「フランスの宝」「生きたフランスの記念碑」とも呼ばれることのあるシャルトリュー(Chartreux)。
フサフサした毛に触れてみたいという欲求が生まれる方も少なくありません。
フランスを代表するねことも言えるシャルトリューですが、もし一緒に暮らすとなるとどんなことに注意すれば良い関係が構築できるのでしょうか。
今回は、そんなシャルトリューの特徴や歴史についてご紹介します。
銀灰色御三家のうちの一種類に数えられるシャルトリューは、フランスの政治家や作家などにも愛されてきた由緒正しい猫種です。
見た目がエレガントであることや、その性格が愛される要因となっていたことは、シャルトリューを知ることで徐々にわかってきます。
「ほほ笑みのねこ」や「フランスの宝」などの異名をシャルトリューが持っている歴史について知り、どんな特徴があるのかを知っていきましょう。
厚みのある毛が特徴的なシャルトリューですが、古くはフランスに元々いた猫種であることがわかっています。
日本人が野良猫で三毛猫を見つけるように、フランスではシャルトリューが路地を歩いていることもあったということです。
シャルトリューと呼ばれるようになった由来は、元々はカルトジオ会というカトリック系の境界の修道士のことをシャルトリューと呼び、ここで飼われていたねこがシャルトリューだったという説が最も有力です。
その他にも、十字軍が持ち帰ったという説やリキュールが語源であるという説がありますが、今から1000年も前の話なので正確なことはわかっていないことが現状です。
古くからフランスではメジャーなねこでしたが、シャルトリューが世界に広まったのは1960年頃の話です。
それまでは主にフランスで暮らしていたシャルトリューでしたが、この頃にアメリカに渡ることになります。
日本にも1970年に渡ってくることとなり、認知度は高まっていきました。
シャルトリューが公式に猫種として認められたのは1987年のことです。
アメリカのCFAという団体が猫種として認めることにより、猫種としての認定を受けたのです。
地域ではメジャーなねこが最近になって猫種の公認を受けるということは珍しいですが、猫種として認められていないにもかかわらず一定の種類として確立していたシャルトリューは、フランスでも特別なねこだったと言えるでしょう。
シャルトリューの見た目は、ブリティッシュショートヘアと似ているという印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。
地域的にも近く、古くからフランスとイギリスは繋がりもあったためもしかすると先祖のねこは同じかもしれません。
しかし、ブリティッシュショートヘアは様々な柄や目の色が認められているのに対し、シャルトリューはブルーがかった銀灰色の毛であることと、目はゴールドであること以外は認められていません。
さらに、顔を見るとブリティッシュショートヘアのほうが丸みを帯びていることもわかります。
一見すると間違えてしまうかもしれませんが、一緒に暮らしている方からすると明らかに違う猫種であるとわかるほど違いがあるのです。
シャルトリューと一緒に暮らすとなった際に、どのような性格かを理解しないまま接してしまうとあまり良い仲が構築できない可能性があります。
それを回避するために、どんな性格なのかを知り、シャルトリューに合わせた接し方を行うことによって、ねこと人間の双方が幸せな生活を送ることができるのです。
そこで、シャルトリューがどんな性格なのかをご紹介していきますので、接し方の参考にしてみてください。
シャルトリューの性格は従順であり、賢いとされています。
そのため、身の回りの世話を行うことによって、信頼関係が時間と共に確固たるものになっていくのです。
また、人間のことをよく観察しているねこであるともされるので、人間が元気のないときや弱っているときに寄り添ってくれるというケースも見られるねこです。
また、あまり鳴かずに、鳴いたとしても小さな声で鳴くため、集合住宅で一緒に暮らしている方にとっても喜ばしいことだと言えますね。
シャルトリューを見た第一印象は、あの毛を撫でてみたいと思った方も多いはずです。
シャルトリューの毛は二層構造であり、アンダーコートに厚みがあるためあのようなフサフサした毛並みを実現させています。
ねこは毛繕いによって自分の毛をケアできますが、アンダーコートまではなかなかケアが難しいのが現状です。
そこで、ブラッシングを行うことによってモゾモゾしている気持ち悪さを解消してあげることが可能です。
短毛種の部類に入るシャルトリューですが、アンダーコートの毛の多さから、こまめにブラッシングすることが推奨されます。
ブラッシングは皮膚のトラブル回避や毛並みの維持にも効果的なため、是非ともブラッシングを習慣にしてください。
体格の良いシャルトリューは、遊ぶことが大好きです。
元々筋肉量の多い猫種は、遊ぶことでストレスの解消にもなりますのでたくさん遊んであげましょう。
筋肉量が多いため、遊ぶ際には運動能力に驚かされるかもしれません。
そんなシャルトリューと遊ぶために、ある程度広い場所をできるだけ確保しましょう。
ねこは着地地点を考えずに飛んだり、止まりきれずに壁に当たってしまうなどの危険を含んでいます。
危険を回避できるのも人間ですので、安全な場所で遊ぶことを心がけてください。
賢いシャルトリューは特に遊んでくれた人間を覚えていますので、信頼関係構築にはもってこいの機会となります。
一緒に暮らすねこにはいつまでも元気でいてほしいものです。
特にシャルトリューに関しては従順さを持ち合わせているため、その気持ちも他の猫種より大きくなるかもしれません。
そんなシャルトリューと少しでも長く一緒に暮らすために私たちができることは、ねこの健康を常に気にして生活することです。
気にすると言っても、普段から目を光らせるわけではありません。
少しでもねこに異常が見られた際に、自己判断せずに動物病院へ連れていって適切な処置をしてもらうことが大切になります。
「これくらいは大丈夫」と思っても、ねこは不調を隠すので気づいたときには病気が進行していることもあります。
そこで、シャルトリューの特に気をつけたい病気についていをご紹介していきます。
多発性嚢胞腎とは、遺伝性の病気です。
腎臓に嚢胞が発生し、進行すると腎不全を起こしてしまう危険な病気です。
遺伝性の病気は環境や何か外的な原因があるわけではなく、遺伝で発症してしまうため防ぎようがないことが現状です。
そのため、この病気の診断を受けた際には腎不全を緩和させる治療となります。
水をたくさん飲んで大量におしっこをしたり、食欲不振になってきた場合は注意が必要となります。
治療を行うか行わないかでは雲泥の差があるため、しっかりと治療を行いましょう。
ねこのかかりやすい病気ナンバーワンが尿路結石です。
元々ねこは砂漠に生きていた生き物のため、少量の水で生活することができます。
しかし、少量の水で生活できるというのは体が必要な水分が少ないというだけであり、老廃物を出し切るための尿の量を考えると少ないのです。
また、この病気は歳を取ることで発症率が上がってしまいます。
自然界で生きているねこにとっては、発症する前に寿命がきてしまいますが、イエネコとなり寿命が伸びたねこにとっては大問題になっているのです。
大切なのは水をたくさん飲ませることだけです。
とはいえ、人間とは異なり「水を飲みなさい」と言っても飲んでくれないのが現状です。
そこで、部屋の数カ所に器を用意したり、給水器を用意したりして、気づいた時に水を飲める環境を作ることにより、ねこにたくさん水を飲んでもらいましょう。
フランスで古くから愛されてきたシャルトリューですが、日本で見かける機会は少ないかもしれません。
しかし、従順なねこであり、鳴き声も少ないことから初めてねこと一緒に暮らす方にとってはおすすめできる猫種だと言えます。
シャルトリューにかけた愛情をそれ以上で返してくれる猫種ですので、もし一緒に暮らすことになった際には、大切な時間を少しでも長く過ごせるようにしてくださいね。