凛々しいその表情から人気を集めたベンガル猫(Bengal)。
実は、ヤマネコの血を引いていることをご存知だったでしょうか。
筋肉質であり、スッとした立ち姿はヤマネコからの血を受け継いでいたからだったのです。
しかし、ギャップとも言えるその性格を知ると、ベンガル猫の魅力に取り憑かれてしまう人は多数いるのではないでしょうか。
ねこの中でも珍しく、ヤマネコの遺伝子を引き継いでいるベンガル猫ですが、なぜヤマネコとの交配が行われたのかまでを知っている方はあまりいません。
そこで、ベンガル猫が誕生した経緯を知り、さらには外見的な特徴を掴むことによって、ベンガル猫がどのような特徴があるのかを知ることができます。
ベンガル猫の魅力に迫りましょう。
ベンガル猫は、ベンガルヤマネコとイエネコの交配によって生まれましたねこが基です。
アジア南部の森林地帯に住んでいたベンガルヤマネコが祖先になっています。
ちなみに、ベンガルヤマネコの亜種としては、日本で生息してる絶滅危惧種のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコがいます。
そんなベンガルヤマネコがイエネコとの交配をするきっかけとなったのが、野生のねこには白血病に対する抗体を持っている可能性がある可能性があると発表されたことでした。
この研究のために、人の遺伝子学の研究者が交配を実行したというのが、ベンガル猫の短序だったのです。
結果的にこの研究は失敗に終わってしまいますが、その後ブリーダーに手渡されたベンガル猫は、猫種として認定されるまでに発展していきます。
元はベンガルヤマネコとイエネコの交配によって生まれたベンガル猫でしたが、その後はブリティッシュ・ショートヘア、ボンベイ、アビシニアン、エジプシャン・マウなどとの交配が行われます。
交配が行われた理由としては、元々はベンガルヤマネコとイエネコから生まれたねこしかいなかったため、近親となり遺伝的な病気が出やすくなってしまうことを避けるためです。
現在のベンガル猫は、様々なイエネコの血も混ざっていることとなります。
そのため、外見こそ自然的な体つきではありますが、性格はイエネコに適した性格で生まれてきます。
ベンガル猫の外見的特徴は、すらっとした筋肉質の体つきです。
ベンガルヤマネコの血を受け継いでいることもあり、基本的な体つきは自然界でも生き抜けるような体つきをしています。
また、毛並みは短毛種ではありますが密度が高くとても滑らかな毛並みです。
柄はヒョウのような斑点と渦巻き状の柄で構成されており、この柄も自然界を彷彿させるようなとても綺麗な柄をしています。
筋肉質であることから、運動能力が高いことも特徴です。
猫種の中でもトップクラスの身体能力を持っていることで、注目を集めることも多いのがベンガル猫です。
ベンガルヤマネコの血を受け継いでいると知って、家で暮らすことには向かないのではないかと考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その外見と経歴とは裏腹に、たくさんのイエネコの祖先を持っているベンガル猫は家で暮らすことに何も問題はありません。
猫種によって注意点はいくつかありますので、ベンガル猫と一緒に暮らすための注意点をご紹介していきます。
ベンガル猫の特徴を知り、それに対する対策を行うことによって、ベンガル猫は家でも幸せに暮らせるのです。
ベンガル猫の性格はとても人懐っこく甘えん坊です。
野生的な見た目とベンガルヤマネコの血を受け継いでいることで、獰猛かと思われるかもしれませんが、数々のイエネコの血が入ったことにより人懐っこい性格になりました。
また、水を怖がらない猫種なので、個体差はありますがお風呂に入ることもためらわないベンガル猫も多いです。
しっかりとイエネコとしての性格を持っており、一緒に暮らしやすい猫種と言えますので初めてねこと暮らす方にとってもおすすめです。
人懐っこい甘えん坊のベンガル猫ですが、特徴の身体能力には考慮が必要です。
遊ぶことも大好きなのですが、遊びの規模が他のねこよりもパワフルであると言えます。
飛ぶ、走る、獲物に飛びつくなど、通常のねこよりも豪快に遊びます。
そのため、ベンガル猫と暮らすために是非とも考慮しておきたいのはねこが遊ぶ場所です。
ねこが獲物を追う際は、周囲など気にせずに真っ直ぐ追いますので、狭い場所で遊ぶとねこの怪我の原因になります。
ねこが思った以上に滑ったり、着地点にゴミ箱などの障害物があると危険です。
ベンガル猫と暮らす際には、そういった不安がない場所を選択してたくさん遊ぶように心がけましょう。
日常の習慣は遊びだけではなく、毛のお手入れにも気を使いましょう。
ベンガル猫は毛の密度が高いため、抜け毛が多くブラッシングが必須となります。
抜けた毛が体に残ると、毛繕いの際に大量に毛を食べてしまったり、皮膚病の原因となることもあります。
水を怖がらないのでお風呂に入れることも容易ですが、頻繁に洗うことはおすすめできません。
ねこの毛は二層構造になっているため、下の層が乾くまでに体が冷えてしまう可能性があります。
体が冷えるとねこ風邪などの原因にもなりますので、頻繁にお風呂に入れるというよりもは、毎日のブラッシングで抜け毛の問題を解決しましょう。
ブラッシングを行うとスキンシップにもなるので、ねこと仲良くなれるチャンスにもなります。
ねこの病気に関しては、一緒に暮らす私たちが異常に気づき、すぐに対応する必要があります。
ねこは体調不良を隠しがちなため、私たちが日頃から注意して見ていなければ見落としてしまうことは避けなければなりません。
早期発見で命が助かったり進行を遅らせることが可能な病気も、対応が遅れると命に関わることがあります。
ねこと言えばねこ風邪や尿路結石など、頻度の高い病気はありますが、ベンガル猫特有の病気も知る必要があります。
遺伝的にベンガル猫が罹りやすい病気を知ることによって、健康で長く生活してもらうための手助けにもなるので、覚えておきましょう。
ベンガル猫がかかりやすい遺伝的な病気の中で、命に関わる最も恐ろしい病気がピルビン酸キナーゼ欠損症です。
平たく言えば、赤血球の寿命が短くなってしまう病気です。
このことにより、貧血や酸欠、呼吸困難などが起こり、場合によっては死に至る可能性もあります。
現実的で具体的な治療法はなく、進行を遅らせることが第一の解決策です。
そのため、発見が遅れてしまうと命の危険もあるため、苦しそうにしていたりふらふらしている様子が見られた場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
また、この病気はストレスとも関係しているため、たくさん遊んだり甘えさせてあげることによって改善することもあります。
大事に至る前に、私たち人間が対処したい病気です。
この病気は文字の通り、網膜が徐々に萎縮してしまい、最終的には失明してしまう病気です。
遺伝性の病気であり、進行を遅らせることしかできないので、物にぶつかるなどの不自然な様子が見られた際には、動物病院を受診しましょう。
ただし、私たち人間とねこの失明は少し違います。
私たち人間は生活の中で視覚に頼る部分が多く、目を瞑っていると平衡感覚も掴めないのが現状です。
しかし、ねこは音に頼っている部分と、全身の数箇所から生えているひげに頼りながら生活している部分が大きいのです。
とはいえ、全く見えない中生活するのはねこにとってもあまり良い状態とは言えません。
失明を避けるためにも、異常が見られたらすぐに対応しましょう。
見た目とは裏腹に人懐っこいベンガル猫は、そのギャップから愛されやすいねことして位置付けられています。
環境さえ整えればねこも幸せに生活できるため、環境に配慮した状態でベンガル猫と暮らしましょう。
通常のねことは少し違った経歴を持っているベンガル猫なので、その暮らしも特別な物になるかもしれませんね。