野生的な外見を持っているエジプシャンマウ(Egyptian Mau)は、ねこの中でも身体能力に優れている品種です。
正式に猫種として登録されたのは現代に入ってからですが、エジプシャン・マウの痕跡は古代エジプトの壁画にも見られ、その歴史は非常に古いものではないかと言われています。
今回はそんなエジプシャンマウについてご紹介します。
ねこが誕生した土地は、エジブトにあると言われています。
そんなエジプトから始まったエジプシャンマウは、もしかすると様々な猫種の祖先にあたる存在かもしれません。
エジプシャンマウの外見を見ると、チーターがそのまま小さくなってイエネコになった風貌です。
そんなエジプシャンマウはどのようにして世界に広まっていったのでしょうか。
まずは歴史を知るところから始めてみましょう。
エジプシャンマウの痕跡を辿ると、古代エジプト文明の壁画が最も古いものです。
その古さは今から約1500年前のものと言われており、3000年以上前から存在していた可能性あります。
壁画に描かれているねこと、現在のエジプシャンマウを比較すると全く同じとはならないまでも、直接の祖先になっていると推測できるでしょう。
そんなエジプシャンマウが世界に知られることになったきっかけは、1897年にヨーロッパへ渡ったことに始まります。
イタリアで繁殖が行われたエジプシャンマウは、その後アメリカにも渡ることになります。
そしてついに1965年に世界中の団体から猫種として公認を受けることとなります。
しかし、持ち込まれた数が少なかったことから遺伝性の病気に悩まされ、他の猫種と交配することになります。
後にこの交配を認めなかったアメリカのCFAは「エジプトに住んでいるエジプシャンマウと交配するべき」とし、エジプトから13匹のエジプシャンマウが持ち込まれて血統を確立することとなったのです。
エジプシャンマウをエジプトからヨーロッパに持ち込み、さらにはアメリカにも連れて行った人物は女性ということはわかっています。
この女性、ナタリア・トルベツコイという名前まではわかっていますが、何者であるのか謎に包まれているのです。
一説によると、ロシアから来ていた王族の1人であり、ヨーロッパに住んでいたもののアメリカへ亡命し、一緒に連れて行ったエジプシャンマウを繁殖させたという説もあります。
彼女の肩書きはの真実はわかりませんが、どちらにせよエジプシャンマウの繁殖を行い、さらに世界に広めた事実を見ると、かなりのねこ好きであったことは間違いないようです。
エジプシャンマウの名前はそのまま「エジプトのねこ」という意味です。
最近までは出身地をねこの名前にすることがトレンドではありましたが、この意味をよく考えると、エジプトのねこと言えばエジプシャンマウであるというふうにも捉えられます。
日本古来からいるねこを日本猫と呼ぶのと同様に、エジプトを代表するねこだと言えます。
さらに、一説ではねこ発祥の地はエジプトであるとも言われています。
発祥の地を代表するエジプシャンマウは、すべてのねこの代表とも言えるかもしれませんね。
外見に惚れ込んだねこと一緒に暮らす生活は毎日が幸せな気分になれるものです。
しかし、せっかく一緒に暮らすのであれば仲良くなりたいとおもうのも当然のことでしょう。
一緒に暮らすねこと仲良くなる為に必要なことは、ねこの性格を知った上で接することです。
そのため、もしエジプシャンマウを気に入った場合は性格を知り、それに合わせた接し方をすることでより良い仲になるのです。
では、エジプシャンマウの性格と一緒に暮らす際の注意点をご紹介していきます。
エジプシャンマウの性格は、とても賢くおとなしいねこです。
ただし、注意しなければいけないのは、他のおとなしいねことは異なり、人見知りが激しいことです。
一緒に暮らすことになって最初のうちはなかなか触らせてもらえなかったり、来客があった際に無理矢理表に出そうとすると嫌われることもあります。
人見知りが激しいということは、ねこ本来の警戒心が強いということです。
そのため、一緒に暮らし始めた時期にはなるべく高い声で優しく接してあげると、警戒心も徐々に薄れていきます。
また、身の安全を確保してあげることも重要なので、できる限り大きな音は出さないように心がけましょう。
見た目がチーターのようなエジプシャンマウですが、運動能力もねこの中では上位に入るほど優れています。
走るスピードの最高時速は50km/hほどを記録するほど俊敏であり、狩りが得意です。
そのため、遊ぶことも大好きなので、毎日少しでも一緒に遊ぶ時間を作ってください。
エジプシャンマウの賢さであれば、おもちゃにしか集中していないようであっても、誰が遊んでくれているのかは理解できます。
ねこは楽しませてくれる人を大好きになりますので、どんどん遊んであげましょう。
遊んでいるうちに、徐々に慣れてきて触らせてくれたり、時には甘えてくることもあります。
関係性次第で生活が大きく変わりますので、たくさん遊んであげましょう。
運動能力の高いエジプシャンマウを満足させる為には、環境づくりも大切です。
キャットタワーなどを設置し、上下運動が行える部屋作りも大切です。
上に飛ぶことは、ねこにとって全身運動になるためストレス解消にもつながり効果的だと言えます。
また、身体能力が高すぎるが故に、止まりきれなかったりジャンプした着地地点に物があって大怪我につながる恐れもあります。
そのため、遊ぶ際には広い場所を確保してください。
ねこの安全を確保するのも、人間の大切な役目です。
ねこと一緒に暮らすということは、ねこの一生に責任を持つということです。
そのため、ねこの体調不良には早急に対応する必要があります。
また、ねこの体調不良はとても気付きにくいという難しさもあります。
そこで、私たち人間がねこの体調不良を常に気にしていることが大事なことなのです。
体調不良の兆候が見られた際には動物病院を受診することが必須となりますが、エジプシャンマウがかかりやすい病気についても知っておきましょう。
病気の兆候を知っておくことが早期発見につながり、ねこを助けることにつながります。
人間にも起こる白内障ですが、ねこの中でもエジプシャンマウがかかる件数が多い傾向にあります。
幼い頃の栄養不足や外傷により起こる病気で、瞳が白く濁ってくることが特徴です。
ねこが歩いていてものにぶつかる姿が多くなったり、明るい場所でしばらく眩しそうにしている姿が見られた場合は一度動物病院を受診したほうが良いです。
かかり初めは目薬などで治療することが可能ですが、進行すると手術を伴ったり、手遅れになると手術すらできなくなってしまいます。
どれだけ早く発見できるかが鍵になりますので、毎日注意して見るのも良いかもしれません。
ねこの中でも皮膚があまり強くないのがエジプシャンマウです。
衛生面が悪くなったりダニなどの微生物が原因だったり、さらにはストレスなどで皮膚の疾患が出てくることがあります。
兆候としては痒みを伴うので、掻いている姿や皮膚をかじっている姿が見られた際には毛をかき分けて確認してみましょう。
人間と同様に、早期治療を行えば悪化はしませんが、進行すると大事にもなりかねませんので病院を受診しましょう。
また、こまめにブラッシングを行うことでリスクを大きく下げることもできますので、小さい頃からブラッシングを習慣化させるのも大切な予防法です。
尿路結石はすべてのねこがなりやすい病気ではありますが、エジプシャンマウは水を飲ませる工夫をしなければこの病気リスクは飛躍的に向上します。
基本的にねこは元々砂漠の生き物であったこともあり、少量の水で生活できますが歳をとると尿路結石になるリスクは上がります。
さらに、水が十分にある地域のねこは水を飲む習慣がありますがエジプシャンマウは乾燥地帯出身ということもあり、水をあまり飲みません。
複数箇所に水を設置するなどの工夫をして、できる限り病気リスクを抑えましょう。
運動神経抜群のエジプシャンマウは他のねことは少し違った特徴をたくさん持っています。
普段はおっとりしているのに、いざ動き始めると俊敏な姿を見せるギャップに魅了されてしまう方も多くいらっしゃるはずです。
たくさん思い出を作ることのできるねこだと言えますね。