いつの時代も老若男女を問わずファンが多く、街でよく見かけるねこ。
野良猫でも、家で飼っているねこでも、自分たちが好む特定の場所をもっています。
では、ねこが好きな場所とは、どんなところなのか解説していきます。
ねこが好む場所には、ねこの特性が密接に関係しています。
気まぐれな性格や、よくする不思議な言動にも理由があるのです。
特性を理解することで、今まで出会えなかった野良猫に街で遭遇することが増えるかもしれません。
そしてねこを飼っている方には、今まで以上になついてくれるかもしれませんね。
ねこは元々、狩りをして獲物を捕獲し生活をする動物です。
お家や街で見かける野良猫からは、想像もつきませんが、あのかわいい見た目のねこにも、狩猟本能が備わっています。
基本的な狩猟スタイルは、わかりづらい場所に身を潜めて、獲物が近づいてきた時に、一気に捕獲するスタイルです。
飼いねこが、猫じゃらしになどのおもちゃなどの動くものに反応するのは、この狩猟本能の影響となります。
ねこはそれぞれの縄張りを持っています。
この縄張りは野良猫だけでなく、家で飼われているねこも同様にあります。
自分のエリアを明確にしておくことで、他のねことの不要なトラブルを避けて、平和に暮らすことができるのです。
ねこは、自分の匂いを付ける「マーキング」をすることで、テリトリーをしっかり決めます。
よく見られる、顔や頭を物にこすりつけ言動が、まさにマーキングです。
また爪を研ぐ行動も、縄張りを明確にする目的に由来します。
常に清潔な状態を保つために、ねこは毛づくろいをしたり、自分の体を舐めたりします。
これは匂いを消すことで、敵に気づかれないようにしていた野生時代の習慣の名残です。
その中でも排泄後については、外部から危険が及ぶことのない、飼いねこも気にして、体を綺麗にします。
そのため猫用のトイレが汚れていると気に入らず、すぐに使わなくなるので、注意してください。
お部屋の中で、高いものの上によじ登る姿や、満足そうにくつろいでいる姿を見かけることが多いのではないでしょうか。
タンスやキャットタワーのてっぺん、冷蔵庫の上でくつろぐ姿に、人間はよく癒やされているはずです。
ではなぜ高いところを、ねこは好むのでしょうか。
自然界では、どこに外敵が潜んでいるかわかりません。
そのため天敵に遭遇しないように高いところに避難し、身を守っているのです。
野生での安全な場所を見つけるという行動が本能としてねこには残っています。
また、高い場所から高い場所へ飛び移るジャンプも、野生動物として狩猟していた時の名残です。
同じネコ科のヒョウは、高い場所を自在に飛び回り、待ち伏せをして獲物を狙います。
獲物は違いますが、ねこにも似たような習慣があるのです。
ねこにとって、高い場所はとても居心地が良い場所です。
お家であれば冷蔵庫の上や、高い棚の上というのは、人間の手が届きにくいところとなります。
ねこにとってみれば、誰にも邪魔をされず、ゆっくり落ち着ける場所です。
飼い主さんを困らせるような場所によくいるのは、そのためです。
ただ、自分から高い場所に行ったのにも関わらず、降りれなくなって助けてもらわなければならなくなってしまうのは、やめてもらいたいですよね。
段ボールに入ったねこや、ねこが鍋に入って寝ている猫鍋のイラストや写真をよく見かけませんか。
癒やされるこの言動にも、しっかりとした理由があります。
のんびりした性格のように見えるねこですが、野生時代は自分で工夫して生き抜かなければなりませんでした。
野生で狩猟をしていたころのねこは、自分たちの餌になる虫や小動物を捕獲するために、小さな見えにくいスペースに潜んでいました。
そのハンターだったころの名残があり、良く狭い場所で見かけるのです。
加えて、ねこは誰にも邪魔をされない単独行動を好む動物であるため、他の動物が来ないであろう、暗くて狭い場所を好むというのもあります。
このような場所で、野生の時は、ゆっくり眠ったり、獲物をじっくり食べていました。
体よりもかなり小さい箱や、穴に突っ込んでいくねこの姿は愛らしくもあり、恐怖に感じることもありますよね。
この動きも野生時代からの習慣です。
小さなスペースにチャンスがくるまで、身を潜め獲物が来るのを待ちます。
ねこたちは、家の中でさえも、小さな穴や箱を見つけると、獲物がいないかと、喜んでパトロールをしているみたいですよ。
ストーブの近くや、タオルケット・シーツ、はたまた飼い主さんの近くなど、ねこは暖かい場所を好む動物です。
日向ぼっこをしながらあくびをするねこの姿は、とてもかわいいですよね。
どうして、ねこは暖かい場所が好きなのでしょうか。
ねこは、人間と違い自分で体温を調節することがあまり得意ではありません。
そのため、暖かい場所を見つけることが得意なのです。
人間の平均体温が36℃台であるのに対して、ねこの体温はおおよそ38℃と言われます。
体温調節が苦手な上に、平熱が高めであることからも分かるように、寒い場所は苦手です。
反対に夏は猫にとって暑すぎます。
風通しの良い場所や、日陰、ひんやりしたフローリングでまったりしているねこをよく見かけるのは、そのためです。
猫の平熱からすると、30℃を超えると熱中症になってしまう可能性もあるのです。
エアコンを活用して、快適な空間にしてあげてください。
暑すぎる、寒すぎるの判断をねこは温度だけではなく、湿度でもしています。
ねこにとっては湿度が50~60%に保たれると快適だと感じます。
これは人間も同様なので、ねこちゃんを家で飼っている人は、加湿器を使ってねこにとって快適な湿度を維持してあげてください。
冬は、猫専用に毛布や、簡易のベッドを用意してあげると喜びますよ。
ねこが嫌がる場所は、ズバリ怖いと感じてしまう場所です。
自然界だけでなく、飼い猫にとっては家の中ですら怖いと感じてしまう場所はあります。
ねこは、大きな振動や音が苦手です。
人間にとっては生活音の一部であっても、ねこからすると強い衝撃です。
たとえば、飼い猫の場合、家の中で大きな衝撃だと捉えられる可能性があるものは、大きな声、洗濯機の音、掃除機の音、音楽などです。
ねこちゃんの様子をうかがいながら、調整できるものについては気を付けてみてください。
また、過去に怖い思いをした場所をねこは、よく覚えています。
飼い猫の場合は、病院なども怖い場所に該当します。
ねこにとって自分の知らない場所は恐怖に感じます。
ねこは縄張り意識の強い動物で、マーキングをしながら常に自分のテリトリーを中心に生活しています。
そのため、自分が知らない場所、つまりテリトリーの外は怖いと感じてしまうのです。
当然、自分の知らないエリアに他のねこがいた場合は、そこが、そのねこの縄張りとなるのです。
ねこは、狩猟本能を持ち、縄張り意識の強い動物です。
それは野良猫だけでなく、飼い猫も同様のことが言えます。
この特性が、ねこが好む好きな場所と密接に関わってくるのです。
高い場所はねこにとって居心地の良い場所の1つです。
ですので、たまに降りられなくなってしまい困らせることもありますが、許してあげてくださいね。
最後に、ねこは体温調節が苦手なため、寒い場所や暑い場所を好みません。
ねこを飼っている方は、温度と湿度を意識しながら、ねこにとって心地良い環境を作ってみてください。