ねこを飼っていなくても、ねこの置物などのグッツを持っている方もいるでしょう。
ねこの置物として、真っ先に思い浮かべるのが招き猫ではないでしょうか。
どうして、こんなにも招き猫は人気が高くて人々に愛されているのでしょう。
手(前足)を、チョコンと上げた招き猫は、本当に可愛らしくて思わず心が和みますよね。
今回は、そんな招き猫の魅力にとことん迫ってみます。
招き猫は、日本独特の縁起物として、昔から人々に愛されてきた人気のある置物です。
その、魅力と人気の秘密はいったいどこにあるのでしょうか。
招き猫の誕生については、これまでにさまざまな諸説があり、これが正解というものはありません。
諸説の中には、浅草でねこと暮らしていた老婆が貧しさゆえにねこを手放したところ、そのねこが夢枕に現れ「自分の姿を人形にしたら福徳に授かる」言われて、焼き物にして売ったのがはじまりという今戸焼説。
また、東京の世田谷にある豪徳寺の和尚の飼っていたねこが、鷹狩をしていた井伊直孝の一行をお寺に招き入れた直後、激しい雷雨になり、難を逃れた直孝がその後、お寺を手厚く保護し栄えたことに由来してお寺にねこの作り物を祀ったことが招き猫の起源とも言われています。
そのほかにもいくつもの諸説があります。
ただ、招き猫の誕生の時代については江戸時代で間違いなさそうです。
江戸時代に、今戸焼に端を発した招き猫の焼き物は、その後、全国的に広がっていきました。
今では、瀬戸焼、九谷焼、常滑焼など、多くの陶芸家によって招き猫が生産され、人気の焼き物として知られています。
それぞれの地域で生産される招き猫は、伝統的な陶芸技術により地域色の濃い作品として愛好者に支持されています。
招き猫の人気の秘密は、まず何と言ってもその姿、形でしょう。
ぱっと見開いた目と、チョコンと手を上げて手招いている姿には心が癒やされるという招き猫のフアンは多いでしょう。
その姿、形にも増して、フアンの心をつかんで離さないのは、招き猫が商売繁盛や千客万来の願いをこめて作られた作品だからかもしれません。
招き猫は、飾り物や置物として部屋の中に置くだけで、何か心が満たされるとか和やかに気分になれるなど不思議な存在ではないでしょうか。
招き猫には、右手を上げている猫と左手を上げている猫、両手を上げている猫とそれぞれが違った姿勢を取っています。
その、スタイルの違いとはいったい何なのでしょうか?
右手を上げている招き猫は、一般的にお金を手招いている姿だと信じられています。
また、多くの人は、利き手である右手でお金を扱うことが多いことに由来しているとも言われます。
きっと、右手で福を呼び寄せお金持ちになれるということかもしれません。
左手を上げている招き猫は、多くの客人を家へと招き入れる姿を表していると言われています。
客人の多さは、その家の主人の人柄も表します。
人柄の良さはより多くの客人を招き入れることにつながり、人との交流によりその家がますます栄えることを意味していますから、一人でも多くの客人を呼び寄せたいのでしょう。
もうこれはお金も客人も同時に招き入れることを表しています。
一つの招き猫で、二つの福を導き入れようなんて、少し欲張り過ぎかもしれません。
ただ、右手、左手を同時に上げることはお手上げを表すことを忌み嫌うこともあります。
招き猫の上げた手の高さをよくよく観察してみると、上げている手の高さが違うことがあります。
耳よりも上まで上がっている手は、より遠くからの福と大きな福を招き入れ、耳より低く手をあげている招き猫は、近くて小さい福を招き入れるものだと言われています。
招き猫には色の違いもあり、それぞれ意味合いが違います。
金色の招き猫は、見てのとおり金運を意味しています。とても人気も高いです。
白い招き猫は、ノーマルな色使いです。この色の招き猫は、万事において福をもたらすものと言われています。
黒い招き猫は、魔除けや厄除けの意味を持ちます。
また、赤い招き猫は、病除けや健康長寿のご利益があるそうです。
さらに、緑の招き猫は、家内安全や交通安全など平穏無事をご利益があると言われています。
せっかく手に入れた招き猫を、どこにも飾らずに押し入れに入れているとか、戸棚の隅や机の中に放置したままでは、もったいないばかりでなく運気も落ちてしまいます。
さて、招き猫は、どこへ置くべきでしょうか。縁起物ですから、どうせ部屋の中に飾るなら、明るくて、目立ちやすい場所に飾っておきたいものですよね。
風水では、家に入ってくる運気は玄関から入ってくると言われています。
ですから、玄関の傍らに招き猫のような縁起物を置くことは福を招き入れる効果が強いでしょう。
玄関の靴箱の上などきれいに片付いたところに置きましょう。
招き猫は、神棚のような高い所に飾るようにして置きましょう。床の間があるなら床の間に置いてもいいでしょう。
神棚の隣に飾る人もいますが、神様に敬遠されるかもしれません。神棚から少し離れたところなら構わないでしょう。
招き猫は、部屋の中で目立たない場所に置いては意味がありません。
家族の目に留まりやすいところに置くように心がけましょう。
リビングのあるテレビ台や飾り棚に置くのもいいかもしれません。
もし、おうちでペットを飼っていたら、招き猫の置き場所には気を付けましょう。
招き猫は、ほとんどが陶器で作られていますから、ペットからいたずらされて落としてしまわれたら破損する恐れがあります。
飼い猫からいたずらされて招き猫が壊されたとなると笑い話にしかなりませんね。
置く場所には、十分に、注意してください。
縁起物の招き猫を掃除もしないで、ほったらかしにしないでください。
招き猫にホコリが付いたら乾いた布できれいにふき取ってあげましょう。
運気を呼び込む縁起ものですから、こまめに掃除をして大切に扱ってほしいですね。
招き猫は、江戸時代からずっと続いている、わが国、独特の縁起ものです。
昭和、平成、令和と時代が流れても人気は引き継がれて現代にいたっています。
また、最近では、わが国を訪れる外国の人が、招き猫の魅力にはまり観光地のお土産店で、縁起物のおみやげとして買い求めることが多くなったと聞いています。
このように、わが国の伝統的な縁起物が外国の人に注目されるようになったことは、うれしいですよね。
さらに、招き猫のフアンが増えることを期待したいでものです。
愛くるしくて、手元に置いて飾っておきたい招き猫。
その魅力にとりつかれたフアンも多いことでしょう。
特に、縁起物としても人気の高い招き猫なら、一つや二つは玄関や部屋の中に飾っておきたいアイテムですよね。
最近では、招き猫の色やデザインも豊富で斬新なものも増えて来て、選ぶのがますます楽しみになってきました。
運気の上がる縁起物の招き猫を、あなたも一つ手に入れて手元においてみませんか。