人間と同様に、ねこにもアレルギーは存在します。
アレルギーが起こる構造も人間と同様ですが、ねこの場合は人間のように不調を訴えてはくれません。
ねこにアレルギー症状が出た際にすぐ発見して対処できるよう、知識を身に付ける必要があります。
健康に過ごしてもらうためにも、ねこのアレルギーに注意を払いましょう。
ねこは体調不良になっても、あまり私たちに異常を訴えることはありません。
そのため、アレルギー反応が出て体調不良になったとしても、私たちが気づかない限りそのまま過ごします。
アレルギー反応を経験したことのある方であればお分かりかと思いますが、症状が出た状態での生活は多大なるストレスを抱えながら暮らすことになります。
ねこと一緒に暮らす私たちがねこのアレルギーを知り、ねこのアレルギー反応に気づいて適切に対策を行えるよう知識を身につけることは大切なことなのです。
ねこのアレルギー反応が起こるメカニズムは、人間のアレルギーと基本的には同じです。
アレルギー反応が起こる原因物質であるアレルゲンが体内に侵入し、アレルゲンを異物であると体が認識することでアレルギー反応が起こります。
アレルギーは生まれつき持っているケースもあれば、人間の花粉症のように、ある日突然アレルギー反応が起こることもあります。
そのため食べ物や環境が変わったわけではないのに、突然アレルギー反応が起こることもあるのです。
ねこの異常を確認した際には、動物病院での診察が必要になります。
しかし、どのアレルギーが該当するかわからなければ、対策を行うことができません。
闇雲に環境や食べ物を変えるのではなく、原因を突き止めてから対策を行いましょう。
アレルギー検査は5,000円から20,000円ほどで検査を行うことができます。
金額に幅がある理由は、どの品目のアレルギー検査かによって分かれます。
品目としては、環境アレルゲン、食物アレルゲン共に20項目前後がメジャーです。
これだけ多くの項目があるので、検査なしで闇雲に原因を探すのは困難であることがわかります。
また、基本的にアレルギー反応が見られない、ねこに関しては検査は推奨されていません。
これは、ねこの体がアレルゲンに対して反応をしている場合でも、症状が出ないほどであれば気にする必要がないからです。
検査には採血が必要となるため、少なからずねこにとっても負担となります。
アレルギーに関する何かしらの症状が出た際に、動物病院へ行って相談した上で検査を行うようにしましょう。
ねこのアレルギー反応に見られる症状は、皮膚炎と気道炎症状です。
皮膚炎はアレルギー反応により皮膚に痒みが生じ、過剰な毛繕いやかきむしりにより皮膚に以上が見られるケースです。
皮膚炎が起こっている場所ははげますので、発見はそれほど難しくありません。
しかし、長毛種や普段あまり見せないお腹などは気づかないことが多いかもしれません。
日頃からスキンシップを取る際に注意して確認したり、いつもより毛繕いが長い場合は疑ってみるのも良いです。
気道炎症状はアレルギーが喉に出るケースです。
もし、ねこが咳をしていた場合、アレルギーや他の病気である可能性があるため、動物病院を受診してください。
ねこのアレルギーは大きく分けると3つに分けることができます。
ノミアレルギー、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーに分けることができ、それぞれ対処法は分かれます。
動物病院で大まかな分類を診察してもらうことは可能ですが、具体的にどのアレルゲンに反応しているかまではアレルギー検査を受けなければわかりません。
しかし、どんなアレルギーがあるのかを知り、その症状を踏まえておくことによってねこの異常に気づくことができます。
世界中に生息するノミに対するアレルギー反応です。
ノミは哺乳類の体温を好み、体に寄生しながら吸血を繰り返し生息します。
吸血を行う際に唾液も分泌され、その唾液がアレルゲンとなりアレルギー反応が起こると皮膚炎を発症します。
全身のどこにでも反応が起きる可能性がありますが、ノミの糞を確認することもでき、これが判断材料になることが多いです。
動物病院では殺虫剤などでノミを駆除したり、投薬によって痒みを止める方法があります。
ねこの体からノミがいなくなったとしても、環境が変わらなければ再発する可能性は高いです。
そのため、生活環境の改善が最も有効に働くケースがほとんどです。
まずは動物病院にて症状を改善し、再び再発するリスクを最低限にできるよう、生活環境の改善を行うことが必要となります。
人間と同様に、ねこにもアトピー性皮膚炎が存在します。
アレルゲンは塵、空気中の花粉、ダニ、カビ、フケなどです。
花粉に関しては季節性ですが、その他のアレルゲンに関しては通年性です。
多くの場合、生後4ヶ月から7ヶ月の間に発生し、1歳から3歳くらいでひどくなるケースがほとんどです。
投薬による治療や薬用シャンプーなどの使用、生活環境の改善などが主な対策方法として挙げられます。
また、皮膚炎の悪化を避けるためにエリザベスカラーやソックスを使用するケースもあります。
治療法として、アレルゲンを少しずつ注射して体を慣らしていくという方法もあり、症状が改善されたという成功例は75%ほどです。
診断後は医療行為も多くなりますので、獣医さんと相談の上、症状の改善を目指す方法となります。
ねこはもともと肉食動物であるため、穀物に対するアレルギーが出やすいこともあります。
しかし、それだけではなく鶏肉や牛肉、魚に関してもアレルギーを持っているねこもいます。
ねこのご飯はキャットフードである家庭が多く、人間のようにアレルゲンの検討をつけることは非常に難しいです。
キャットフードは必要な栄養素が含まれているため変更する必要はありませんが、その中にアレルギー反応が出るものがあれば他のキャットフードに変更する必要があります。
アレルギー反応が出ると、特定の部位を掻く、過剰に舐める、噛むなどの行動が出ます。
皮膚炎の症状によっては投薬を行いおさえる場合もありますが、基本的には食生活の改善が対策方法となります。
キャットフードには配合されている食物の一覧が記載されているため、アレルゲンを特定したあとにこれらの品目を避け、ねこのご飯を選ぶようにしましょう。
ねこがアレルギー症状を発症することは確認されていることですが、詳しく見ていくと他の動物とは異なる点があります。
そしてねこ特有のアレルギーに対するメカニズムは、まだ研究段階にあるのです。
ねこにアレルギー症状が出た場合は動物病院を受診し、生活の改善を行うことで改善されますが、どのような点がねこと他の動物では異なるかをご紹介します。
他の動物の場合は、免疫システムに異常が起きることによって体にアレルギー症状が現れます。
しかし、ねこの場合はこのケースだけではなく、現在も研究段階のことがいくつもあります。
また、皮膚炎の原因として皮膚バリア機能の低下もありますが、ねこの皮膚バリア機能に関しては現在研究中というのが現状です。
ただし、私たちや他の動物の皮膚機能やアレルギー反応に対して、ねこに関しては少し異なった構造であるということはわかっているようです。
このため、もし新しい発見があればアレルギーに対する新たな治療法なども生まれるかもしれません。
現状のアレルギーに対する対策でも効果は充分ありますが、これからの医療の発展にも人間や他の動物以上に期待ができますね。
ねこの場合、皮膚に目立った症状がなくても痒みを発症している場合があります。
これも、他の動物とは異なるシステムでアレルギーが発症することが原因であるがゆえだと言えます。
いつもより毛繕いの時間が増え、さらに毛が抜ける本数が増えていた場合は皮膚炎を疑っても良いです。
ストレスで毛繕いの時間が増えることもありますが、毛が薄くなるほど舐め続けている場合には動物病院に相談するのも方法です。
人間のアレルギー反応に対する対策も大変ではありますが、ねこのアレルギーについても大変に感じるかもしれません。
しかし、ねこが自分でアレルギーに対して何かできることはなく、一緒に暮らしている私たちが何かしらの対策を行わなければいけません。
アレルギー反応が起こったねこは、何が起きているのかわからず、ただ皮膚炎に悩まされているのです。
適切な対策を行い、ねこを皮膚炎の悩みから救えるのも私たちです。
ねこに幸せに暮らしてもらうためにも、私たちが適切な対応を行いましょう。