2022.02.24
ねこの習性
ねこは何で毛づくろいをするの?

 

いつもしてるけど、ねこは何で毛繕いをするの?

ねこが、夢中で毛づくろいしている姿はとてもかわいくて、ほのぼのしちゃいますよね。

野良猫も飼い猫も全てのねこたちが、毛づくろいをします。

それは毛づくろいをすることが、ねこの本能だからです。

一生懸命体をペロペロしている姿は、健気で見守ってあげたくなります。

そもそもなぜねこたちは、毛づくろいをするのでしょうか。

今回は毛づくろいの理由や方法について解説していきます。

 

目次

1.ねこはきれい好きな動物
∟1-1.不要な毛の除去とノミやダニを取り除く
∟1-2.仲間の猫の体のお手入れもお手伝い
2.体温を調節している
∟2-1.体が熱くなりすぎないための工夫
∟2-2。猫には汗腺がほとんどない
3.コミュニケーションの一環
∟3-1.信頼関係と愛情表現
∟3-2.リラックスするため
4.愛猫の過剰な毛づくろいには注意
∟4-1.毛づくろいが頻繁になった時は
∟4-2.毛づくろいを全くしなくなった時は
まとめ

 

1.ねこはきれい好きな動物

気がつくと毛づくろいをしているねこたち。

逆に毛づくろいしていない時間なんてないのではないかと、思っちゃうくらいですよね。

それくらいねこはきれい好きな動物なんです。

自分や仲間の清潔を保つために毎日一生懸命ボディーメンテナンスをすることが習慣のようですよ。


 

1-1.不要な毛の除去とノミやダニを取り除く

ねこは、舌の表面の「ザラザラ」を使って体を綺麗にします。

この部分は糸状乳頭と言い、数えきれないほどの突起があります。

みなさんもご存じのように、ねこはとてもきれい好きで、時間があれば常に毛づくろいを行うのです。

この毛づくろいは、ねこにとって時間があるからしているのではなく、毎日決まった時間にしているようで、ねこそれぞれの体内時計で時間管理をしています。

毛づくろいをすることで抜けた毛を搔き出したり、毛並みを整えているのです。

ねこには、体の毛が生え変わる換毛期があり、その時期はたくさんの毛が抜けます。

そのため、換毛期は、特に掃除を徹底して、無駄な毛を体の表面から、取り除くために行っているのです。

また、ノミやダニを取り除き、皮膚炎から体を守るという役割も持ち合わせています。

猫の下には殺菌効果もあり、毛づくろいをすることで実際にも体が清潔に保たれているのです。


 

1-2.仲間の猫の体のお手入れもお手伝い

ねこは、生後6週間程度までは、母猫に毛づくろいをしてもらい体の清潔な状態を維持しています。

人間の子供と同じですね。

ただ、人間と違い、猫は自分で体を清潔にするようになる時期が早く訪れます。

基本的には、生後6週間以降は自分で毛づくろいを行います。

ほとんどねこが、母猫に毛づくろいをしてもらった経験があります。

自分の周りのねこが、自分でお手入れできない場所をペロペロしてあげ、してもらうことで、自分と仲間の清潔を維持しているのです。

人間と同様に猫は社会的なつながりを大切にする動物と言えます。

 

2.体温を調節している

猫の毛づくろいには、実は体温調節の意味もあったんです。

とても便利ですね。

では、具体的にどのようにして体温を調節しているのでしょうか。

なぜ必要なのでしょうかも詳しくご説明します。


 

2-1.体が熱くなりすぎないための工夫

ねこは、唾液をたっぷり使って毛づくろいをすることで体温を低くしています。

毛に唾液を含ませることで、体を湿らせます。

時間が経つと、水分は蒸発していき熱が吸収されることで、体温が下がっていくという仕組みです。

この方法で最大16℃まで体温を下げることができるというから驚きですよね。

毎年例外なく訪れる日本の暑い夏を、野良猫たちは自分たちの努力で何とかしのいでいます。

一方で冬になるとねこは、夏とは違い冬毛で体が覆われます。

そのため、唾液を毛に含ませても体の表面に達することがなく、寒くなることはありません。

夏は体温を下げる働きを担っていた毛づくろいは、冬になると全身の保温のために行われるようになります。


 

2-2.猫には汗腺がほとんどない

人間が暑い時に汗をかけるのは、皮膚の内側にある汗腺という場所があるからです。

この汗腺があることで汗がかけ、熱を放出できます。

一方ねこには汗腺がほとんどありません。

唯一肉球にあるのみです。

そのために唾液を含ませる毛づくろいが、必要になるのです。

人間には自分で、最大で16℃も体温調節できる仕組みはありませんが、ねこよりもさらに便利な汗腺が体全体にあります。

動物が違うと、体温の調整・維持の仕方が随分と変わるものですね。

 

 

3.コミュニケーションの一環

猫同士の毛づくろいは、「アログルーミング」という愛情表現の一環で、親和行動と言われています。

これは、信頼関係の猫同士だけが行うコミュニケーションの取り方で、お互いが自分で舐めることのできない耳の後ろや頭部、首筋などをきれいにし合います。


 

3-1.信頼関係と愛情表現

ねこからねこへだけでなく、飼い主に飼い猫がペロペロすることもよくありますよね。

これも信頼関係にあるからこそしてもらえる、アログルーミングですよ。

ねこ同士の社会や、ねこと飼い主の関係で、グルーミング(毛づくろい)があるかどうか見れば、お互いが仲良くなれているのか分かっちゃうという訳です。

これが、母猫と子猫の場合は、母猫は子猫の陰部や肛門もきれいにしてあげるのです。

子猫のために常に体を清潔にしてあげることで、愛情を注いであげているのです。


 

3-2.リラックスするため

何かに失敗したり、飼い主さんに怒られた時など、気持ちを落ち着かせ、ストレスを軽減さるために、ねこは毛づくろいをします。

例えばジャンプした時に、思った場所に届かずに着地に失敗してしまったねこが、執拗にペロペロする姿を見たことはありませんか。

あの愛らしい行動がまさに、それです。

このストレスを減らし、リラックスさせるためのグルーミングのことを「転移行動」と言います。

ザラザラしたねこの舌で体に刺激を与えると脳が活性化され、セロトニンというものが分泌されます。

これが気持ちを落ち着かせる効果があると言われるのです。

さらに、このザラザラの舌はマッサージと同じ効果があるのだとも言われています。

また、食事のあとや排泄のあとのグルーミングは、においを消し清潔にしておくのと同時に、一息つき、休憩するという意味合いも持っています。

 

4.愛猫の過剰な毛づくろいには注意

ねこは、毛づくろいを頻繁に行います。

しかし、そんなねこでも過剰に毛づくろいをするようになったら、それは愛猫からのSOSです。

反対に全く毛づくろいをしなくなった時も同様です。


 

4-1.毛づくろいが頻繁になった時は

毛づくろいの頻度が、今までよりも頻繁になったり、1箇所に集中していたら緊急事態です。

ペロペロしたところに炎症が起きてしまったり、その場所が脱毛してしまいます。

飼い猫が過剰にペロペロするようになってしまったら、すぐに病院に連れて行ってあげましょう。

毛づくろいは、気持ちを落ち着かせ、ストレスを軽減させるための転位行動です。

日常生活で強いストレスを感じているかもしれません。

病院に行くのと同時に、愛猫が何にストレスを感じているのか、考えてみてあげましょう。


 

4-2.毛づくろいを全くしなくなった時は

毛づくろいを全くしなくなってしまうのも問題です。

ねこはきれい好きで、よく毛づくろいをする動物です。

では、なぜ毛づくろいをパタりと止めてしまうのでしょうか。

そもそもねこは高齢になると、毛づくろいの頻度が減る傾向にあります。

人間と同様で、ねこも年を重ねるにつれて体が動きにくくなるからです。

きれい好きなねこでも、頻繁に体を動かすのはつらいのです。

ただ、グルーミング回数の低下は、ボケの進行に繋がってしまうので、病院で診てもらうようにしましょう。

そして、体調不良時にも同様に毛づくろいをしなくなることがあります。

食欲がない、口内炎ができている、ケガをしているなど理由は様々です。

その際は飼い主が、ねこに変わり、ブラッシングをしてあげてください。

また、動物病院に連れて行ってあげることもお忘れなく。

 

まとめ

ねこはとてもきれい好きで、頻繁に毛づくろいいをします。

毛づくろいには体温を調節するためや、コミュニケーションを取るため、リラックスするためなど様々な理由があります。

ねこたちは、自分で自分の体調管理をするのが得意な動物のようです。

ねこの体内時計によって、毎日決まった時間や食後や排泄の後に毛づくろいをします。

とても真面目ですね。

また、毛づくろいを過剰にし始めたり、全くしなくなったら緊急事態なので、すぐに動物病院に連れて行ってください。

 

 

 

 

   
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