2023.01.15
ねことの生活
外は危険だらけ!完全室内飼いをすすめる理由

ねこの外飼いは危険だらけ!完全室内飼いをすすめる理由

近年では、ねこも室内飼いが推奨されるようになってきましたが、人口が集中している地域以外ではまだまだ外飼いをしている飼い主さんもいらっしゃるようです。

外飼いをすることでのメリットもありますが、外の世界はねこにとって多くのリスクがあります。

また、ご近所トラブルも無視できません。

今回は、なぜねこは室内飼いがよいのかを分かりやすく解説していきます。

 

目次

1.日本におけるねこの室内飼いと外飼いの実態
2.ねこの外飼いはリスクがいっぱい
∟2-1.病気や寄生虫
∟2-2.喧嘩による怪我
∟2-3.交通事故の危険性
∟2-4.連れ去りや虐待
∟2-5.外に出るねこは2.47歳も寿命が短い
3.ご近所トラブルに発展することも
∟3-1.ねこの糞尿被害
∟3-2.器物破損の問題も
4.完全室内飼いで幸せにするために
∟4-1.狭い室内で暮らすねこは不幸ではない
∟4-2.室内でもねこが楽しく暮らせる工夫をしよう
まとめ

 

1.日本におけるねこの室内飼いと外飼いの実態

一般社団法人ペットフード協会の「令和3年全国犬猫飼育実態調査」では、完全室内飼いのねこは82.6%でした。

一方、愛猫を外に出す飼い主さんは、室内と野外、おもに野外を合わせても9.6%となっています。

愛猫を外に出す飼い主さんは少数であることがわかります。

ねこの外飼いはリスクもありますし、それまで良好な関係を築いてきたご近所さんとトラブルになる可能性もあります。

そういったこともあり、近年ではねこを完全室内飼いにするご家庭の割合が年々増えているのが現状です。

 

2.ねこの外飼いはリスクがいっぱい

2-1.病気や寄生虫

ねこを外に出せば、ほかのねこと接する機会もあるでしょうし、虫や動物などを捕らえて食べることもあるでしょう。

そうなると、どうしても避けられないのが感染症のリスクです。

ねこを外に出すことで注意したいおもな感染症には以下のものがあります。

  • 猫免疫不全ウイルス感染症(以下猫エイズ)
  • 猫白血病ウイルス感染症(以下猫白血病)
  • ノミ感染症
  • マダニ感染症

猫エイズや猫白血病は、喧嘩などで噛まれ出血を伴う怪我をした場合に感染のリスクがあります。

また、猫白血病は食器の共有やグルーミングをしあうことでも感染します。

同居猫がいる場合は、とくに注意したい感染症です。

外に出るねこは、ノミやマダニなどの寄生虫の感染にも注意をしなければいけません。

ノミは瓜実条虫を媒介しますし、マダニはヘプモプラズマ症に感染するリスクがあります。

また、ノミやマダニは人にも寄生します。

とくに、マダニは死亡例もある感染症SFTSの原因にもなるため注意が必要です。

このほかにも猫風邪や回虫症、カエルを食べることで感染するマンソン裂頭条虫などもあります。


 

2-2.喧嘩による怪我

愛猫を外に出せば、当然ほかのねこと遭遇することもあります。

その場合、ほかのねこにとって愛猫は縄張りへの侵入者です。

ねこは縄張り意識がとても強い動物ですから、侵入者を見つければ徹底的に追い出そうとします。

そうなると、不本意ながら喧嘩に発展することもあるでしょう。

ねこにとって縄張りを失うのは大きな痛手となりますから、相手のねこも必死に攻撃してくることが考えられます。

場合によっては、愛猫が大怪我を負う可能性があるのです。

たかが喧嘩の傷と思うかもしれませんが、命にかかわることもあるので決して油断はできません。


 

2-3.交通事故の危険性

車が行き交う外の世界は、ねこにとって大変危険です。

年間30万頭以上ものねこが 交通事故の犠牲(ロードキル)になっていると言われています。

交通事故にあうのは、ねこはバックできないからと聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

ねこは後退(バック)はできますが、とっさの行動が少し苦手で、前にしか逃げられないのです。

これはセンサーのヒゲが反応しやすい方向が前という事もあります

ねこが交通事故にあうと大怪我をしたり、後遺症が残ったりすることも考えられます。

また、愛猫を永遠に失うことにもなりかねないのです。

愛猫を交通事故から守る簡単で確実な方法は、完全室内飼いをすることです。


 

2-4.連れ去りや虐待

近年SNSで、地域猫や野良猫の虐待死が相次いでいるという情報を見かけるようになりました。

連れ去りや虐待のターゲットにされやすいのは、人馴れしているねこだと言われています。

つまり、人に対する警戒心が弱い飼い猫は狙われやすいのです。

また、外で暮らすねこを保護して家族に向かえる人たちも少なからずいます。

連れ去りは、悪意だけではないのです。

そういった善意の人に連れ去られてしまった場合、愛猫が戻ってこない可能性が高いでしょう。

いづれにしても、飼い主としてはとても悲しいことです。


 

2-5.外に出るねこは2.47歳も寿命が短い

一般社団法人ペットフード協会の「令和3年全国犬猫飼育実態調査」によると、外に出るねこは、出ないねこと比べて平均で2.47歳も寿命が短いことがわかりました。

以下は、令和3年(2021年)のねこの平均寿命です。

  • 全体 15.66歳
  • 外に出ない 16.22歳
  • 外に出る 13.75歳

外に出るねこは、感染症や交通事故などで命を落とすこともあります。そのため、どうしても短命になりがちなのです。

個人的には、この現実だけでも、完全室内外にするべき!と強くいいたくなります。

愛猫に少しでも長生きしてほしいと思うなら、完全室内外をおすすめします。

ちなみに、ここ10年でねこの寿命は大きく伸びており、10年前よりも1.30歳も寿命が伸びているとのことです。

室内飼いをする家庭が増えていること、獣医療の発展やキャットフードの質の向上などさまざまな要因があるものと考えられています。

 

3.ご近所トラブルに発展することも

3-1.ねこの糞尿被害

ねこを外に出すとどうしても避けられないのが排泄物に関する問題です。

ねこが、となりの家の庭におじゃまして、置き土産を残してくるなんてこともありえるのです。

しかも、大切に育てた花壇や畑をトイレにされたなんてことになったら、ねこ好きでもたまりませんよね。何度もつづけば、どんなに温厚なお隣さんも黙ってはいないでしょう。

また、ねこが公園の砂場をトイレとして使用することも考えられます。

お子さんが遊ぶ場所ですから許容できるものではありません。


 

3-2.器物破損の問題も

ねこが車の上に登って傷付けてしまった、爪とぎをしてしまった、というのも比較的よくあるトラブルです。

ねこの器物破損では、ご近所さんからの再三にわたる苦情にも関わらず改善がみられなかったため、裁判に発展した例もあります。

ご近所さんとのトラブルは被害者であっても加害者であっても避けたいものです。

 

4.完全室内飼いで幸せにするために

4-1.狭い室内で暮らすねこは不幸ではない

窓の外をながめている愛猫の姿を見て「外に出たいのかな?」と思ったことはありませんか?でも、それは間違いかもしれません。

なぜなら、ねこにとって危険が多い外の世界で暮らすのは大きなストレスになります。

毎日「今日はご飯を食べられるかな」「縄張りに侵入者はいないかな」と気を張った状態で暮らすことになるのですから、当然と言えば当然です。

一方、室内飼いのねこは毎日きちんとご飯がたべられ、安心して休むことができる場所があるため、ストレスを溜めにくいと言われています。

これは、ねこにとって大きなメリットです。

また、ねこは生きていくのに必要なものがそろっていれば、縄張りは狭くてもまったく問題ありません。

むしろ、外で暮らすストレスを考えれば、室内でのんびりと暮らすほうが幸せかもしれませんね。


 

 4-2.室内でもねこが楽しく暮らせる工夫をしよう

ねこが室内でも楽しく、そして安心安全で快適な暮らしを送れるよう環境を整えるのは飼い主であるあなたの役目です。

ねこは、高いところに登るのが大好きです。

小さくてもいいので、キャットタワーを用意してあげましょう。

キャットタワーを設置するスペースがない場合は、タンスなどの家具を組み合わせて段差をつくり上下運動ができるようにするとよいでしょう。

キャットタワーは、部屋全体が見渡せて、外がよく見える窓際がおすすめです。

ねこにとって、窓の外の世界は人間にたとえるならテレビを見ているような感覚だとも言われています。

そのほかにも、愛猫が安心して休める場所や逃げ込める場所、快適なトイレや爪とぎなどねこの習性を理解し環境を整えれば、狭い室内でも楽しく暮らすことができるでしょう。

 

まとめ

ねこを外に出すということは、健康や命にかかわるリスクを許容することでもあります。

ねこは、十分な食事があり、安心して休むことができれば狭い空間でも問題なく暮らしていくことができます。「狭い家の中だけですごさせるのはかわいそう」というのは人間の思い込みです。

飼い主であるあなたがするべきことは、ねこを外に出すのではなく、縄張りである家の中で快適にすごしてもらうための環境を整えることです。

 

 

 

   
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