ねこと暮らしていたら、絶対にお世話になる動物病院。
愛猫の病気や怪我、予防接種など一生を通してお世話になります。
そこで今回は、ねこも飼い主さんも安心して受診できる動物病院の選び方のポイントと受診の注意点についてまとめてみました。
すでにねこと暮らしている飼い主さんにもチェックしてほしい内容です。
ねこと暮らしているご近所さんがいるならば、おすすめの動物病院を聞くのが1番確実な方法です。
仲のよいご近所さんなら、率直な意見が聞けるでしょう。
また、インターネットの口コミを参考にするのもおすすめです。
だれにも気兼ねすることなく、好きなだけ調べることができます。
ただし、インターネットの口コミを参考にする際には少し注意が必要です。
口コミサイトでは、評判をよく見せるためによい口コミをする「サクラ」の存在が問題になっていることもあります。
逆に、ライバルの評価を下げるために、悪評を書き込む人もいるといいます。
また、動物病院の口コミでは、どうしても飼い主さんと獣医師、スタッフとの相性や印象の良し悪しも影響してきます。
口コミが良いことと獣医師の腕のよさは必ずしもイコールではありません。
ひとつの口コミを信じるのではなく、あくまでも参考程度にし、複数の口コミを確認するようにしましょう。
動物病院選びでは通いやすさも重要です。
どんなによい動物病院でも通院に1時間もかかるようでは考えてしまいますよね。
ねこを病院に連れていくときは、体調が悪かったり、怪我をしていたりすることもあるでしょう。
そんな状態での長時間の移動はねこだって辛いのです。
また、緊急性のある状態で遠くまで連れていくのも大変なことです。
かかりつけの動物病院はなるべく家の近く、できれば徒歩でいける範囲で見つけることをおすすめします。
はじめての動物病院では、掃除が行き届いているか、整理整頓がされているか確認しましょう。
動物病院には、さまざまな病気や怪我の動物がやってきます。
なかには、感染症を患っている動物もいるでしょう。
院内が清潔に保たれていないということは、感染症対策もずさんかも?と思ってしまいますよね。
病気によっては治療方法が複数ある場合もあります。
そんなときは、飼い主さんが選択できるように説明してくれる獣医師がおすすめです。
治療方法だけでなく、料金についても提示してもらいましょう。
今までたくさんの獣医師と接してきましたが、「この先生、私の話を聞いてないな」と感じる人も少なからずいました。
相手は人間の言葉を話せない動物ですから、飼い主さんの話から推測して診察することになります。
話しを聞き流しているようでは正しく診断することができません。
忙しくても、しっかりと話しを聞いてくれる獣医師のいる動物病院を選ぶことをおすすめします。
病気の話しになるとどうしても専門的な内容も含まれてくるでしょう。
しかし、私たち飼い主は素人ですから、専門用語を使って説明されても理解することができません。
病気の状況について理解できず、心配や不安が払拭されないということにもなりかねません。
飼い主さんが理解できるように専門用語を使わずに噛み砕いて説明してくれる獣医師が理想です。
また、質問にも嫌な顔をせずに、わかりやすく丁寧に答えてくれるかどうかもかかりつけを選ぶ上では重要です。
動物病院は「自由診療」で人間のような保険制度がありません。
そのため、思っていた以上に高額だったり、同じ治療でも病院によって金額に幅が生じることがあります。
だからこそ、料金が明瞭であることが大事なのです。
病院によっては、ホームページに検査費用や避妊・去勢手術の費用を公開しています。
また院内に金額を掲示している病院もあります。
動物病院では、思いがけず高額になることもありますので、安心して治療を受けるためにも、診療料金が明瞭で丁寧に説明をしてくれる動物病院を選ぶことがおすすめです。
ねこはとっても警戒心が強く臆病な動物です。
ねこへの接し方にも注目してください。
ねこに対して大きな声で話しかける、動作が大きい、触り方が雑などねこがストレスを感じるような 接し方をする獣医師や動物看護師がいる動物病院は避けるようにしましょう。
大抵のねこは単独での行動を好み、縄張りの外に出ることを嫌います。
ところが、動物病院を受診するためには、縄張りである家の外に出なければいけません。
また、病院の待合室ではほかのねこやいぬ、その他の小動物といっしょになる可能性もあります。
これはねこにとっては大きなストレスとなります。
そのため、ねこが安心して動物病院を受診できるように、国際猫医学会(ISFM)では、100項目以上の国際基準を定めました。
そして、その基準を満たした動物病院を「キャット・フレンドリー・クリニック」として認定をすることにしました。
そのキャット・フレンドリー・クリニックには、ゴールド、シルバー、ブロンズの3つのレベルがあります。
2022年1月現在日本では「ゴールド取得病院149病院、シルバー取得病院70病院、ブロンズ取得病院3病院」となります。
お近くのキャット・フレンドリー・クリニックはこちらから確認できます。
http://www.jsfm-catfriendly.com/cfc/hospital.html
なお、ブロンズは患者の自宅で問診をしたり、必要に応じて大きな病院を紹介する、入院施設や手術室を設置していない病院を対象としています。
ゴールド、シルバーはそれぞれ以下のような基準が設けられています。
ねこに関する知識が豊富でねこへの理解が深い
ねこに対して、優しく、思いやりを持って親身に接する
飼い主さんからのねこに関するどんな質問にも答える「猫専門従事者」がいる
ねこにとって優しい待ち合い室である
ねこにとって快適な入院設備が整っている
麻酔、レントゲン装置など適切な設備が整っている
ねこ専用の入院室がある
入院室のケージは、ねこにとって大きくて優しいケージである
ねこにとってより優しい待合室である
ねこ専用の手術室を備え、高度な設備を有している
感染症のねこを隔離する施設を備え、高レベルな病気に対しての適切な管理ができる
動物病院を受診するときは、必ずねこをキャリーバッグに入れて連れていきましょう。
脱走防止のため、外や待合室では絶対にバッグを開けないようにしてください。
また、洗濯ネットに入れてからキャリーバッグに入れるのも脱走防止効果があります。
おすすめのキャリーバッグは、クレートなどの上が大きく開くタイプです。
万が一ねこが嫌がってバッグから出てこなくても、処置内容によってはバッグに入ったままで治療ができる場合もあります。
愛猫の体調が優れずに受診をする際は心配や不安で考えがまとまらず、伝え忘れや上手く説明できないといったことがおきがちです。
もし、愛猫の様子がいつもと違うと感じたらメモをしておきましょう。
メモには、「症状、時間、回数、気になったこと」を記録しておきます。
場合によっては、動画や写真撮影をしておくのもおすすめです。
言葉で伝えるよりも確実に伝わります。
ほかにも、以下のことについてまとめておくとスムーズです。
動物病院を受診する際は、なるべく普段のねこの様子を把握している人が連れていくようにしましょう。
どうしても、無理な場合は普段の様子をまとめたメモを渡すようにします。
愛猫が元気だとついつい足が遠のいてしまいますよね。
ですが、そんなときだからこそ、動物病院に行くことをおすすめします。
引っ越しなどで新しい動物病院を探す場合は、なるべく元気なうちに行き、いざというときに愛猫を託せるか確認しておきましょう。
受診の理由は、健康診断、爪切り、耳掃除、肛門腺しぼりなどでOKです。
治療方法はひとつだけではありません。
進行性の病気で助からないといわれたねこがセカンドオピニオンを受けたおかげで、最初に言われた寿命の3倍も長生きした例があります。
愛猫のためにも、かかりつけの獣医師の診察に納得できなかったり、ほかの獣医師の意見を聞いてみたいと思ったら、積極的にセカンドオピニオンを検討してください。
セカンドオピニオンを受ける場合は、これまでの経過や検査結果をもらう必要があるため、「セカンドオピニオンを受けたい」と正直にお話ししましょう。
ほかの獣医師の意見を聞きたいというのは患者の権利です。
決して失礼なことではありません。
飼い主さんの気持ちに寄り添っている獣医師ならば、不安な気持ちを理解してくれるはずです。安心して相談しましょう。
ねこは縄張りの外に出ることで不安を感じたり、知らない動物や人がいる場所が苦手だったりします。
ですから、ねこにとって動物病院へ行くことは大きなストレスになりうるのです。
そんなねこのストレスを少しでも減らすためには病院選びが重要なのです。
いろいろと紹介してきましたが、簡単にまとめると以下のような病院がおすすめ。
動物病院選びでは、飼い主さんと獣医師の相性はもちろんですが、ねこにとってストレスの少ない病院であることも大事です。