愛猫の様子がいつもと違っていると感じられたら、それはねこのストレスサインかもしれません。
実は、ねこは、みなさんが思っているよりも、ずっとストレスに弱い動物なのです。
愛猫が、いまストレスを感じているかどうかは、ねこの動きをよく見てると分かります。
今回は、ねこがストレスを感じているときのサインと解消法について解説します。
ねこは、もともと単独で獲物を捕らえる動物でした。
「いかに、安全に確実に食べ物を手に入れるか」が、ねこの一番の関心事だったのです。
そのために、他の動物よりも警戒心が強く、繊細で神経質な傾向にあります。
つまり、周囲の変化に敏感で、ストレスを感じやすい動物だと言えるでしょう。
もともと繊細で、ストレスを感じやすいと言われるねこが、人との暮らし中でストレスを感じないわけはありません。
きっといろいろなストレスを感じているでしょう。
飼い猫のストレスには、大きく分けると「生活環境」「苦手な刺激」「人との接し方」などが考えられます。
飼い猫がストレスを感じているときには、体調や行動に変化が見られます。
その変化がサインとして出てきます。
ただし、飼い猫の出すサインには、ストレスを感じていて出すサインと、病気のときに出すサインもあります。
ストレスなのか病気なのかは、日ごろから観察してよく見極めましょう。
フードを食べなくなったとか、水を飲まなくなったときにも、ねこのストレスが原因と考えられます。
しかし、病気が原因で食欲がなくなることもあります。
ねこは自分の体を清潔に保つためによくグルーミングをします。
しかし、いつもより執拗に舐めたり、噛んだりするのはストレスによる自傷行動になります。
脱毛や出血、皮膚のただれが見られるようになったらストレスが原因でしょう。
ただし、ノミなどのアレルギーの可能性も否定できません。
ねこがストレスを抱えることになると、排泄の回数が増えたり、減ったりと変化が表れます。
ただ、食事によっても排便の色や臭いは変わることもありかならずしもストレスが原因だとは言えません。
マーキングは、多頭飼いの場合にはよく見られます。
新しく飼い猫を迎え入れたときなどストレスが高じて、マーキング行動を取る猫もいます。
ストレスがたまるとイライラするのは人ばかりではありません。
ねこも同じことが言えます。
ストレスを感じているときには、気性が激しくなり、ねこに触ろうとすると急に噛みついたりします。
こういうときには、ねこにとって何か嫌なことが起こっていると考えるのがいいでしょう。
ねこが「ニャー」と大きく奇声を挙げているときは、人やねこに対して威嚇しているときです。
ストレスもずいぶんとたまっていることも考えられます。
車のクラッションや雷、花火など大きな音に驚いた時には、聴取能力にすぐれたねこは、人よりももっと大きなストレスを感じます。
雷鳴が聞こえたらベッドの下や押し入れなどに急いで逃げ込む姿がみれるでしょう。
雷などは急になるものですので、予め逃げ込める場所を準備してあげてください。
予想していなかった急な来客は、ねこにとってはストレスの高まる原因になります。
ねこは危機回避能力が高いために、急な来客があったりするとストレスになり得るものから逃げるためにベッドの下や別室など安全な場所に隠れることがあります。
ねこにとっては、今まで住んでいた場所から新しい場所へと引っ越すことには大きなストレスになります。
環境の変化になかなか対応できずにストレスが溜まってしまうのです。
新しい環境になれるまではずいぶんと時間もかかります。
ねこがストレスを感じているときに出すサインについては前項で述べました。
しかし、ねこがストレスを感じるには原因があります。
飼い猫にとってのストレスの原因は、ねこの暮らす家の環境によるものが大きいと言えます。
ストレスのたまる環境とは、それはねこの本能を考えたときに「〇〇できない」という状態を考えたら分かりやすいでしょう。
などとさまざまな原因が考えられます。
ねこは慣れないことに恐怖心を覚えストレスを感じることがあります。
それには次のようなものがあります。
これまで見てきたとおり、ねこは繊細でストレスを抱える動物であることは分かりました。
次は、ストレスを抱える飼い猫をどのようにフォローし、その問題を解決して行けばよいかについて解説します。
これは、ねこの気持ちになって考えた場合の対処法であり、また改善法になります。
まず飼い猫が暮らす家の環境を見直してみましょう。問題がありそうならすぐに改善するべきです。
ねこは元来、活発な動物です。
飼い猫でも部屋の中を縦横無尽に走り回ります。
また、ねこは高い所に登るのが好きな動物です。
部屋の中にキャットウォークやキャットタワーを備えて、ねこが動き回れる空間を作りましょう。
家が狭い場合は、部屋の扉を開け、他の部屋や廊下なども動き回れる状態にしてください。
突然の来客など、ねこにとってはストレスとなることは多々あります。
そのようなときに備えて、ねこがいつでも逃げ込めるスペースを確保してあげましょう。
ベッドの下にダンボールなどを置いて隠れ家を作ってあげるのもいいでしょう。
また、押し入れはいつでも出入りができるように少しだけ開放してあげてください。
ねこは、暑さよりも寒さには弱いと言われています。
特に、冬の寒さには気を付けてあげてください。
ねこが部屋の中で快適に暮らせるように、夏、冬場の空調管理を適切に行いましょう。
ねこは清潔な環境を好む動物です。
少しでもトイレが汚れていて不潔だと思ったら排泄時にストレスを感じがちです。
トイレの数は、1頭に1個は必要と言われていますから、多頭飼いをする場合には、複数のトイレを設置してあげましょう。
トイレが汚れていたり、排泄後の掃除が行き届いていないとどこででも用を足すような粗相の原因にもなります。注意しましょう。
ねこの食器は1頭あたり1個が基本です。
多頭飼いの場合は、お互いの使い回しは止めましょう。
また、水飲み場も複数を用意しましょう。
使い回しは、感染症にかかる原因にもなります。
ねことの接し方しだいでは、ストレスを高める原因にもなります。
ねこの気持ちになって接しましょう。
ねことのスキンシップを高めるためには、いろいろな方法があります。
一緒に遊んであげるのは、ねこのストレス解消にもつながりますからできるだけ一緒に遊んであげてください。
遊ぶときには、猫じゃらしなど用具を用いたほうが効果的ですよ。
ねこが望まないこと、嫌がることはできるだけ避けましょう。
急な抱っこや爪切り、シャンプーはねこが嫌がるときは避けてください。
ねこは、病院通いが苦手で嫌いです。
ストレスも大きくなります。
病院に慣れさすために、子猫のうちからキャリーバッグをいつも遊び場所においたり、車で一緒に出かけましょう。
繰り返しになりますが、ねこは繊細でストレスのたまりやすい動物です。
飼い主は常にねこの気持ちになって、愛猫がどうしたら毎日、気持ちよく暮らせるか、ストレスを感じずに過ごさせることができるかについて考えてあげてください。
そうすることが飼い主さんと愛猫とのスキンシップを高めることにもつながります。