あごの下を撫でられて気持ちよさげに喉を鳴らす愛猫の姿に癒やされるなと感じている人も多いのではないでしょうか。
一般的にねこがゴロゴロと音を発するのは、満足や安心といったポジティブな感情のあらわれといわれていますが、実はほかにもさまざまな理由があります。
今回は、ねこがゴロゴロと喉を鳴らす理由についてご紹介していきます。
一般的にねこがゴロゴロと喉を鳴らす理由は、ご機嫌なときや飼い主さんに要求を伝えたいときなどポジティブな意味合いが、多いとされています。
ねこはゴロゴロと喉を鳴らすことで、大好きな飼い主さんと意思の疎通をはかろうとしているのです。
ねこがゴロゴロと喉を鳴らすのは、「うれしいな」「楽しいな」といったポジティブな気持ちのときや、精神的に満ち足りているとき、お気に入りの場所でリラックスしているときです。
また、飼い主さんに撫でられたり、甘えたりしているときにも喉を鳴らします。
これらは、ねこがご機嫌なときに見られるゴロゴロで、飼い主さんに対して喉を鳴らすのは信頼の証です。
飼い主さんの愛に包まれて安心しているのだと考えられます。
ところが、喉を鳴らしているねこを撫でていたら突然噛まれた、という話もよく耳にします。飼い主さんとしてはショックですよね。
でも、大丈夫。ねこはうれしい気持ちがピークに達すると噛まずにはいられないのです。
いやなことをされたからではなく、大好きな飼い主さんに撫でられたことがうれしくて噛んでしまうのです。
ねこは「お腹空いた」「遊んで」といった要求を伝えるときにもゴロゴロと喉を鳴らすことがあります。
これは、飼い主であるあなたを信頼しているからこその行動です。
こうした要求のゴロゴロ音には高周波の成分が含まれています。
通常の周波数は25〜150Hz程度であるのに対して、要求のゴロゴロ音は220〜250Hz程度です。
高めの音で緊急性があることを伝えていると考えられます。
ですので、ねこがゴロゴロと喉を鳴らしているときは、音の高さにも注意を向けてください。
もし、ねこがいつもより高めの音で喉を鳴らしていたら、それは飼い主であるあなたに、なにかして欲しいことがあるからかもしれません。
ねこの様子をよく観察して要求に応えてあげましょう。
ねこは耳や尻尾、ヒゲの動きなどで相手に感情などを伝えます。
喉を鳴らすという行為もそのひとつです。
ねこが意思の疎通をはかるときに喉を鳴らす理由は大きくわけて2つあります。
子育て中の親子は喉を鳴らすことでさまざまなメッセージをやり取りしています。
生まれたばかりの子猫の聴覚はほとんど機能していません。
その代わりに、母親のゴロゴロ音を振動として感知し、側にいることや、外出から戻ってきたことを察知しているのです。
また、子猫は生後2日齢から1週齢ほどすると喉を鳴らしはじめます。
そのころになると、親子でゴロゴロと喉を鳴らしてお互いの感情や状況を伝えるようになります。
母親が喉を鳴らすのは子猫に、自分がいる場所や授乳の準備ができたことを知らせるためです。
一方、子猫は「元気だよ」「お腹空いた」などの要求を母親に伝えるために喉を鳴らします。
人間の耳には「ゴロゴロ」としか聞こえませんが、親子のあいだでは状態、気持ち、要求などのメッセージを伝えあっているのです。
ゴロゴロと喉を鳴らして意思を伝えあうのは親子だけではありません。
大人のねこも気持ちを伝えるために喉を鳴らすことがあります。
これは信頼感や親近感をいだいている猫同士のあいだで見られる行動です。
もし、仲良しのねこたちがお互いにゴロゴロと喉を鳴らしていたら、猫同士で語りあっているのかもしれません。
邪魔をせずに、そっと見守ってあげましょう。
ねこが喉を鳴らす理由といえば、うれしい、楽しい、リラックスしているなどポジティブな感情のあらわれだと思われていることが多いです。
しかし、ねこはピンチや困ったときなどネガティブな理由で喉を鳴らす場合もあるので注意が必要です。
ねこは居心地の悪さを感じたり、強いストレスや緊張を感じたときにも喉を鳴らすことがあります。
これは自分の気持ちを落ち着かせるためと考えられており、ご機嫌なときのゴロゴロよりも若干大きめの音を出すといわれています。
たとえば、慣れない場所に連れてこられたときに喉を鳴らすのは、居心地の悪さから。
動物病院の診察台に乗せられたときに喉を鳴らすのは、緊張をほぐしたり、ストレスを和らげるためです。
そのほかにも、ねこ同士の争いごとを避けるために喉を鳴らすこともあるとされています。
ねこ的には、「ここはどこなの?」といった混乱や「注射は嫌いなのに」「ケンカはやめよう」といった心のつぶやきなのかもしれませんね。
ねこは苦しいときや痛いなと感じているとき、だるくて動きたくないときなどにもゴロゴロと喉を鳴らすことがあります。
また、メス猫が分娩の痛みに耐えているときや、死期が近づいたときにもゴロゴロと喉を鳴らすといわれています。
ですから、ねこが喉を鳴らしているときにいつもと違う様子だったら、どこかにケガをしていないか、体調が悪くないか注意深く観察してください。
そして、異常があるようなら獣医師の診察を受けるようにしましょう。
ねこが病気やケガをすると苦痛をやわらげるためにエンドルフィンが分泌されます。
脳内麻薬物質であるエンドルフィンにはモルヒネと同様の作用があります。
そして、このエンドルフィンと苦痛を感じているねこのゴロゴロとのあいだにはとても密接な関係があると考えられているのです。
ただし、喉を鳴らすことがエンドルフィンの分泌をうながすのか、それともエンドルフィンが分泌されたために喉を鳴らすのか、今のところはっきりとしたことは分かっていません。
ここまで、ねこが喉を鳴らす理由をお話ししてきましたが、なかには喉を鳴らさないねこもいます。
成長や、ストレス、病気、性格などが影響していると考えられています。
子猫がゴロゴロと喉を鳴らすのは母親に面倒をみてもらうことが目的です。
そのため、成長とともに喉を鳴らさなくなるねこもいます。自立心の強いねこほどそのような傾向があるように思われます。
また、避妊・去勢後に喉を鳴らさなくなるのはホルモンバランスが影響しているという説があるようです。
ねこは強いストレスを受けたときや体調が悪いときに喉を鳴らすといわれていますが、逆に鳴らさなくなるねこもいます。
もし、急にゴロゴロいわなくなったら、ストレスや病気の可能性もありますので注意をしてください。
ねこのゴロゴロ音の大きさは個体差が大きいです。
大きな音で喉を鳴らすねこもいれば、ささやくような音で小さくゴロゴロと音を鳴らすねこもいます。
「うちの子、喉を鳴らさないんだよな」という飼い主さんは、愛猫が甘えてきたときに注意深く耳を傾けてみてください。
喉を鳴らす音が聞こえるかもしれませんよ。
そもそもゴロゴロと喉を鳴らさないねこもいます。
だからといって、決してあなたのことを信頼していないわけではありません。
きっと、頭をこすりつける、尻尾をピーンと立てて近寄ってくるなど喉を鳴らす以外の方法で気持ちを伝えているはずです。
注意して観察してみてくださいね。
ねこがゴロゴロと喉を鳴らす理由は、うれしい、甘えたい、といった要求する時に鳴らします。
実は他にも、病気やケガ、ストレスを感じたとき、親子の意思の疎通など実にさまざまです。
ゴロゴロ音の高さや状況から判断し、適切に対応ができるようになったらいいですよね。