耳が他のねこと異なる猫種として、耳が寝ているスコティッシュ・フォールドの存在がありますが、逆に耳が反っているアメリカン・カール(American curl)という猫種をご存知でしょうか。
外見的な特徴も愛らしいのですが、それ以上に性格も人間になつきやすいことから、現在人気急上昇の猫種なのです。
今回は、そんなアメリカン・カールについてご紹介します。
猫種としては非常に新しいアメリカン・カールは、新種の発見として猫界を賑わせました。
歴史としては浅いアメリカン・カール。
現在日本で人気が急上昇中ですが、まだまだあまり知られていない猫種なのです。
そんなアメリカン・カールは一体どんなねこなのかを知りましょう。
地域にもよりますが、人間がねこと暮らすようになってから長い年月が経っています。
このことから、野生に生きているねこを見かけた際にも、人間は「それがねこである」という認識を持って見ることができます。
イメージするねこと異なる特徴があるねこを見た際には、噂にもなりますし、繁殖しようとする人もいるでしょう。
しかし、これから紹介するアメリカン・カールは長きに渡り話題になることはなく、ひっそりと暮らしてきました。
新種のねことして発見され、繁殖が始まったのはなんと1981年の話なのです。
猫種としての概念が定着し、さかんに繁殖が行われてから200年以上経っていますが、それまで注目されることなくアメリカン・カールが生息していたのです。
耳が反っているねこが注目されなかったことが不思議ですね。
アメリカン・カールとして認められるためには、厳しい審査があります。
耳が反る原因は遺伝にあり、50%の確率でその現象が現れます。
そのため、耳が反っていると判定する合格ラインが必要になるため、このような規定が設けられました。
その内容は、「90度から180度」という規定が定められています。
さらにその剃り方に関しても細かな規定があるため、アメリカン・カールとして認められるためには、選ばれたねこであると言えるでしょう。
生まれた当初は耳が立っているアメリカン・カールですが、生後一週間ほどで徐々に反り返ってきます。
2、3週間で剃り変えりが定着し、ここで判定が下されるわけです。
しかし、耳が真っ直ぐなアメリカン・カールも、その性格から愛されているのが現実です。
アメリカン・カールは耳が反っていますが、耳が寝ているスコティッシュ・フォールドとよく比較されます。
耳が反っているか寝ているかの違いですが、その現象が現れる原因は大きく異なります。
スコティッシュ・フォールドの耳が寝ている理由は、軟骨が変異する一種の病気にあたります。
それに対してアメリカン・カールは優勢遺伝で耳が反っているのです。
遺伝性の病気にかかることも少ない為、アメリカン・カールはその健康さから愛されるというケースもあります。
耳が反っているというかわいらしさを持っているアメリカン・カールですが、それ以上に性格が好まれているご家庭も多くあります。
中には家に来たときは耳が反っていたのに、いつの間にか耳がまっすぐになってしまったというご家庭もありますが、それでもアメリカン・カールがかわいすぎて耳なんて寛解ないとおっしゃっているケースもあります。
それほどまでに愛されるアメリカン・カールは一体どんな性格をしているのでしょうか。
アメリカン・カールの性格と、一緒に暮らす為に注意しておきたいことについてご紹介します。
アメリカン・カールはとても賢いねこです。
好奇心旺盛な面もありますが、なんでも興味を引くというわけではないので、物静かに過ごすことが多く、メリハリのあるねこだと言えます。
そのため、イタズラすることも少なく、お留守番をしている際にも悪さをしないという優等生ぶりを発揮します。
また、警戒心が少ないため早くから人間に慣れたり、来客があった際にも近寄っていくという光景も見られます。
個体差はありますが、世間がイメージする撫でていたら突然噛まれるということもなく、おとなしい一面も持っています。
留守番ができるアメリカン・カールですが、人間が大好きであるという点を忘れてはいけません。
そのため、甘えさせてあげる時間を1日のうち少しでも作りましょう。
撫でられたり寄り添って寝ているときはリラックスしている状態になるので、ストレス軽減にもつながります。
一人暮らしで働いているとなかなか留守番が多くなってしまいがちですが、少しでも多くの時間を一緒に過ごすことによって、ねことの関係性もより一層深いものとなります。
極力家にいるようにして、たくさん甘えさせてあげましょう。
アメリカン・カールはその賢い性格から、ねこと初めて一緒に暮らす方にとっても暮らしやすいねこです。
ほとんどしつけもいらないほど賢いが故に、何かやってしまった際にも正しいしつけ方を覚えておく必要があります。
ねこは悪いことをしてもそれが悪いとは思っておらず、さらには何かやってしまった際にもすぐに忘れてしまうという性格を持っています。
そのため、もし何かしてしまった際には、それに代わるもっと良いことを提供するようにしてください。
壁で爪を研いだ時には爪研ぎが傷んでいたり気に入らない場合なので、良いものを設置してみましょう。
トイレ以外で用を足してしまった場合、トイレが気に入らなかったり汚れている可能性があります。
このように、ねこの行動は何かしら原因があるのです。
大きな声を出すと関係性が崩れる可能性もあるため、怒らずにしつけることがコツです。
ねこと暮らすにあたり、ねこの健康管理を行うことは人間の役目です。
人間のように体調不良を訴えてくるわけではありませんので、異変に気づいたら動物病院に連れていくことは義務です。
アメリカン・カールは賢く、ねこは体調不良を隠すため、なかなか体調不良に気づけないケースもあります。
ここで人間ができることは、ねこの病気について知り、常に異変に気づけるようにしておくことです。
アメリカン・カールも体調不良になることはあるため、一緒に暮らしている人間がしっかりとその異変に気づき、対処してあげることが大切ですね。
人間でも太りやすい人がいるように、個体差はありますがアメリカン・カールは肥満になりやすい猫種です。
そのため、1日少しでも運動の時間を設けることは必須事項となります。
太ったねこも見ていて癒されることもあるかもしれませんが、人間と同様にさまざまな病気の原因となります。
糖尿病などの大病を患うリスクが高まることはもちろん、常に四肢で体を支えているねこは関節の病気を抱えやすくなってしまいます。
一度肥満になると痩せるまで苦労しますので、太る前に対策を行いましょう。
アメリカン・カールの特徴的な耳ですが、個体差はあるものの外耳炎に注意する必要があります。
耳の反り具合で通気性が悪くなってしまい、汚れが溜まりやすくなってしまうケースがある為です。
ただ、こまめに耳掃除を行うことにより回避できます。
信頼関係が構築できたねこは、耳掃除が好きになってくれることも多いので、コミュニケーションの一環にもなります。
しかし、耳掃除をせずに放置してしまうと中耳炎や内耳炎などの聴覚に関わる病気にも発展してしまう可能性があるため、もし発症してしまった場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
アメリカン・カール全体ではありませんが、長毛種の場合は毛球症に注意が必要です。
毛繕いによって自分の毛を大量に食べてしまい、胃の中に毛が溜まって消化不良を起こす病気です。
家の中で暮らすねこは、自然界にいるときよりも自然に毛が抜け落ちることがないため起こる病気です。
対策方法はこまめにブラシをかけること。
ブラッシングは皮膚トラブルのリスクも下げることができ、ねこも喜ぶのでおすすめです。
また、ご飯に毛玉対策のものを用意するのも対策の一つになります。
歴史がとても浅いアメリカン・カールは、その性格も人間が一緒に暮らしやすいかわいいねこです。
留守番もできるねこですが、一日中一緒にいてもねこ自身がストレスを抱えることもありません。
もし一緒に暮らすことになった際には、運命の出会いだと思ってたくさん可愛がってあげてください。