2023.01.29
ねこの雑学
絵本のねこに会いに行こう!おすすめのねこ絵本10選

絵本のねこに会いに行こう!おすすめのねこ絵本10選

かわいいねこ、マイペースねこ、ちょっと生意気ねこ…絵本にはさまざまなねこが登場します。

絵本というと子供向けの印象がありますが、大人の私たちにも、癒やしや学び、新鮮な驚きを届けてくれます。

今回の記事では、ねこが登場するおすすめ絵本をご紹介します。

 

目次

1.11ぴきのねこ
2.もしもし おかあさん
3.えのすきなねこさん
4.ぼくのねこ みなかった?
5.ノラネコの研究
6.ねえ だっこして
7.ねこのセーター
8.うきわねこ
9.ネコヅメのよる
10.ねこなんて いなきゃ よかった
まとめ

 

1.11ぴきのねこ

画像引用:amazon「11ぴきのねこ」

タイトル 11ぴきのねこ
著者 馬場のぼる
出版社 こぐま社
出版年 1967年

 

馬場のぼるさんの代表作で、映画化もされた人気作品「11ぴきのねこ」のシリーズ1冊目です。

11匹ののらねこたちが、おなかいっぱい食べるために広い広いみずうみに冒険に出かけます。

しかし魚は本当に大きくて、11匹で向かっても全く歯が立たない……・そこで彼らが取った行動とは?

「トラネコたいしょう」以外の10匹のねこは同じ柄で見分けがつきませんが、みんな表情豊か。

それぞれマイペースに行動したり、力を合わせて魚に立ち向かったり……11匹のねこみんなが愛しく、一緒に冒険をしているような気持ちにさせてくれる一冊です。

 

2.もしもし おかあさん

画像引用:amazon「もしもし おかあさん」

タイトル もしもし おかあさん
著者 文:久保 喬

絵:いもと ようこ

出版社 金の星社
出版年 1979年

 

小学校の教科書にも掲載された、ロングセラーの作品です。

お母さんねこは3匹のこねこを大切に育てていました。しかしある日のこと、こねこたちは急にいなくなってしまいます。

ごはんも食べずにこねこを探し続け、疲れて眠ってしまったお母さんねこのもとに、こねこたちから電話が来ます……。

いもとようこさんの描くねこが本当にかわいいです。

表紙のこねこの、受話器を持つぷにぷに肉球にハートを射抜かれます。

全体的に温かいタッチですが、お母さんねこの心情によってはシルエットで描かれることもあり、少し不安なような、寂しいようなシーンもあります。

子供向けの絵本ですが、大人になって読んでみると、お母さんねこの気持ちがまた違った視点で理解できるかもしれません。

 

3.えのすきなねこさん

画像引用:amazon「えのすきなねこさん」

タイトル えのすきなねこさん
著者 にしまきかやこ
出版社 童心社
出版年 1986年

 

「わたしのワンピース」や「ちいさなきいろいかさ」で有名なにしまきかやこさんの絵本です。

主人公のねこは絵を描くのが大好き。そんなねこに、友達のうさぎ、きつね、さるは「絵なんてなんの役に立つの」と言います。

そう言いながら、絵ばかり描いて生活を顧みないねこにシャツや魚を届けたり、壊れたいすを直してあげたりと世話を焼くところがなんだかリアルです。

ある日、雨が降って退屈になったうさぎ、きつね、さるはねこのもとを訪ね、絵を見せてもらいます。

そこには、ねこが描いた彼らの絵もあるのでした。

特筆すべきはねこの絵の素晴らしさ。ビビッドな色づかいを基調とした抽象的なモダンアートで、まるで美術館に訪れたかのようです。

絵を鑑賞する友達のそばで、ちょっと緊張した面持ちでお茶の準備をするねこもキュートです。

芸術と向かい合う孤独でひたむきな気持ちや、お互いの価値観を尊重することの大切さを感じられる、ちょっと大人向けの絵本です。

 

4.ぼくのねこ みなかった?

画像引用:amazon「ぼくのねこ みなかった?」

タイトル ぼくのねこ みなかった?
著者 エリック カール
翻訳者 大附 瑞枝
出版社 偕成社
出版年 1991年

 

超ロングセラー「はらぺこあおむし」の作者、エリック・カールが描いたねこ絵本です。

大切なねこがいなくなってしまった男の子が、世界を駆けまわって探すというダイナミックさに、まず心をつかまれます。

しかし、出会う「ねこ」はトラやチーター、ピューマなど……

子供はこの絵本によって、世界にはいろいろな動物がいること、体の大きさは違っても、同じ「ネコ」のグループに入ることを学ぶことができます。

「チーターはなんで他の『ネコ』より細いんだろう」「ジャガーは木に登れるけど、他の『ネコ』はどうだろう」と、生物学的な疑問を広げていくのもおもしろいかもしれません。

もちろん、エリック・カールの鮮やかで個性的な世界観も素晴らしく、さまざまな楽しみ方ができる絵本です。

 

5.ノラネコの研究

画像引用:Amazon「ノラネコの研究」

タイトル ノラネコの研究
著者 文:伊澤雅子

絵:平出衛

出版社 福音館書店
出版年 1994年

 

ちょっと珍しい「理系」なねこの絵本です。作者はネコ科動物の研究をしている伊澤雅子さん。

「ノラネコの研究」は白黒ハチワレの野良ねこ「ナオスケ」を一日追い、その行動を記録したものです。

リュックにノートやえんぴつ、おかしを携えてナオスケを観察する伊澤さん。

ナオスケはマイペース。

ぐうたら寝て、起きてもグズグズ毛づくろい、へいの上で1時間ぼーっと……しかし伊澤さんは邪魔をしないよう気をつけて、根気強く追い続けます。

その研究者としての飽くなき探求心と、ねこへの尊敬の気持ちが絵本いっぱいにあふれています。

平出衛さんによってこま撮りのように丁寧に描かれたナオスケのしぐさもリアルで、楽しくねこについて学ぶことができます。

 

6.ねえ だっこして

画像引用:amazon「ねえ だっこして」

タイトル ねえ だっこして
著者 文:竹下 文子

絵:田中 清代

出版社 金の星社
出版年 2004年

 

ねこは最近つまらない。大好きなお母さんが、赤ちゃんばかりをだっこするから……。

「お母さんを独り占めしたい」「自分はもう大きいから大丈夫」ねこの心はそんな2つの気持ちの間で揺らぎながら「いいよ かしてあげる」と外に出ていきます。

でも、屋根の上で寝ているねこを、お母さんが見つけてくれます。

ねこは「あとででいいから」「すこしでいいからだっこして」と心のうちを語ります。

主人公のねこは白黒ハチワレ模様。

白い模様のところに目があるため、おかっぱ頭の女の子のようなキュートな印象を受けます。

繊細な銅版画で描かれた柔らかな毛の質感も素晴らしく、ほっと心が温まる物語です。

 

7.ねこのセーター

画像引用:Amazon「ねこのセーター」

タイトル ねこのセーター
著者 及川 賢治

竹内 繭子

(100%ORANGE)

出版社 文溪堂
出版年 2006年

 

人気イラストレーター「100%ORANGE」の作品です。主人公は白黒ブチのねこ。

寒がりでなまけもので、大きな穴が2つも開いたセーターを着ています。

仕事はどんぐりに帽子をかぶせるというシュールなもので、それもめんどうくさくなってすぐに放り出してしまいます。

そのうえせっかちでおぎょうぎが悪く、歩きながらごはんを食べてしまいます。

おまけにだらしなくて、セーターをそのあたりに脱ぎ捨てて寝てしまいます。

そんな欠点だらけのねこだけど、その欠点は誰もが持っているもの。

「しょうがないなあ」と笑ったり、「自分と同じ!」とドキッとしたり……特に事件は起こりませんが、他の人の生活をのぞき見しているような楽しさがある絵本です。

 

8.うきわねこ

画像引用:ブロンズ新社「うきわねこ

タイトル うきわねこ
著者 文:蜂飼 耳

絵:牧野 千穂

出版社 ブロンズ新社
出版年 2011年

 

白黒ハチワレのこねこ、「えびお」は、誕生日におじいちゃんからうきわをもらいます。

一緒に入っていた手紙には、「つぎのまんげつのよるをたのしみにしていてください」と書かれていました。

待ちに待った満月の夜、浮き輪をふくらませ、ベランダに出たえびおに、ふしぎなことが起こります。

これぞ絵本というような、夢と空想がいっぱいの物語です。

おむすびを食べているえびお、手紙を読むえびお、うきわを大切に箱にしまうえびお、そのしぐさ一つ一つがかわいらしくて癒やされる、大人も子供も楽しめる絵本です。

 

9.ネコヅメのよる

画像引用:Amazon:ネコヅメのよる

タイトル ネコヅメのよる
著者 町田 尚子
出版社 WAVE出版
出版年 2016年

※2021年に岩崎書店より復刊新版あり。

 

まずは表紙のねこに目を奪われます。ぺたんと寝た耳、ふてぶてしい表情、ベロリと出した舌のザラザラ加減……

主人公のねこは、不思議な予感に誘われて夜の外に出かけていきます。

仲間のねこたちも集まって、特別な夜を迎えるのです。

ストーリーはとてもシンプルで、文字もあまりありません。

藍色を貴重とした夜のシーンは神秘的で、流れる雲や風の音も感じられそうです。

しかし、登場するねこたちはみんな愛嬌たっぷり。神秘とユーモアが詰まった、楽しい絵本です。

 

10.ねこなんて いなきゃ よかった

画像引用:童心社:童心社のおはなしえほんねこなんて いなきゃ よかった

タイトル ねこなんて いなきゃ よかった
著者 文:村上 しいこ

絵:ささめや ゆき

村上 しいこ (著)

出版社 童心社
出版年 2019年

 

少し珍しい、ペットロスをテーマにした絵本です。

三毛猫の「ももちゃん」を亡くした主人公の女の子は、友達に気づかわれて思わず、「ねこなんてめんどくさいだけ。はじめからいなきゃよかった」とこたえます。

その日の夜、女の子はお父さん、お母さん、お姉ちゃんと一緒に、ももちゃんの思い出を語り合います。

いたずらっこであまえんぼうだけど、かわいいももちゃん…そこでみんなは思い切り泣き、「ももちゃんがいてくれてよかった」と思うのです。

お母さんが家族にかけた「かなしいのはあたりまえ」「みんな、なきましょ」という言葉が胸を突きます。

流す涙はそれだけねこを愛していた証拠。悲しむのは決して悪いことでも恥ずかしいことでもないのです。

回想に登場するももちゃんがとても生き生きしていて、何気ない時間の貴さが感じられます。

読み終わったあと、愛猫をぎゅっと抱きしめたくなるかもしれません。

 

まとめ

ねこのおすすめ絵本をご紹介しました。

本物のねこももちろんかわいいですが、絵本のねこも負けないくらい生き生きと絵本の中を飛び回っています。

忙しい日々の中、たまには絵本を開いてみてはいかがでしょうか。

個性的でキュートなねこたちか、私たちを待ってくれています。

 

 

 

 

 

   
TOP