別名「イジアン」とも呼ばれることのあるエーゲキャット(Aegean cat)は見た目が日本猫に似ていることから、近年日本でも話題が急上昇中の猫種です。
しかし、他の猫種とはちょっと変わった一面も持っており、日本猫とも少し性格が異なります。
そんなエーゲキャットはどのようなねこなのかをご紹介していきます。
エーゲキャットの正体は、昔からギリシャの自然に住んでいた猫種です。
キクラデス諸島から発生し、徐々に生息領域を増やしていったねこであり、昔から漁師の舟に乗って同行して島々を行き来していたといいます。
漁業が盛んなギリシャですが、漁師町でも問題になるのがネズミです。
エーゲキャットは、そのネズミを退治するために雇われた用心棒のようなポジションでギリシャに住んでいたのです。
ネズミ退治を行い、たまに漁師から魚をもらう生活を送ってきたエーゲキャットですが、近年やっと世界に名前が知られるようになってきました。
そのため、ギリシャへ旅行へ行った際にエーゲキャットを見る方はいても、日本においては現在もマイナーな猫種だと言えます。
エーゲキャットがまだ世界に広まっていない理由としては、古くからギリシャに住んでいたねこにもかかわらず、猫種として登録されたのが1990年のことです。
さらに、現在もギリシャの協会からしか猫種として認定を受けていないため、キャットショーに出演するなどの公の場に出ることも少ないため、その名を知っている人は世界でも少ないのです。
世界で猫種として登録されるには厳しい規定もあることから、現在でもギリシャのブリーダーが繁殖を行ってはいるものの、規定に適合していないというのが登録に至らない理由となります。
しかし、ギリシャではエーゲキャットを国宝とし、繁殖も行っていることから近い将来世界で認められることになるでしょう。
エーゲキャットが世界に知れ渡った理由としては、インターネット、特にSNSの普及によるものが大きいでしょう。
猫種が広まる方法としては、古来からキャットショーに出演することでその名を轟かせてきました。
しかし、近年は写真に映り込んだねこがホームページ上で公開されたり、一般の人たちがSNSに投稿することによって存在が明るみに出ることが多くなりました。
ギリシャで撮影した写真の中にたまたまエーゲキャットが映り込み、ただの野良猫かと思われていたものの、ギリシャでは国宝とされているのだという話が流通するのです。
インターネットが普及する前であればギリシャ限定で止まっていたかもしれないエーゲキャットが世界に知れ渡ったのも、現在の文化があってこそだったのです。
日本ではまだエーゲキャットと暮らしている方はあまりいないと言われています。
繁殖が行われているのもほとんどがギリシャなため、世界にもあまり流通していないのが現状です。
しかし、風貌が日本猫に似ていることから興味をそそられた方もいらっしゃるはずです。
そこで、エーゲキャットがどんなねこであるのかを知りましょう。
エーゲキャットは頭が良く、人間によく懐くねこです。
これはエーゲキャットが育ってきた環境によるもので、自然界で生きてきたため賢さが身につき、さらに観光都市であるギリシャに住んでいるからこそ、知らない人がいてもお構いなしに日常生活を送れるのです。
さらに、ギリシャの港町で長年生活してきたエーゲキャットは、水を怖がりません。
日本猫とは大きく異なる部分ではありますが、浜辺を散歩したり、時には誰も乗っていない舟に飛び乗ったりすることで、水への恐怖心がなくなったと言えます。
まさに、ギリシャという環境が作り出したエーゲキャットの性格と言えますね。
エーゲキャットの外見は日本猫によく似ています。
少し小ぶりな体つきや顔つきなど、性格こそ異なりますが見間違えてしまうほどです。
これは、日本の風土とギリシャのキクラデス諸島の気候が似ていることが原因です。
世界のねこを見ると、出身の土地に合わせた体に進化していくことが多く、エーゲキャットや日本猫も同様に暮らしやすいように進化を遂げてきたのです。
そのため、もし日本で一緒に暮らすことがあったとしてもエーゲキャットにとっては日本も過ごしやすい気候と言えます。
古来から漁師と共に過ごしてきたエーゲキャットは人間に対しての敵対心が低い猫種です。
人間の生活圏内で過ごしてきたことから、日常に人間がいても気にしないことはもちろん、ごはんをもらってきた歴史も長いため人と一緒に住むことに慣れているのです。
現在、世界ではあまり流通していないエーゲキャットではありますが、家猫としてせいかつすることには非常になれています。
害虫退治も得意なことから、家に虫が出た際にも率先して対峙してくれる心強い相棒だとも言えます。
人間と暮らすことに慣れているエーゲキャットですが、もし一緒に暮らすことになった場合に気をつけたい注意点も知っておく必要があります。
エーゲキャットを詳しく見ていくと、実はとてもおすすめのねこなのです。
他の猫種と比較してどのような違いがあるのかを把握することで、もしかするとエーゲキャットと暮らしたいと考える方も出てくるかもしれませんね。
自然発生的に生まれた猫種は遺伝性の病気が少ないという特性があります。
ねこの外見は遺伝によって決まりますが、外見を保とうとするあまり遺伝性の病気も受け継いでしまうことがあることが特徴です。
自然発生的なねこは、遺伝性の病気を持ったねこは子孫を残すことが難しいため、自然界で生き残ることができたねこが代々命を繋いできたと言えます。
もちろん、個体差があり先天的な病気を持っている子もいるのも事実ですが、猫種としては病気に強いと言えます。
もちろん、他の日本猫やサイベリアンなど、自然発生的に生まれたねこも遺伝性の病気があまり見られない猫種もいます。
遺伝性の病気を絶対に避けたいという方は、エーゲキャットはおすすめできる猫種の一つです。
エーゲキャットと一緒に住む際に注意したいことの一つに水の危険があります。
通常のねこでも注意しなければなりませんが、お風呂に水を入れたままの外出は避けたほうが良いでしょう。
水を怖がらない猫種だとしても、興味本位でお風呂に近づき、誤って落ちてしまってはそこから上がることはできません。
特に留守中は対処することができないため、お風呂は空にしておきましょう。
扉を閉めていてもエーゲキャットの頭の良さなら開けてしまう子もいます。
命を守るためにも、水回りの対処には注意する必要があるのです。
いざエーゲキャットと暮らしたいと考えても、現状では日本で一緒に住むことは難しいです。
理由としては、世界であまり流通しておらず、猫種としても世界では認められていないためブリーダーもいないことが原因です。
ギリシャに行けば出会うことは可能ですし、街中を歩いていてもエーゲキャットに出会うことは可能です。
しかし、日本で一緒に暮らそうと思うと出会いに苦労することは間違いありません。
方法としては、現地のブリーダーを探しにいくことが最も早いくらいです。
唯一の救いは、日本で一緒に暮らすことが法律で禁じられているわけでもなく、規制もないため出会うことさえできればあとは容易にことが進みます。
日本で出会うことの難しいエーゲキャットですが、その性格や外見に心奪われる方も少なくないはずです。
エーゲキャットにとっても、日本の気候が生まれ故郷に似ていることから幸せに暮らせるはずです。
もちろん、私たちがギリシャに引っ越すことが可能であればエーゲ・キャットとは容易に暮らすことはできますが、なかなかそれも難しいでしょう。
ただし、アンテナを張っていると、いつか出会えるチャンスはあるかもしれません。
エーゲキャットを気に入った方は、いつか一緒に暮らせることを願っています。