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ねこの病気
ねこの投薬、どうすればいい?錠剤、粉薬、液剤、種類ごとに解説

ねこの投薬、どうすればいい?錠剤、粉薬、液剤、種類ごとに解説

投薬はねこのお世話の中でも特にハードルが高いもの。ねこは感覚が優れているため、慣れない薬が口の中に入ると、上手に吐き出してしまいます。また、フードの中に薬を混ぜても、気づかれてしまうことも少なくありません。

今回の記事では、ねこの投薬方法を薬の種類ごとに解説します。「うちの子、薬を飲まなくて困る」、「どうやって薬を飲ませたらいいのか分からない」という方は、ぜひ最後までお読みになり、参考になさってください。

※ねこの投薬の仕方はねこの状態や病状により異なります。特に健康に不安のあるねこの場合は、投薬法について獣医師から指導を受けることをお勧めします。

もくじ

1.ねこへの投薬の注意点とコツ
∟1-1.どの種類の薬があげやすい?
∟1-2.投薬時の注意点
∟1-3.ごはんに混ぜてあげてもいい?
∟1-4.投薬補助ゼリーを使うのもOK
2.錠剤の投薬法
∟2-1.ねこを保定する
∟2-2.薬を持つ
∟2-3.ねこの口に薬を入れる
∟2-4.ねこののどをさする
3.液剤の投薬法
∟3-1.シリンジの持ち方
∟3-2.ねこの歯の隙間から薬を入れる
∟3-3.飲み込むところを確認する
4.粉剤の投薬法
∟4-1.ペースト状にして口の中に塗る
∟4-2.水で溶いて液状にする
まとめ

1.ねこへの投薬の注意点とコツ

ねこはとても賢い動物です。一度「薬がイヤ!」と覚えてしまうと、その後はなかなか飲んでくれません。

まずは投薬のポイントを押さえておきましょう。


1-1.どの種類の薬があげやすい?

ねこに飲ませる薬は、大きく分けると「錠剤」、「粉剤」、「液剤」の3種類があります。

どの薬があげやすいかという点は、ねこの性格や好みによっても異なりますが、液剤がもっともあげやすく、錠剤、粉剤と続くという研究結果が出ています。

ねこが薬を飲まない場合は、別の剤形に変えたり、粉剤であれば水に溶かして液状にしたりすると飲んでもらえる可能性があります。獣医師に相談してみましょう。


1-2.投薬時の注意点

ねこに薬をあげる際には、以下の点に注意しましょう。

【1】落ち着いて薬をあげる

飼い主さんが緊張していたり、うまく飲めないからと怒ったりすると、ねこは不安を感じて薬を飲むのを嫌がるようになってしまいます。

まずは飼い主さん自身がリラックスして、落ち着いた態度で薬をあげることが重要です。

【2】ねこに噛まれないよう気をつける

投薬はねこの口に触れるため、噛まれてしまうことがあります。ねこの口内にある細菌に人が感染すると、重大な病気になる危険性がありますので、十分に注意しましょう。

可能であれば二人一組になり、一人がねこを保定、もう一人が投薬するとねこに噛まれるリスクを下げられます。

 

ねこに噛まれることによって発症する感染症や、噛まれた時の対処法については以下の記事をお読みください。

関連記事:【 猫に噛まれた!】【猫 引っかき傷】|ねこに噛まれたり、引っかかれたりした時の応急処置は?

【3】上手に飲めたらごほうびをあげる

ねこが上手に薬を飲めたらしっかり褒めて、おやつなどのごほうびをあげましょう。そうすることで、ねこは「薬を飲むといいことがある」と学習し、投薬を嫌がらなくなります。


1-3.ごはんに混ぜてあげてもいい?

薬をごはんやおやつに混ぜてあげることも可能です。おすすめはウェットフードです。においが強いため薬が混じっていることが気づかれにくく、薬が混ぜやすいためです。

一食分のフードに混ぜると食べ残されてしまう場合がありますので、一口分に薬を混ぜて食べさせた後に、残りのフードをあげるとよいでしょう。


1-4.投薬補助ゼリーを使うのもOK

ごはんと一緒に薬が飲めない場合は、ねこ用の投薬補助ゼリーに薬を混ぜてあげるのも一つの選択肢です。薬が混ぜやすく、嗜好性が高いためねこが口にしてくれやすい点が投薬補助ゼリーの大きなメリットです。

投薬補助ゼリーを使う際には、まず薬を混ぜていない状態でねこにあげて食べるかどうかを確認しましょう。最初から薬を混ぜると、警戒して飲まなくなる場合があります。


 

2.錠剤の投薬法

動物病院で処方される中で最も多いタイプが錠剤です。携帯しやすく長期間保存でき、飛び散りやこぼれがないため正確な量を飲ませられる点がメリットです。その反面、吐き出されやすいため投薬にはややコツが必要です。

砕いてごはんに混ぜることもできますが、難しい場合は直接口内に投与します。詳しい手順は以下の通りです。


2-1.ねこを保定する

ねこの横もしくは後ろからそっと近づいて、ねこの顔を押さえます。頭の後ろからねこの左右の頬骨を包み込む感じで押さえ、まっすぐ上を向かせましょう。

上を向かせることで口が自然に小さく開くため、投薬しやすくなります。また、投薬した際に薬がのどの奥に落ちやすくなります。


2-2.薬を持つ

ねこを押さえていない方の手で薬を持ちます。親指と人差し指でつまむように持つと、空いた中指でねこの口を開けやすくなります。


2-3.ねこの口に薬を入れる

薬を持っている手の中指で下あごを押してねこの口を開け、のどの奥に薬をポトンと落とし込みます。

薬を入れたら、すぐにねこの口を閉じます。

 

※以下のような薬の入れ方はNGです。

  • ・舌の上に薬を置く→吐き出されてしまいます。
  • ・薬を投げ込む→誤嚥・窒息のリスクがあります。

2-4.ねこののどをさする

ねこの口を閉じさせたら、ねこを上向かせたままのどをさすります。こうすることで、ねこが薬を飲みこみやすくなります。

「ゴクン」と飲み込んだ感じがあったり、鼻をペロっとなめたりしたら、飲み込めた合図です。

なかなか飲み込まない場合は、鼻に息を吹きかけると飲み込んでくれる場合があります。シリンジで少量のお水をあげるのも有効です。

3.液剤の投薬法

液剤とは、精製水やシロップに薬剤を溶かした液状の薬です。錠剤に比べて体内で吸収されやすいため、効果が早く出る点がメリットです。また、液剤自体に味がついている場合、ねこが喜んで飲んでくれる可能性があります。

液剤はシリンジで与えるのが一般的です。動物病院で液剤を処方された場合に一緒にもらえることが多いですが、ペットショップなどで購入することもできます。


3-1.シリンジの持ち方

シリンジは本体部分を親指以外の4本の指で包みこみ、親指で押すようにします。注射器のような持ち方をすると、量の調節が難しく、誤嚥のリスクがあります。正しい持ち方を練習しておきましょう。


3-2.ねこの歯の隙間から薬を入れる

ねこの口を横から見ると、犬歯の後ろに隙間があるのが分かります。

その隙間にシリンジの先を入れて、のどの方に向かって少しずつ薬を流し入れましょう。鼻先を上向かせておくと飲み込みやすくなります。


3-3.飲み込むところを確認する

薬が少量で、一度に投薬できる場合は、投薬後口を閉じさせて薬を飲み込むむまで見届けます。

薬が多量の場合は、少量の薬を流した後少し時間をおいて、ねこがきちんと薬を飲めているかを確認しましょう。どんどん薬を流し込むとねこが飲み切れずあふれたり、気道に入って誤嚥してしまったりします。

4.粉剤の投薬法

薬剤を粉状、粒状にしたものです。量の調整がしやすいため、月齢や体重に合わせた処方が可能です。

また、水や投薬補助ゼリー、フードなど、さまざまなものに混ぜられる点もメリットです。

ゼリーやフードに混ぜる方法は先ほどご紹介しましたので、こちらでは水に混ぜてあげる方法を2通り解説します。


4-1.ペースト状にして口の中に塗る

粉剤をごく少量の水で溶いてペースト状にする方法です。片方の手でねこの口を開け、もう片方の手でねこの上あごにペーストを擦りつけて薬を与えます。ねこの口の中に指を入れるので、噛みつかれないように注意しましょう。


4-2.水で溶いて液状にする

粉薬を水やぬるま湯で溶いて液状にする方法です。水の量が多いと飲むのが大変になりますので、なるべく少量の水で溶きましょう。

液状になった薬はシリンジに入れてねこに投薬します。先ほど液状の薬のあげ方でご紹介した通り、口の側面、犬歯の奥の隙間から投薬するとスムーズです。

まとめ

ねこへの投薬法について解説しました。ねこはデリケートな動物で、薬のにおいや味に敏感です。また、飼い主が緊張して投薬がぎこちなくなると不安を感じ、薬を飲みたがらなくなってしまいます。

まずは飼い主さんが自信を持ち、リラックスして投薬することが重要です。また、上手に薬が飲めたらしっかり褒めてごほうびをあげましょう。そうすれば、ねこは投薬を「飼い主さんとの楽しいコミュニケーションの時間」だと感じてくれるでしょう。


   
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