映画E.Tに出てくる宇宙人にその姿が似ていることから、注目度を一気に高めたスフィンクス(Sphynx)。
無毛であることがその特徴であること以外はどんなねこであるのかを知らない人も多くいます。
今回は、そんなスフィンクスについて詳しくご紹介していくとともに、一緒に暮らす際に注意すべき点などにも注目していきましょう。
古くから毛のないねこは存在していましたが、注目を集めることはありませんでした。
しかし、スフィンクスが世に出ると、その独特な外見と性格から人気が出てきました。
そんなスフィンクスですが、誕生についてはあまり知られていません。
そこで、まずはスフィンクスについてどんなねこであるのかを知りましょう。
無毛のねこが古来から存在している理由は、劣性遺伝により稀に毛のないねこが生まれることにあります。
しかし、昔から毛のあるねこに注目しがちの傾向があり、スポットが当たることはありませんでした。
事の発端となったのが、1966年にカナダのトロントにいた1人のブリーダーの元に無毛のねこが生まれたことによります。
親は毛のあるねこでしたが、元々持っていた毛があまり生えない遺伝子が表に出てくることで、突然毛のあまり生えないねこが生まれたのです。
このブリーダーは毛のあまり生えていないねこに注目し、その後繁殖をしようと試みます。
もしこのブリーダーの元に無毛のねこが生まれていなかったり、繁殖を試みなければ現在のスフィンクスは誕生しなかったでしょう。
1966年に生まれた無毛のねこは、その後繁殖を試みたものの途絶えてしまいます。
しかし、この動きに感化されたためか、アメリカとカナダでも無毛のねこが発見され、デボンレックス交配させて繁殖されることとなりました。
現在のスフィンクスは、ここで発見されたねこから繁殖が行われています。
その後、1980年にTICAで猫種としての認定を受け、現在のスフィンクスとして晴れて世界中に広まることとなったのです。
劣性遺伝であるスフィンクスの遺伝子は、無毛同士の交配を行うと近親になってしまい遺伝子的な病気も多くなってしまうことから、他の猫種との交配が行われます。
しかし、どの猫種でも良いというわけではなく、アメリカのCFAではアメリカンショートヘア、イギリスのGCCFはロシアンブルーといったように、認める猫種は協会によって様々であるのが現状です。
劣性遺伝というのは子に出る遺伝情報が確立として低いことで劣勢とされていますが、中には無毛の特徴を出そうと近親での交配が行われていたのではないかと不安になるかもしれません。
ねこの寿命は個体差があり、一概にどの猫種が長生きするということは言えません。
純血のねこ、特にスフィンクスのような特徴のあるねこは弱いと思われがちですが、スフィンクスは一時期、寿命のギネス記録を保持していたことをご存知でしょうか。
ギネスに載ったスフィンクスの年齢はなんと34歳2ヶ月でした。
他のねこでも20年生きればものすごい長寿と言われるますが、実に34年を超える年数を生きたのです。
このことからわかるのは人間と同様にねこの寿命は様々であり、スフィンクスが特段弱い猫種だとは言い切れないということですね。
スフィンクスに惚れ込んでしまい一緒に暮らすことになった場合、何に注意すれば良いのか気になるところだと思います。
毛のある他の猫種とは大きく異なるため、お世話は何をして良いのか困ることがあるかもしれません。
また、ねことの接し方はねこに合わせる必要があります。
ねこが嫌うことを行ってしまうといつまでも関係性が構築できないため、ねこが何を求めているのかを性格に知る必要があります。
それでは、スフィンクスと一緒に暮らすために注意したいことをご紹介していきます。
スフィンクスは他の猫種とのミックスとなることが多いため、一概に性格を表現することは難しいですが、多くのスフィンクスは甘えん坊であり、一緒に暮らす人間には忠実であると言えます。
そのため、極力構ってあげることでどんどんねことの仲が深まり、かけがえのない時間が構築できることは間違いありません。
さらに遊ぶことが大好きなため、遊びでも関係性を構築していくことは十分可能です。
気難しいイメージのねこですが、スフィンクスは仲良くなるチャンスがたくさんあり、甘やかすことも可能な猫種です。
スフィンクスはその毛がないという特徴から、スキンケアが必要になるねこです。
スキンケアと言っても定期的にお風呂に入れたり、湿ったタオルで体を拭くということです。
皮下脂肪が多く、シワの多いスフィンクスは皮脂が溜まりやすく、それにより皮膚トラブルが発生しやすい猫種なのです。
水に対する反応は個体差があるため、濡れることや水を嫌がった場合は濡れタオルで体を拭くという形を取りましょう。
また、足先などに少し毛が生えていることと産毛は生えているため、しっかりと水気を取ることは心がけてください。
お風呂上がりなどは暖かい環境を用意してあげることは必須条件です。
毛のないスフィンクスは当然のことながら寒さに弱いです。
それだけではなく、紫外線にも弱いという点を考えると、皮膚を守るために完全室内飼いにして、服を着せるなどの工夫も必要です。
服に関してはねこによって嫌がるケースもあるため、様子を見ながら行うこととなります。
直射日光には注意することと、留守番などする際には温まることができる場所を用意することが必要になります。
冬場などはねこ用のホットカーペットなどを準備したり、夏でもねこの居場所に毛布など置いておくと体温調節がしやすくなります。
通常ねこと暮らす際は、体温調節に関してそこまでシビアになる必要はありません。
しかし、毛の少ないスフィンクスは注意が必要であることは覚えておきましょう。
特徴的な外見のスフィンクスは他のねこよりも少し気にしなければならないポイントがあります。
多くは皮膚によるものです。
もちろん、猫風邪や尿路結石などのねこ特有の病気に注意し、異変が見られた際には動物病院へ連れていくことは行わなければいけません。
しかしそれだけではなく、スフィンクス独自の気を付けるポイントも押さえておきましょう。
ねこは一緒に住む人間を選べませんので、一緒に住むからには幸せな生活を送ってもらえるよう、最大限の努力を行いましょう。
スフィンクスと暮らすにあたって、日頃チェックしたいことが皮膚に異常がないか確認することです。
蕁麻疹などの皮膚疾患を持ちやすいスフィンクスですが、実際に痒みを発症してしまった際には、掻き過ぎてしまって症状が悪化してしまうケースがあります。
普通の猫であれば毛で覆われているため掻いてもさほど問題がない場合にも、スフィンクスは直接皮膚に当たるため傷つけてしまう確率が上がってしまいます。
アレルギーによる蕁麻疹が出ることもありますので、日頃からのチェックは欠かさずに行いましょう。
早期発見することができれば動物病院で処方された薬などで軽く抑えることが可能です。
皮膚トラブルに注意するとともに、中耳炎にもかかりやすいのがスフィンクスです。
中耳炎は定期的な耳掃除で発症率を抑えることが可能ですので、実践してあげましょう。
お風呂に入れる頻度が高くなるかもしれませんが、耳掃除とは絶対に分けて行ってください。
ねこの耳に水が入ってしまうと普通のねこでも耳に関する病気を発症してしまいます。
耳掃除はねこ用の綿棒などがあるので、それを利用すると耳を綺麗に保つことができます。
他のねことは違った特徴のあるスフィンクスは、惚れ込んでしまうと他のねこが目に入らないほどハマってしまうケースもあります。
甘えてくれて遊びも大好きな猫種なので、たくさんねことの時間を過ごしたい方にとってはもってこいの猫種です。
他のねことは違った外見から、お世話することは少し増えます。
しかし、それら一つ一つが大切な思い出になることも事実です。