いつも癒しを与えてくれるねこは、飼い主にとってかわいい存在ですよね。
ただ、ひどい噛み癖に悩まされているという方もいるのではないでしょうか。
今回は、ねこが噛みついてしまう理由と対処法、またやってはいけないしつけ方法に触れながら、噛み癖を直す方法についてご紹介します。
ねこが噛み癖を持っているのは、ある種当然のことです。
まずなぜねこが噛み癖を持っているのか、また自分が飼っているねこにはどんな癖があるのかを事前に把握しておきましょう。
ねこはもともと狩猟動物です。自分たちでその日の獲物を捕まえてご飯を見つけていました。
そのため、音や匂い、環境の変化にとても敏感です。
満腹時でも獲物を狙うような行動をするのは、そのためなのです。
激高して飼い主をひっかいたり、いきなり噛んでくるのも、仕方のないことなのです。
自分のかわいいねこちゃんたちをしつける前に、まずはねこが攻撃してくるのは、当然であることだということを知っておきましょう。
ねこには噛みつきたくなるタイミングや甘えたくなるタイミングがあります。
その一方で性格や行動は、人間と同様に個体差があります。
自分飼っているねこの独自の噛み癖を知っておきましょう。
例えば家にある、こんなものに噛みつくとか、おかしなタイミングで噛みついてくるなどです。
噛み癖を強制する前に、愛猫のことをもっとよく知っておきましょうね。
ねこがいつ噛みついてくるのか、分かっていれば事前に噛みつきを回避できることもあります。
さらにしつけもしやすくなりますので、確認しておきましょう。
子ねこ同士や、ねこが親子でじゃれ合っている姿を目にすることがよくあると思います。
そのじゃれあい、つまりコミュニケーションの一種で飼い主に噛みついてきてしまうということがあります。
この場合は飼い主に対してストレスに感じることがあって攻撃しているわけではなく、ねこに悪気はありません。
ねこは成長の過程で、噛む力の加減を覚えていきますが、1匹で育ってきたねこは、幼い時に他のねことじゃれ合う経験をしてきていません。
そのため、強い力で噛んでくることも多いです。
噛んできたら、すぐに手を隠すようにしましょう。
その代わりにおもちゃを与えたり、ボールを転がしてみると、そっちの方にねこちゃんは向かっていってくれますよ。
ねこは、なでなでされるのが好きな動物です。
なでられると気持ちよさそうにする表情が可愛くて、たくさん撫でてあげている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
喉をゴロゴロならしていたり、目をつぶってうっとりしている表情は、たまらなくかわいいですよね。
ただ、なでなでのし過ぎは禁物です。
いくら、撫でられるのが好きなねこでも長時間撫でられるのは、ストレスに感じてしまいます。
ねことスキンシップをとっていて、いきなり噛んできたら、それは「もうやめてください」という合図ですので、やめてあげるようにしましょう。
さらに付けくわえると、ねこの機嫌が悪いタイミングで、撫でてしてしまっているということもあります。
気分屋のねこの気持ちを感じとるのは難しいかもしれませんが、機嫌が明らかに悪そうなときには、近づくのこともやめてあげましょう。
その一方で構ってあげなさすぎると、それはそれで噛んでくることがあります。
適度に遊んであげてくださいね。
ねこは生後3週間くらいから乳歯が生え始め、さらに生後7か月後には永久歯に歯が生え変わります。
この乳歯が生え始めたころから、永久歯に生え変わるまでの期間に噛み癖が付きだすのです。
このころから飼い主にねこが噛むようになります。
歯が生え始めるとねこは、目につくものは、なんでも口に入れて噛みたくなってしまうのです。
人間の赤ちゃんと同じような感じですね。
ただ、厄介なことに人間の赤ちゃんと違い、ねこの歯には子ねこでも、尖った歯があります。
この尖った歯で嚙まれてしまうと、怪我をすることもあるので気を付けましょう。
歯が生えることで、噛み癖がついてしまうというのは、自然なことです。
この時期の噛みつきについては許してあげるようにしてあげましょう。
ストレスを感じているときやケガをしているとき、ねこは急に攻撃的になることがあります。
例えば飼い主が、ねこのけがに気づかず、痛みのある部位を触ってしまうと噛んでくることがあります。
患部を触られて嫌だと思うのは人間でも同じで、これは仕方のないことですね。
今までスキンシップをとっていても噛んでこなかったのに、飼いねこが、最近急に攻撃的になってきたのならば、それはけがのサインかもしれません。
病院に連れていき診てもらうようにしましょう。
ねこが噛みつきたくなる状況が分かったら、いよいよ噛み癖を矯正してみましょう。
1日や2日で噛み癖はなくなりません。
今からご紹介する方法を参考に、根気よく、しつけていきましょうね。
手や指に噛みついてきてしまうのは、ねこの幼いころからの習慣にあります。
子ねこのときに人間の指や手に、噛みついて甘えたり遊んできていたというのが原因です。
ねこは甘えてくる様子が可愛くて、ついつい飼い主の方も自分の手を出して遊んでしまうということがあると思います。
じつはこれがよくありません。
ねこからしてみると、人間の体が自分の遊び道具になってしまっています。
この習慣を断つために、ねこが自分だけで遊べるようなおもちゃを渡してみてください。
ボールが好きなのか、動くおもちゃが好きなのかは、ねこによってさまざまです。
いろいろ試してみて、飼い主の手や指から卒業させてあげましょう。
霧吹きで後ろから水を吹きかけるのは、おすすめです。
ねこにとって水を吹きかけられるという行為は、とても不快に感じます。
ねこは他の動物と比べて、体が濡れるということを極端に嫌がる動物だからです。
その不快な行為を、飼い主に噛みつくとされるということが脳に記録されるようになります。
叩いたり大声を出すなどの間違った、痛みを伴うしつけと違い、ねこに身体的な負担を与えることもありません。
ただ、柑橘類の香りがするスプレーをねこに吹きかけるのは絶対にやめてください。
ねこにとっては、柑橘類は有害な物質が入っているのです。
水を吹きかけて、しつけるようにしてくださいね。
噛み癖を矯正するうえで、最も大事なのがタイミングです。
ねこが噛んできたら、その場でしかるようにしてください。
紹介した霧吹きを吹きかける、1人遊びができるおもちゃを与えるなどに加えて、多少音を出して、しつけるというのも方法のひとつでしょう。
これらのしつけ方法を、その時点でやることで、ねこは、悪さをすると、自分にとって不快なことが起きるとインプットするからです。
タイミングに気を配り、噛み癖を矯正してみましょう。
噛み癖を強制するうえで、絶対にやってはいけないことがあります。
それはねこに恐怖を与えてしまうことです。
そのなかでも代表的なものをご紹介します。
ねこちゃんが、なかなか言うことを聞いてくれずにりつけたくなることもあるかもしれませんが厳禁です。
ねこは当然人間の言葉は理解できませんし、怖がってしまいます。
噛み癖は直りませんし、飼い主のことを嫌いになってしまいます。
しつけが上手くいかずに、もどかしい気持ちはあるかもしれませんが、大声を出してしまうと、噛み癖だけでなく、さらに他の問題行動まで起こすようになる可能性もあります。
噛み癖を適切に直すために、根気よくねこと向き合ってみてください。
ねこに体罰を与えてしまうのはもってのほかです。絶対にやめましょう。
これはイライラして物に八つ当たりをしてしまったり、自分の幼い子供に向かって叩いてしまっている状況と同じです。
ねこに大声を出すのと同様に、飼い主への信頼がなくなり、さらに問題行動が増える可能性があります。
どうしてもしつけが上手くいかないのであればトレーナーに預けて、プロにそうしてもらうのが良いです。
ねこにとっても飼い主にとってもストレスに感じることがなく、全員がより快適に暮らせるようになります。
ねこは、もともと狩猟動物であるため、噛み癖があるのは仕方ありません。
本能として噛みという行為が備わっています。
ただし、人間と共生していくためには強制していかなければなりません。
今回ご紹介した方法を参考に、愛猫の噛み癖を直してみてはいかがでしょうか。