね。
そして、野生の猫となるとおおよそ時速40km〜50kmの速さで走ることが可能なのです。
つまり一般道を走る車とほぼ変わらないスピードで走れます。
陸上界で有名な、世界記録保持者のウサイン・ボルト選手が100mを走った際の速度が、時速約36kmなので比べてみるといかにねこのスピードが速いかがわかります。
余談ですが、犬と比べてみると犬の走る速さは時速30km〜35kmと言われているので、犬より速く走ることができます。
ですが、犬は長距離を走ることができますが、ねこは長距離を走ることができません。
ねこはバランス感覚にも大変優れています。
ねこが塀の上など、幅の狭い場所で、寝ているところや、歩いている映像を見たことはありませんか?
ねこが細いところを歩いているシーンは日常的によく見られるため、あまり疑問に思う人は少ないかもしれません。
ですがよく考えてみると、自分の足と同じ幅しかないようなところを、歩くのはかなりのバランス感覚が必要になってきます。
平均台の上を、歩いているのを想像してください。
体操選手でもない限り、両手を広げてバランスを取りながら、ゆっくり慎重に歩かなければ、バランスを崩して落ちてしまいますよね。
それをねこは尻尾の感覚と三半規管を使って歩いたり、その場に留まったりすることができるのです。
次に運動能力以外の、ねこのすごい特殊な能力を解説していきます。
ねこは天敵から逃れるために狭い場所を好む習性があります。
たまにテレビなどで、狭い場所から、頭が抜け出せなくなって、助けられているシーンを見たことがあるのではないでしょうか
余程の狭い場所でなければ、入った後も自ら抜け出すことができるのです。
人間は鎖骨が胸骨や肩甲骨と繋がっているため、頭が通過できても肩が引っかかって入れないという事態に陥ってしまいます。
ですが、ねこの鎖骨はどの部分とも繋がっていないため頭が通過できればそのまま全身通過してしまうことができます。
ちなみに頭が通過できるかどうかは髭が感覚器となり、瞬時に判断しているそうです。
ねこの五感の中で最も優れているのが聴覚です。
聴き取れる周波数は60Hz-65k Hzとされていて、かなりの高音域に強いことがわかります。
これは獲物であるネズミが発する高音に、反応できるように発達しました
また、音の聞き分け能力にも優れていて、飼い主と他人の足音の違いを聞き分けることができます。
ねこは、犬と違って集団で行動するタイプではありません。
そのため、他のねこに、教わったりする機会がなく自ら学んで生きていく必要があります。
犬は教わって覚えるタイプなので、飼い主に芸などを教わればできてしまうため犬の方が学習能力があると思っている人が多くいのではないでしょうか
ですが、犬と猫の知能指数は犬の方が、若干優れているもののさほど変わりません。
物事の覚え方が自発的か受動的かの違いだけなのです。
飼い猫の場合は、飼い主の普段の行動をしっかりとよく見ていて、ドアの開け方や、どこに何があるのか、教えてもいないのにどんどん覚えていきます。
学習能力と併せて記憶力も、ねこは優れています。
短期的な記憶に関しては人間より発達しているとも言われています。
さらに長期的な記憶にも優れており、嫌だった時や危険な目に遭った時の記憶は忘れません。
学習能力が自発的という部分から、ねこは自立心が強く、自分独りで生きていくには安全な場所や、危険な場所を記憶する必要があるのです。
また、興味がないことは、忘れると言われています。
飼い主のことを、覚えていなかった場合は、興味が無かったからかもしれませんね。
ねこにも、帰巣本能というものがあります。
これは、遠く離れた見知らぬ土地からでも自分の家に帰ってくることができるといった能力です。
過去の事例では、3000kmほど離れた場所から帰ってくることができたねこもいたと言われています。
これには、嗅覚や方向感覚、磁場といった情報から前述の学習能力が加えられ成り立っているそうです。
ただ、ねこは快適な環境を好むの本能があるので、近場からでも帰ってこない場合もあります。
これまで様々なねこの隠れた能力について解説してきました。
最後に、その隠れた能力が秘められている理由を解説していきます。
ねこの骨の数は人間より40個程も多い、約240個になります。
この骨の多さが、ねこの柔軟性が高い要因の一つです。
背骨は円柱状でたくさん連なった脊髄があるためしなやかに曲がったり、真っ直ぐ伸ばしたりすることができます。
身体を普段よりも最大で2倍ほどに伸ばすことができるとも言われています。
その他にも、内臓の位置を体内で動かすことができるため狭い場所に入ったりすり抜けたりすることができるのです。
速く走ったり、高くジャンプすることができる理由は発達した後ろ足の筋肉にあります。
地面を蹴る役割をする後ろ足が発達していることにより、爆発的な瞬発力を発揮しているのです。
さらに、前足と後ろ足で指の本数が違います。
前足が5本に対して後ろ足は4本で、これは猫が進化する過程で後ろ足だけ4本になったと言われています。
理由としては地面を蹴る際、蹴る面積が小さい方が一点に集中して速く走ることができるからです。
三半規管とは耳に備わっている器官で、平衡感覚を司っている大事な器官です。
ねこ高いところから飛び降りた時に、必ず足で着地すると聞いたことはありませんか?
どんな体勢からでも、足から地面に着地できるのは、ねこが約0.5秒ほどで体勢を整えることができるバランス能力を持っているからです。
また三半規管が発達しているのと同時に、小脳から伝わる水平検出能力も、ねこは優れているます。
そのため、三半規管に異常があったとしてもしっかりと、空中で上下を認識し、足から地面に着地することができるのです。
ねこの脳は人間と似ており、大脳皮質という部分が特に発達しています。
これは記憶を司る部分であり、ここが発達していることにより、学習能力や記憶力、帰巣本能が発達していることへと繋がります。
ねこは可愛さを兼ね備えた、アスリート級の動物ということをお分かりいただけましたでしょうか。
ねこはペットとしての人気が絶大で癒し系の動物のイメージが強いと思われがちです。
実は身体能力も、小柄な体形には似合わず、チーターやヒョウなどネコ科らしい能力の持ち主でした。
ねこと触れ合うことがあったら、可愛さの他にも、ねこの隠れた能力にもぜひ注目してみましょう。