ソマリ(Somali)は、知る人ぞ知る猫種ですが、一度接するとソマリに魅了されてしまう方が数多くいるねこです。
しかし、日本ではあまりソマリというねこが、知られていないのも事実です。
これは、ソマリがアビシニアンという猫種に近く「アビシニアンの長毛種」という印象を持たれているからなのです。
そんなソマリについて詳しくなり、その魅力を知りましょう。
ソマリを知る上でアビシニアンとの関係を知るのはとても重要なことです。
これは、ソマリの先祖がアビシニアンであり、名前を見るとついついアフリカ大陸のソマリアを連想してしまいますが、生まれたのはイギリスです。
稀にアビシニアンの長毛種が生まれイギリスで発見さましたが、繁殖に成功したのはアメリカ・カナダとなります。
ちょっとややこしい気もしますが、ソマリの歴史をアビシニアンとの関係性を含めて知り、ソマリに関して詳しくなりましょう。
ソマリの祖先にあたるアビシニアンは、原産国のインド周辺から1800年代にヨーロッパへ渡り19世紀後半から繁殖が始まりました。
そして1917年にCFA(アメリカ猫協会)によって猫種として認められます。
しかしソマリが猫種として認められたのはそれからかなり経った1978年だったのです。
これを見ると、アビシニアンという猫種が世間に知れ渡ってメジャーになってから、ソマリの繁殖が始まったことがわかります。
この時間差は、アビシニアンとソマリの関係性を知る必要があります。
一般的に繁殖の様子はあまり知られていませんが、両親がアビシニアンであっても長毛種が生まれることが稀にあります。
アビシニアンといえば短毛種なのですが、遺伝的な関係性により長毛のアビシニアンも繁殖当時から存在していました。
ソマリ誕生以前はそこまで気にもされていなかったのですが、1960年代に開かれたねこのショーに長毛種のアビシニアンを登場させたのです。
長毛種のアビシニアンは数も少なく、あまり知られていませんでしたが審査員の1人が長毛種のアビシニアンに魅了されます。
これがきっかけとなり、長毛種のアビシニアンは独自に繁殖され、1978年にソマリとして認められることとなりました。
ショーに出たことがきっかけだったのと、審査員がソマリに魅了されたことで、現在のソマリが存在するわけですが、それだけ魅力的なねこであると言えます。
ソマリと聞くと、国名を知っている人であればソマリアを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ソマリはアフリカ出身ではありません。
少々ややこしい部分ではありますが、名前もアビシニアンが関係しています。
アビシニアンの由来は、現在のエチオピアの旧名や地名のアビシニアが由来です。
アビシニアンに非常に近しいソマリは、地理的にアビシニアから近いソマリアから取って命名されたということです。
特徴が近いことから、名前の由来もそれにちなんで名付けられたということですね。
審査員を一目惚れさせてしまったほどのソマリですが、どんな性格をしているのでしょうか。
猫種によって性格が大きく異なり、性格が異なるということは接し方も変わってくるということです。
ソマリの性格をよく知り正しい接し方を行うことで、良い関係性を構築することができます。
一緒に暮らすことになれば、ねことの関係性が良好なほど、ねこにとっても人間にとっても幸せな時間を過ごすことができます。
ソマリの性格を知り、大切な時間を作りましょう。
ソマリの性格は、一般的に思い描くようなねこというよりも、犬に近いかもしれません。
従順であり遊ぶことが大好き。
好奇心旺盛で時にはイタズラをしてしまうこともあります。
「ねこと一緒に暮らしてみたいけど、ねこはなんだか気難しそう」と心配している方にとっては、ソマリとの暮らしは理想的であると言えます。
外見こそクールに見えるソマリですが、実際に接してみると一緒に遊んだり寄り添って寝たりと、仲良く接することのできるねこです。
好奇心旺盛なソマリにとって、遊ぶことはとても重要なこととなります。
体を動かすことが好きなので、一緒に遊ぶことによってどんどん仲良くなれるねこです。
そのため、部屋の中で運動ができるスペースを確保しましょう。
そこまで広いスペースを求めるわけではありませんが、ねこはおもちゃに注目すると周りが一切見えなくなり、高くジャンプする際も着地点のことは考えません。
このため、狭いスペースや物がある状態で遊ぶと怪我につながる恐れがあります。
遊ぶ時には、安全で広い場所を選択し、壁際などは避けましょう。
頻繁に遊ぶことにより、肥満対策にもなります。
肥満は人間同様に万病の元となりますので、運動不足解消を目標としてどんどん体を動かしてあげましょう。
ソマリは長毛種なので、毛のケアはこまめに行う必要があります。
抜け毛が体に溜まるとねこも気持ち悪いですし、何より毛繕いによって毛を大量に飲み込んでしまい毛球症を引き起こす恐れがあります。
毛球症とは、体内に自分の毛が溜まってしまい、消化不良を引き起こす病気です。
ブラッシングも力加減には少しコツがいりますが、ねこの様子を見ながら毎日行うことによって上達することができます。
尻尾を左右に降り始めたらあまり気持ち良くないというサインですので、工夫しながらブラッシングをしてみてください。
こまめにブラッシングを行うことにより美しい毛並みが維持されるので、ブラッシングは日常の大切な習慣なのです。
ねこと暮らす上で人間が最も気をつけなければならないことは、ねこの体調についてです。
人間は体調が悪ければ助けを求めますし、病院に行くことも可能です。
しかし、ねこは体調が悪くても隠そうとしたり、病院に行って獣医さんにみてもらうことはできません。
そこで、人間がねこの体調について注意しながら過ごすことで、ねこの健康を維持することができます。
ソマリがかかりやすい病気について知り、注意することでねこが元気で生活できるようになります。
体調不良を発見した際には必ず動物病院の受診を行う必要がありますので、ご紹介する症状以外にも、ねこの様子がおかしい場合は迷わず動物病院へ連れていきましょう。
どのねこも発症する可能性がありますが、統計的にソマリはピルビン酸キナーゼ欠乏症にかかりやすい傾向にあります。
この病気は、血液中の赤血球の寿命が短くなり、貧血を引き起こしてしまう病気です。
ソマリに限らず、遺伝的に発症しやすい猫種も多くいますので、ねこにとってはメジャーな病気です。
しかし、完治に対する治療法がない難しい病気であることも事実です。
症状としては、運動量が減ったり疲れやすくなるという症状が最も気づきやすいポイントですが、舌や歯茎が青っぽく見えると貧血を引き起こしている状態です。
貧血で倒れるようであればかなり進行している可能性もあります。
人間と同様に、早期発見と早期治療が明暗を分ける病気です。
日頃から注意することと、定期検診などを受けることによって専門家の目によるチェックもできますのでおすすめです。
網膜が徐々に小さくなってしまう進行性網膜萎縮症は、最終的に失明してしまう恐ろしい病気です。
人間は視覚を頼りに生活しており、ねこは音や匂い、ひげによる感覚を頼りに生活しているという点では人間ほど失明が怖い病気ではありません。
しかし、目が見えているのと見えないのでは生活の質に違いが出ることは間違いありません。
病名通り進行性の病気なので、進行を食い止めることが何より重要になります。
歩いていてものにぶつかったり、暗闇で全く動かないという症状を見かけた際には、一度動物病院を受診してみると良いです。
従順で遊ぶことが大好きなソマリは、ねことたくさん触れ合いたい方にとっては、これ以上ないくらいピッタリなねこです。
長毛種ということもあり好みは分かれますが、ねことの思い出をたくさん作れるねこでもあります。
もしソマリと一緒に暮らすことになったら、たくさん遊んでかけがえのない時間をたくさん過ごしてください。