こちらを見上げて、「ニャーン」とかわいく鳴くねこを見ると、「この子のことばが分かればいいのにな」と思いますよね。
実はねこは、シチュエーションごとに鳴き方を変えて、私たちにいろいろなことを伝えようとしています。
今回の記事では、ねこの鳴き声と、それぞれの意味を解説します。
まずはポジティブなねこの言葉をご紹介します。
シチュエーションによっては不満や要求といった意味合いを含みますので、ねこの様子を見ながら判断するようにしてください。
「やあ!」のようなあいさつで、人に会ったり、声をかけられたり、撫でられている場合に、軽い感じでこのように鳴く場合が多くあります。
愛情や親しみを表すことばと思って良いでしょう。
しかし、過度に撫でたり、遊んだりとかまったりする場合や、食べている時、寝ている時に邪魔をするなどした際に、イライラした感じで「ニャッ!」と鳴かれた場合は、「やめて!」と言っている可能性もあります。
そのように鳴かれたら、そっとしておいてあげましょう。
甘えるような「ニャオウ」「ニャーン」は「大好きだよ!」「かまって!」など、人に愛情を伝える時の声です。
すり寄りながら、もしくはお腹を見せながら鳴いているのであれば間違いないでしょう。
「私も大好きだよ」と声をかけたり、なでたりして愛情を示してあげましょう。
また、軽めの要求を表している場合もあります。
たとえばご飯の器の前で鳴く場合は、「ご飯ほしいな!」というアピールかもしれません。
ご飯を食べている時の「ウミャ、ウミャ」は「おいしい」を意味します。
おいしそうに食べてくれると、こちらも気持ちがほっこりしますね。
訴えるような長くはっきりした鳴き声は、なんらかの要求があることを意味しています。
「ご飯がほしい」「戸を開けてほしい」「ヒーターをつけてほしい」など、その場の状況によってなにを望んでいるか判断しましょう。
しかし、あまりになんでもしてあげると、ねこは「鳴けば思い通りになる」と学んでしまいますので注意が必要です。
続いて、怒りや恐怖を表す言葉をご紹介します。
なるべくこのような声を聞くことのないよう、環境を整えてあげたいですね。
喉の奥から響かせるような「ウー」といううなり声は、「イライラしている!」、「こっち来ないで!」という警告を意味しています。
かまわないでそっとしておいてあげましょう。
低いだみ声で「ゴニャゴゴニャゴ」、「ウニャウニャ」などと鳴く場合は、嫌な気持ちになっている時です。
不満を取り除いてあげるか、優しく話しかけて落ち着かせてあげてください。
息を吐くような感じの「フーッ!」「シャーッ!!」という声は、激しい威嚇や怒りを表しています。
仲が悪い他のねこが近づいてきた時や、機嫌の悪い時に発せられる声です。
また、急に痛いことや怖いことがあった時もこのような声を出します。
このような時は無理にかまったりせず、落ち着くまでそっとしておいてあげましょう。
「ギャーッ!」と鳴くのは痛みを感じた時です。
飼い主がしっぽを踏んだ、ドアに挟んでしまったという場合に、このように鳴くことが多いでしょう。
ご飯を食べている時にこのような声を出す場合は、歯周病などで口の中に痛みを感じている恐れがあります。
また、体に痛みを感じ、夜中に急に叫ぶケースもあります。
注意深く観察し、長引くようであれば動物病院へ連れていきましょう。
パートナーを探している時(発情期)のねこは、オス、メスとも大きな声を出します。
繁殖を計画している方もそうでない方も、ねこの変化に注意して適切な対応を取るようにしましょう。
避妊手術をしていないメス猫を飼っている場合、発情期を迎えると独特の鳴き声を発します。
低い声で「うおぉ~ん」や「あお~ん」と何回も鳴く声を聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。
お尻を高く持ち上げたり、背中を床につけてくねくねしたりするようになったら、発情期と思って間違いないでしょう。
オス猫も、発情したメス猫の声に反応して独特の鳴き声を出します。
人間の赤ちゃんが鳴いているような声で、遠くまで良く響きます。
猫の発情期の鳴き声は非常に大きく、人間にとっては悩みの種です。
繁殖の予定がないのであれば、避妊手術、去勢手術をすることも考えましょう。
ねこは変わった言葉の発し方をする場合もあります。
聞きなじみのある「ニャー」という鳴き方とは違いますので、「病気かも?」とびっくりしてしまうかもしれません。
しかしそこにも、ねこのいろいろな気持ちが隠されていますので、しっかり読み取ってあげましょう。
飼い主と一緒にいる時やリラックスしている時に「ゴロゴロ」と喉を鳴らすのは幸せを感じている時です。
低く柔らかいゴロゴロ音を聞いていると、こちらも癒されますよね。
しかし、痛みやストレス、不安を緩和するために喉を鳴らす場合もありますので、ねこの表情や状況を良く確認するようにしましょう。
のどの奥で鳴くような「クルル」「ルルル」という優しい声は、子猫が母猫を呼ぶ時などに使われます。
相手の注意を引きたい時や、喜んでいる時などに発せられることが多いようです。
また、戸惑ったような表情で細く「クルル」と鳴く時は「なにかおかしいぞ?」と疑問を感じている時だと考えられています。
犬が寂しい時に「キューン」「クーン」と鳴くのは良く知られていますが、実はねこも寂しい時、「キューン」「クーン」と鳴く子がいます。
特に子猫に良く見られる鳴き方です。
ねこがこのような鳴き方をした場合は、そばにいってかまってあげましょう。
ねこは口を振るわせて「カカカ」「ケケケ」と細かく鳴くこともあります。
「痙攣したのかも?」「なにか喉につまらせたのでは?」と心配になりますが、これは「クラッキング」というねこ独特の鳴き方です。
鳥などの獲物がいて、手が届かないけど捕まえたい!とじりじりしているときにこのクラッキングが行われる場合が多いようです。
クラッキングをしているねこの視線をたどってみると、鳥や虫が見つかるかもしれませんね。
ねこが口を開けずに「ムー」「ンー」と鳴いているのを見ると「うちの子、ちゃんと『ニャー』と鳴けないのかな?」と心配になるかもしれません。
しかし、口を開けずに鳴く鳴き方は、ねこ同士のコミュニケーション法として使われているのです。
つまり、こちらの方が「ちゃんとした鳴き方」だと考えられています。
甘えるように「ムー」「ンー」と言っている場合は「大好きだよ」、「遊んで」など、愛情を示しています。
また、じれるように鳴く場合は「ご飯ちょうだい」というような要求を、低めに鳴く場合は不満を表している場合もあります。
口を開けて「ニャー」と鳴いているような動きはしているけど声は聞こえないこともあります。
「のどが痛いのかな?」と心配になるかもしれませんが、実はちゃんと声が出ています。
高周波の声なので、人間の耳には聞こえないだけです。
これは「サイレントニャー」と呼ばれ、子猫が母猫に対して使うことばです。
サイレントニャーには、「大好きだよ」「甘えたいよ」という意味合いがあります。
しかし、これまで良く鳴いていたのに、最近声を出さなくなった、もしくはかすれ声しか出なくなった、という場合は、本当にのどを痛めている場合があります。
心配な場合は獣医師に相談しましょう。
ねこのことばとその意味についてご紹介しました。
のんびりマイペースなねこですが、それでいて私たちのことを注意深く見ており、「大好きだよ」「かまってほしいよ」「ご飯ちょうだい」と話しかけています。
そのねこのことばを聞き取り、愛情や要求にこたえてあげることで、あなたとねこの仲はよりいっそう深まることでしょう。
なかなか聞き分けれれないという方には、猫語がわかるアプリを使ってみてはいかがでしょうか。
ねこの言葉がわかると話題となったスマートフォンのアプリ「ニャントーク」などがあります。