ねこは「箱に入るのが好き」・「高いところが好き」ということを知っている人は多いですよね。
でも「なぜ好きなの?」と聞かれると「なんでだろう?」となってしまう人も多いのではないでしょうか?
今回は、ねことの暮らしのヒントを交えながら、知っていそうで知らない、ねこの生態についてご紹介していきます。
ねこは普段、4つのモード(気分)を行ったり来たりしています。
この4つのモードが頻繁に切り替わるため、気分屋に見えてしまうのです。
また、4つのモードがあらわれる度合いによってねこの性格が決まるともいわれています。
ねこは単独行動をするため、自分で自分の身を守らなければいけませんでした。
そのため、ねこは1匹でも安全に敵から身を守れる場所が必要だったのです。
そこで選ばれたのが、体がピッタリと収まる程度の薄暗い隙間でした。
とくに、体の一部が壁に触れるようなピッタリサイズの場所では、敵に襲われる心配もありません。
また、そうした場所は獲物を待ち伏せするのにも大変優れていたのです。
そのころの記憶が、遺伝子に刻み込まれているためでしょうか。
今でもねこは、薄暗くて狭い場所に入ると安心するといわれています。
そのためか、体がピッタリと収まる小さな箱は、ねこのストレスを和らげる効果があるようです。
ぜひ、お気に入りの箱を見つけてあげてください。
ねこは高い場所にのぼるのが大好きです。
気がついたら、棚の上や冷蔵庫の上から見下ろされていたなんていうのは日常茶飯事ではないでしょうか?
ねこが高い居場所を好むのは、縄張りの状況を把握しやすいからです。
ねこにとって縄張りが安全であることは、安心して暮らすためにはとても重要なのです。
グループで暮らしているねこたちの間では、高い位置にいるねこのほうが立場が上というルールがあります。
そのため、自分よりも立場が上のねこが姿をあらわすとサッと場所を譲るといった行動も見られます。
また、ねこの祖先は樹木の上で生活していたので、その名残もあるでしょう。
ねこは縄張り意識の強い動物です。
そのため、定期的に縄張りの中を巡回して、異変がないか、侵入者はいないか確認をします。
飼いねこにとっては、安心できる寝床があって、おいしいご飯が食べられる家の中が縄張りです。
お気に入りの場所をホームテリトリー(寝床やご飯場所など)とし、その回りをテリトリー、ハンティングリアとします。
そして、野生モードになると、家の中を巡回して安全を確認するのです。
巡回のさいに、入れない部屋があったりすると、安全かどうかを確認できなくて、ストレスになることもあります。
もし、ねこが部屋のなかを見たがっていたら、そっと扉を開けてあげてください。
部屋のなかを確認して、異常がないとわかれば安心して巡回を再開することでしょう。
ねこは夜行性だと思われていますが、正しくは薄明薄暮性です。
薄明薄暮とは、明け方の薄明るい時間帯(薄明)と夕暮れの薄暗い時間帯(薄暮)のことで、その時間帯に活動する習性を薄明薄暮性といいます。
ねこが薄明薄暮性なのは、獲物である動物の活動時間に関係しています。
たいていの動物は、薄暗くなってくるとまわりが見えにくくなるため、わずかな光でもよく見えるねこには大変有利なのです。
また、明け方はそれまで休んでいた動物たちが、活動をはじめたばかりで捕まえやすい時間帯だとされています。
ねこは突然、数十メートルもの高い場所から飛び降りることがあります。
これを、フライングキャット症候群またはハイライズ症候群と呼ばれています。
フライングキャット症候群で怖いのは、1度飛び降りたことがあるねこは同じことを繰り返す傾向があるということです。
ねこがなぜ高所から飛び降りてしまうのかは、今のところよく分かっていませんが、次のような要因が考えられています。
死亡リスクは、3階~7階>7階以上>2~3階の順になります。
転落の仕方が悪いと2階でも死亡してしまう場合があるので、リスクが低いからと油断は禁物です。
高さに関わらず転落防止対策をしておきましょう。
一番の対策は、ねこをベランダに出さないこと、窓を開けっぱなしにしないことです。
暑い季節はうっかりにご注意くださいね。
ねこは魚が好きだというイメージがあるかもしれませんが、基本的には肉食です。
そもそも、ねこの祖先であるリビアヤマネコが住んでいたのは、水の少ない砂漠地帯です。
当然、魚を食べる機会などありません。
おもな獲物はネズミやウサギといった小型の動物でした。
では、なぜ魚が好きだと言われるようになったのでしょうか?
それには日本の食文化が大きく関わってきます。
海に囲まれた島国日本では、昔から魚を食べる習慣がありました。
そんな日本でねこが飼われるようになったのは、江戸時代といわれています。
そのころの人々は今のように肉を食べる習慣がなく、動物性のタンパク源といえば魚でした。
ですから、当時のねこのご飯は、人間の食べ残した穀物や野菜、そして魚だったのです。
その中で、肉に近い魚の食いつきがよかったことから、ねこは魚が好きといわれるようになったのではないかと考えられています。
つまり、「ねこは魚が好き」は日本特有で、本来は肉好きの動物なのです。
ご飯を食べ残したお皿の横でねこが砂を掻くような動作をすることがあります。
その理由ははっきりとはわかっていません。
よくいわれるのは、お腹がいっぱいだからあとで食べるために砂をかけて隠しているという説です。
そのほかにも、「このご飯は嫌い」「違うご飯がほしい」「食欲がない」などの場合もあります。
しかし、野生のねこには食べ残しに砂をかけるような動作はみられません。
また、人間からご飯をもらっている地域猫なども、自分が食べ終わったあとも砂をかけたりしないというのです。
他のねこが食べに来るのがわかっているから、きれいな状態で残してあげているのかもしれません。
もっと衝撃的な説は、うんちと勘違いしているというもの。ご飯の匂いとうんちの匂いが似ているせいで、食べ残したご飯をうんちあつかいして砂をかけているのだとか。
ちょっと複雑な気持ちになる説ですね。
またたびにはフェニルエチルアルコールやアクチニジン、イリドミルメシン(別名マタタビラクトン)という成分が含まれていています。
これらが脳の中枢神経を麻痺させて酔っぱらったようになるのです。
またたびに対するねこの反応はさまざまで、かなり大きな個体差があることが知られています。
また、依存性はないものの多量に摂取すると麻痺が強くなり、呼吸困難を引き起こし、最悪死に至る可能性もあります。
ですから、最初に与える際はごく少量にして、注意深く様子を見守ってあげてください。
また、老猫や心臓病のあるねこは興奮しすぎて危険になる場合があるため注意が必要です。
与える場合は獣医師に相談しましょう。
ねこは水が苦手だといわれていますが、その理由はいまだにはっきりとは解明されていません。
もっとも有力な説は、ねこの祖先が暮らしていた環境に関係があるというものです。
ねこの祖先であるリビアヤマネコが暮らしていたのは乾燥した砂漠地帯です。
当然、獲物を狩るために水に濡れる機会はほとんどなかったと考えられます。
そのため水浴びをする習慣もなかったはずです。
また、ねこの被毛は油分が少なく、水に濡れると乾きにくいのです。
砂漠は夜になると冷え込むため、被毛が濡れたままだと体熱を奪われてしまいます。
そうならないように水を避けるようになったともいわれています。
その一方で、メインクーンやベンガル、アビシニアンといった猫種は、水が好きなねこです。。
また、ターキッシュ・バンなどはターキッシュ・スイミングキャット(トルコの泳ぐねこ)の異名のとおり、水遊びが大好きなねことして知られています。
しかし、大半のねこは先にも述べたように水が苦手です。
ねこを洗おうとして、大暴れされた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
ねこは、自分で舐めることで被毛を清潔に保つことができます。
もし、愛猫が水が苦手な短毛種なら、無理にシャンプーをしなくても大丈夫ですよ。
匂いに反応したねこが口を半開きにしてポカーンとした表情を浮かべるフレーメン反応。
フェロモンの匂いをかぎわけているといわれています。
ねこは、フェロモンの匂いをかぎとるためのヤコブソン器官が、開口部は鼻と口の間にあるため、ポカーンとした表情になってしまうのです。
ねこがフレーメン反応をするのは、 発情期のメスが近くにいるとき、毛づくろい中に自分のお尻回りの匂いを嗅いだとき、ハッカの匂いをかいだときなどがあげられています。
そのほかにも、飼い主の足や靴下の匂いをかいでフレーメン反応を起こすこともあります。
それはフェロモンに似た匂いを感知したためです。
決して足の臭さにびっくりしているわけではありませんのでご安心ください。
むしろ、「ああこの匂い、たまんない!」と感じているのかもしれませんね。
あなたは、ねこの生態についていくつ知っていましたか?
今回は、知っているようで知らないねこの生態をテーマに、日常の中で見られる行動や注意してほしいことをご紹介しました。
ねこの生態を知ることは、ねこと暮らすうえで役に立つことも多いです。
この機会にいろいろと調べてみてはいかがでしょうか?