100種類以上もあるといわれているキャットフード。
いったいなにを基準に選んだらいいの?とお悩みの飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は、キャットフードの選び方で知っておくべき基礎中の基礎ともいえる6つのポイントをご紹介します。
ぜひ、愛猫のキャットフード探しの参考にしてください。
キャットフードは目的別に大きく分けて、主食となる総合栄養食、間食、療法食と、どれにも属さないその他目的食の4つに分類されています。
そのなかで、ねこに主食として与えられるのは、栄養バランスに優れた総合栄養食のみです。
総合栄養食とは、このキャットフードと水があれば生きていくのに十分な栄養素を摂取できるものと定義されています。
ドライフードのほとんどが、総合栄養食です。
愛猫の健康を守るためには、それぞれがどのような目的のキャットフードなのかを知り、正しく選択する必要があります。
キャットフードは、ねこの年齢にあわせて3つのライフスージに分類されています。
それぞれのステージで必要な栄養バランスが異なるため、成長に合わせてキャットフードを切り替えていくのが一般的です。
子猫は生後1ヶ月後ろから離乳食をはじめ、乳歯が生えそろう1ヶ月半〜2ヶ月ごろには、子猫用のキャットフードに切り替えます。
ねこは1~1.5年で成猫になるので、子猫の成長には多くのエネルギーが必要です。
そのため、子猫用のキャットフードは高カロリー、高タンパクになっています。
1歳ごろになると成長が落ち着くので子猫ほどエネルギーを必要としません。
そのため、体格や健康を維持することを目的にした成猫用のキャットフードに切り替えます。
ただし、避妊手術や去勢手術をすると太りやすくなるため、給与量や食事の内容には注意が必要です。
手術をした場合は、避妊・去勢用や体重管理用のキャットフードを検討してみてもよいでしょう。
ねこにとって肥満はさまざまな病気の原因になりますから、体形や体重が気になるようなら獣医師に相談することをおすすめします。
7歳になると、そろそろ老化を感じてくる年齢です。
愛猫の様子を見ながら、老猫用のフードに変えていきましょう。
老猫用のフードは、基礎代謝が低下し消化機能が衰えてくる老猫に配慮した栄養バランスになっています。
7〜8歳のねこの50%近くが肥満というデータがある一方で、11歳以上のねこは痩せやすくなるといわれています。
老猫も年齢によってフードを見直す必要があるでしょう。
子猫から老猫まで与えられるキャットフードです。
多頭飼いでステージの異なる複数のねこを飼っているご家庭におすすめです。
ただし、子猫や老猫には栄養バランスが気になるフードもあるので、成分表示を確認するようにしましょう。
ドライフードは水分量が10%程度で乾燥しているため、保存性に優れています。
カリカリとした食感が特徴で「カリカリ」と呼ばれることもあります。
ドライフードのほとんどが総合栄養食で、ウェットフードと比べるとコストパフォーマンスがよく管理がしやすいため、主食にしている方も多いでしょう。
ただし、噛む力が弱くなってきた老猫には、少し食べにくいかもしれません。
もし、ねこが食べにくそうにしていたらぬるま湯でふやかしてあげるとよいでしょう。
また、水分量が少ないので、下部尿路系疾患のリスクが高いと言われることもあります。
ドライフードを与えるさいは、飲水量に注意してください。
ウェットフードとの併用もおすすめです。
ウェットフードの水分量は75%程度といわれています。
水分量が多いため、長期保存はできません。開封後は冷蔵庫で保存し1〜2日くらいで食べる必要があります。
ドライフードと比べると嗜好性が高いため、食欲が落ちているときのトッピングにもおすすめです。
やわらかく消化吸収にもよいため歯や内臓が衰えてきた老猫にもぴったりです。
また水分量が多いので、水分補給にも優れており、下部尿路系疾患の予防にも効果があるといわれています。
ただし、ウェットフードは一般食が多いため、毎日の主食として与えるさいは注意が必要です。
主食にする場合は、かならず総合栄養食を選ぶようにしましょう。
一般食は水分補給のおやつやドライフードのトッピングにおすすめです。
総合栄養食であれば、ドライフードでもウェットフードでも大丈夫です。
愛猫の好みにあわせて選びましょう。
とはいえ、病気などいざというときに備えて、どちらも食べられるようにしておくのがおすすめです。
ねこは新しいものに対して警戒する傾向があり、普段食べ慣れていないものは拒否することがあります。
いざというときに困らないように日頃から慣らしておきましょう。
「グレインフリーのキャットフードを選びましょう」。
インターネットでキャットフードの選び方について調べたことがある人は何度も目にしているのではないでしょうか。
ねこは肉食だから穀物を消化するのが苦手、穀物はアレルギーの原因になるからというのが理由です。
しかし、ねこは水を加えて過熱をすることで穀物も無理なく消化吸収ができるようになります。
また、ねこの食物アレルギーの原因として穀物が上げられていますが、実は穀物アレルギーの割合はそれほど多くはないのです。
図からもわかるように、ねこの食物アレルギーの多くは魚と牛肉です。そして、鶏肉とつづきます。
つまり、穀物アレルギーに関してはそれほど心配する必要はないでしょう。
むしろ、魚や肉のほうがリスクが高いといえます。
しかも、今のところグレインフリーのキャットフードがねこの健康にとってメリットがあるという研究結果はありません。
以上のことから現状で言えるのは、グレインフリーは悪いものではないけれど、特別に優れているとも言い切れない。
グレインフリーのキャットフードを必要とするのは穀物アレルギーのあるねこのみだということです。
ねこは肉食の動物です。
穀物入りのキャットフードでも大丈夫と言っても、穀物が多すぎるフードは控えてください。
ねこも穀物を消化吸収できますが、炭水化物が35%程度までです。
40%を超えると負担が大きくなり、さまざまな病気のリスクが高まるとされています。
炭水化物は表示義務がないため、成分表を見てもわからないことも多いです。
そんなときは、以下の式で計算してみましょう。
穀物にもメリットはありますが、多すぎる穀物はデメリットしかありません。
それなのに、安価なキャットフードのなかには穀物が主原料のものがあります。
購入時はかならず原材料を確認し、肉か魚が主原料のものを選ぶようにしましょう。
キャットフードに使われる、添加物のなかには注意が必要なものがあります。
とくに、酸化防止剤として使用されている合成添加物は、安全性が疑問視されているものもあります。
よく見る添加物で注意が必要とされているのは以下のものです。
これらの添加物は、規定量だから安全だという声も多いのですが、この規定量自体に疑問を持つ人もいます。
また、安全だと言い切れるだけの根拠は今のところ証明されていません。
このほかにも、着色料や香料も安全性が疑問視されています。
どちらも、ねこにとっては不必要なものです。
ただし、添加物がすべて危険だというわけではありません。
酸化防止剤でも、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物のような天然由来の安全性の高い添加物を使用しているキャットフードもあります。
添加物については、避けようと思えば避けられるものです。
愛猫の健康を考えるなら、安全性に疑問がある添加物は避けるようにしましょう。
キャットフードの選び方についていろいろ解説しました。
もっとも大切なことは、愛猫の体質と好みに合ったフードを選ぶことです。
どんなに良質なキャットフードでも愛猫にあわなければ意味がありません。
愛猫の健康のために、ぴったりのフードを見つけてあげてください。
もし、フード選びに悩んだら獣医師に相談してみましょう。